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(ファーブラ・フィクタイズム4)【エーウェントゥス・アウディーティオ】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編041/【田村 写樂(たむら しゃらく)サイト0】/写樂の事件簿7

 町中から忌み嫌われていた不幸な【影殺姫(えいさつき)】/【蓮見(はすみ) 汐音(しおね)】・・・

 彼女を守るために【写樂】は、彼女の家に泊まる事にした。

 【影殺姫】は彼女自身を殺そうとする彼女の【影】が7つ存在する。

 濃度が濃いほど強い【影】であり、影は、

 【一影(ひとかげ)】、

 【二影(ふたかげ)】、

 【三影(みかげ)】、

 【四影(よつかげ)】、

 【五影(いつかげ)】、

 【六影(むかげ)】、

 【七影(しちかげ)】、

 と呼ばれている。

 彼女の場合、一番濃度の薄い【一影】だけで、これまで守ってくれた男性達を抹殺しているので、【二影】から【七影】もその分、実力が底上げされている。

 単純に、7つの【影】は、濃度が濃くなる度に、1つずつ異能が増えるとされている。

 【一影】は1つの異能、

 【二影】は2つの異能、

 【三影】は3つの異能、

 【四影】は4つの異能、

 【五影】は5つの異能、

 【六影】は6つの異能、

 【七影】は7つの異能、

 がそれぞれあるとされ、【影殺姫】ごとに、異能の種類は異なるとされている。

 つまり、【汐音】の【一影】の持つ【異能】が非常に厄介で、みんなそれにやられていると言う事である。

 その謎を解かない限り、【写樂】もこれまでの用心棒を買って出ている男性達と同様に死ぬ事になるかもしれない。

 死は覚悟していつも生活している。

 多くの命を奪って生き延びた【写樂】はいつ殺されても文句はないと思っている。

 決して許されない罪人であり、死んで償える物でもないと思っている。

 だからこそ、出来るだけ生きて、その時間を困っている人達のために使いたい。

 【写樂】はそう考えている。

 だから、殺そうと思っている相手に素直に殺されてやる訳には行かない。

 何より、自分の命を粗末にする事も罪だと思っている。

 【写樂】の人生は償いの人生である。

 だから、光り輝く【芦柄 吟侍】の【後継者】で居続ける訳にはいかない。

 だれか他に相応しい者を見つけたら、その者にしっかりと譲渡しなくてはならない。

 少なくとも、譲渡が終わるまでは死ぬわけにはいかないのだ。

 それに、【汐音】は多くの存在に嫌われてしまっている。

 そんな女性に寄り添って生きて行くのもまた人生なのではないか?

 彼はそんな事を思い始めていた。

 【汐音】が望めばの話になるが・・・

 今後の人生は共に・・・

 苦しい時も病める時も・・・

 そんな思いがちらつく。

 自分は彼女に恋をしているのか?

 【写樂】はそう感じていた。

 そんな事を考えていた彼の前に【一影】が現れた。

 薄い影だ。

 これが先鋒だというのがはっきりとわかった。

 だが・・・

(自分は彼女と上手くやっていけるだろうか・・・)

 などと全く戦闘と関係ない負抜けた事を考えている。

 次の瞬間、【一影】が斬りかかる。

 だが、身体の方が覚えていたのか、紙一重でかわす事が出来た。

 【写樂】は瞬時に呼吸を止める。

 自分は惑わされていると気付いたからだ。

 普段の自分なら女人との事を思うなどあり得ない。

 そのあり得ない事を起こさせる何かがあった。

 そこには【鱗粉】の様なものがまっていた。

 その【鱗粉】には様々な【麻薬成分】が混じっている。

 これを知らずに吸った用心棒達が全滅して居たのだ。

 絡繰りが理解出来れば、後は斬るだけである。

 【吟侍】が【写樂】を【後継者】として【評価】したのは正にこの【斬る力】である。

 彼は、【異能の仕組みを理解すると斬る事が出来る能力】を持っているのだ。

 そして、この【能力】こそが、【後継者】の証である。

 【天傑】の次の【後継者】が【ニナカノン・ジェニック】と関わっている事が条件だったのに対し、【写樂】の次の【後継者】は、【異能の仕組みを理解すると斬る事が出来る能力】/【異能斬術いのうざんじゅつ】が使える事が条件となる。

 【吟侍】は、108あると言われている流派の中から、【写樂】を見つけ出した。

 逆に言えば、108の流派の中には【写樂】以外の候補者は見つからなかった。

 つまり、【写樂】が次の候補者を見つけるには108の流派からもれた【異能斬術剣士いのうざんじゅつけんし】を見つけるしかないのである。

 【異能斬術】は【修行】で身につける方法と、【元の素養】で身につく方法の2つがあるとされており、108の流派の【開祖】は、【元の素養】で身についた【異能斬術剣士】だったと言われている。

 その後で、【開祖】達が、人に伝授する方法を見つけ、教えて行ったとされているが、どうしても【修行】で身につけた者には限界がある。

 【写樂】も厳しい【修行】で身につけた【異能斬術剣士】であるため、限界があった。

 そのため、度重なる戦闘で身体がボロボロになってしまったのである。

 【開祖】達は素で出来ていたため、身体が傷つく事は無かったと伝承にはある。

 108の流派に居ない以上、破門された者か【開祖】の様に、【元の素養】で身につける力を持った【異能斬術剣士】を見つけるしかないのが【写樂】の辛いところである。

 話は横道にそれたが、【写樂】は、

「【せ】の型。

 【千羽鶴の舞】」

 と言うと、様々な麻薬成分のある【鱗粉】を【斬り】、同時に【異能斬り】も果たした。

 【異能】を失った【一影】はより薄くなって消えたのだった。

 【写樂】は、

「後、6影(数え方)・・・」

 とつぶやいた。

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