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(ファーブラ・フィクタイズム4)【エーウェントゥス・アウディーティオ】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編043/【田村 写樂(たむら しゃらく)サイト0】/写樂の事件簿9

 【一影】と【二影】を倒した【写樂】。

 その次の夜はまた、【汐音】と肌を合わせた。

 一度目の時はフワッとした感じだったが、【二影】を倒した後の【汐音】はより肉感的だった。

 どうやら、【存在力】の様なものが薄まっている状態で、【影】を倒す度に増していくのだというのが推測出来た。

 【写樂】は、

「次は【三影】・・・

 異能は3つ・・・

 勝てるかどうか・・・

 だんだんわからなくなってくるな・・・」

 と独り言を言ったつもりだったが、それを【汐音】に聞かれてしまった。

 【汐音】は、

「ごめんなさい。

 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、

 ごめんなさ・・・い・・・

 私のせいで・・・」

 と泣きじゃくって謝罪した。

 【写樂】は、

「あぁ、すみません。

 どうか、泣かないでください。

 貴女のせいじゃない。

 貴女のせいではないのです。

 貴女のせいではありません。

 自分が不甲斐ないので・・・

 自分に怒っていただけです。

 貴女の期待に応えられない。

 貴女を不安にさせている・・・

 この自分の弱さが憎いのです」

 と言った。

 【汐音】は、

「そんな事、おっしゃらないで・・・

 それに・・・死なないで・・・

 ください・・・」

 と言ってそっと背中から抱きついた。

「【汐音さん】・・・

 愛しています。

 貴女を悲しませたりしない。

 もう、弱音も吐きません。

 必ず貴女を幸せに・・・しますので・・・」

「はい。

 私も貴方が最後の男性だと思っています。

 貴方が死んだら、私も命を断ちます。

 だから、死なないで・・・お願い・・・」

「はい。

 必ずや・・・

 必ずや生きて貴女と幸せになります。

 負けません。

 絶対に勝ちますから」

「はい。

 ありがとうございます」

 と言う話になっていた。

 【影殺姫】はみんな愛情深い女性だと言う。

 その愛情に答えるために、男達は力を振り絞って守ろうとする。

 そして、道半ばで・・・

 と言うのがこの【都市伝説】の結末だ。

 そうならないために、【写樂】は気合いを入れた。

 【影殺姫】と言う負の連鎖。

 それを断ち切ってやると彼は決意したのだった。

 そして次の夜は【緑の月】が上がった。

 と同時に、【三影】が姿を現す。

 【写樂】は、

「出たな、【三影】。

 覚悟してもらうぞ」

 と言った。

 【三影】の異能は3つ。

 【三影】を倒せば、今度は【四影】だ。

 【四影】の異能は4つ。

 【四影】を倒せば、今度は【五影】だ。

 【五影】の異能は5つ。

 【五影】を倒せば、今度は【六影】だ。

 【六影】の異能は6つ。

 【六影】を倒せば、最後は【七影】だ。

 【七影】の異能は7つ。

 【七影】を倒した後は、【影殺姫】そのものの因縁との対決が待っているだろう。

 既に身体がボロボロの【写樂】にとっては気の遠くなる道である。

 だが、彼はやる。

 やりきる。

 【汐音】と2人、細々と、人の為に生きるため、今日も死線をくぐり抜けていくのだった。

 結果はどうなるか?

 それはもちろん・・・

 【写樂】は左手と右目を失い、右脚も義足となったが生き延びる事には成功した。

 だが、もはや、【異能斬術剣士】としてはやっていける様な状態では無くなっていた。

 もう、引退しか道は残されていない。

 後は命尽きる前に、【主人公権】の譲渡を行うだけ。

 それだけが残されたのだった。

 【写樂】の引退の時はすぐそこまで迫っている。

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