プロローグ編044/【田村 写樂(たむら しゃらく)ルート月影 風水(つきかげ ふうすい)?/サイト0】/写樂による【主人公権】の譲渡1
身体が不自由になった【写樂】だったが、【汐音】と言うパートナーを経て、【芦柄 吟侍】の【後継者】/【主人公権】の譲渡が最後の仕事として残された。
【写樂】の枠では、条件として、【異能の仕組みを理解すると斬る事が出来る能力】/【異能斬術】が使える者というのがある。
すでにある108の流派には該当者がおらず、見つけるのは難航するものと思われていた。
が、運命というのは数奇なものである。
探しても見つからなかった者が、探しにくい状態になった時に見つかった。
その者の名は、【月影 風水】と言う。
108の流派の開祖と同じく【元の素養】で身につける力を持った【異能斬術剣士】であるのはもちろん、108に流派が別れる前の始まりの【異能斬術剣士】と同等の才能がある。
それは当然と言えば当然でもある。
彼は、その【はじまりの異能斬術剣士】が【転生】した姿なのだから。
現時点においてではあるが、当然、彼以上の才能を持つ【異能斬術剣士】は居ないと言えるのだ。
しかも、彼は【混ざりものの転生者】なのである。
【はじまりの異能斬術剣士】だけでなく、
【過去】、
【未来】、
【現在(別の場所)】、
【異世界】、
の4つの時代や世界の【4名】が【混ざり合って転生】した、【4つの魂】が混ざった【特殊な転生者】なのである。
【過去】の前世は、【はじまりの異能斬術剣士/反対 零一】/【老/男】、
【未来】の前世は、【未来のマニアック商品専門店の幼い店長/立川 眞幌】/【若/女】、
【現在(別の場所)】の前世は、【同時代転生の天才多種分野研究家/橘 助作】/【男】、
【異世界】の前世は、【異世界に住んでいた万能エルフ/フィンファイナ】/【女】、
となっているが【写樂】はまだ何者が混ざっているのかわからないと言う状態だ。
だが、4つの姿になれると言う特徴を持っているのは何となくわかっている。
【写樂】は、【風水】の才能と素養、素行などを見極めるため、しばらく観察する事にした。
その才能は素晴らしいの一言だった。
【零一】の【異能斬術剣士】としての力、
【眞幌】の【未来道具】、
【助作】の【研究成果】、
【フィンファイナ】の【万能魔術】、
それらを受け継いだ【風水】の才能・・・
申し分ないと言えた。
だが、問題が発生した。
他の候補者も見つけてしまったのだ。
1人目は、時を超えてやって来た【はじまりの異能斬術剣士/反対 零一】だった。
なんと同じ時代に【前世】と【後世】が同時に存在していると言う事態になったのだ。
2人目は、【異能斬術剣士】として、【反対 零一】の才能を超える逸材が居たと言う事だ。
その名は、【土門 日向】と言う。
女性でありながら、誰に教わった訳でもないのに独自に【異能斬術】が出来る様になっていた。
言ってみれば、【はじまりの異能斬術剣士】の流れとは全く別の109派目を担える超逸材と言える。
【風水】、
【零一】、
【日向】、
と言う3名の超逸材達を目の当たりにして、【写樂】は迷った。
誰を選んでも申し分ないと思うが、誰か1人になど絞りこめない。
残り2人がどうしても惜しく感じられるのだ。
【写樂】は、
「どうしたものか・・・」
と迷っていると、【汐音】が、
「本来、どの様な後継を望んでいるのか?
それをお考えいただければおのずと答えが出るのでは?」
と助言した。
【写樂】は、
「どの様な後継・・・か・・・
・・・なるほど・・・
ありがとう、【汐音さん】。
誰にするか決まったよ」
と言った。
【写樂】が選んだのは誰か?
【風水】か?
【零一】か?
【日向】か?
答えはその誰でも無かった。
【写樂】は、第4の存在に【後継】を託す事にした。
彼は、候補者3名以上の逸材を見つけたと言うことなのだろうか?
答えは否であり是だ。
否の部分は、第4の存在は、候補者3名よりも遙かに【異能斬術剣士】としての才能は無い。
むしろ、出来なさすぎて破門されたくらいであるため、末席にも入っていない。
まさか、そんな事が・・・
あるのである。
【写樂】は、今まで、【異能斬術】の腕で探そうとしていた。
だが、【芦柄 吟侍】の【後継者】は、【異能斬術】の達人である必要はないのだ。
あくまでも【異能斬術】は、【写樂】の後を継ぐための【後継の条件】であり、絶対ではない。
申し訳程度でも最低限【異能斬術】っぽい力があれば、それで事は足りるのである。
【吟侍】が求めていたのは、【異能斬術】の【剣士】では無い。
冒険に出れる他の力を有しているものなのだ。
【異能斬術】など印に過ぎない。
だから、判断基準として、【写樂】は、【異能斬術】の腕では無く、【異能斬術】で酷評されても他の【夢】を持って歩きだそうとしている【目】を持った若者に託そうとしたのである。
つまり、【写樂】は未来の可能性に賭けたのである。




