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(ファーブラ・フィクタイズム4)【エーウェントゥス・アウディーティオ】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編038/【田村 写樂(たむら しゃらく)サイト0】/写樂の事件簿4

 【写樂】は次なる困り事として、あるご婦人の相談を受けた。

 夫と息子が、【犯罪者の一族】の血を継いでおり、【犯罪者への招待状/ギルティー・チェーン・レター】により、思考が犯罪者になってしまい、大量殺人を起こしてしまうかも知れないと怯えていると言う事だった。

 【写樂】が思い出せる気付いた事を何でも良いから出来るだけ教えて欲しいと伝えると、夫人は、しばし考え、

「完璧なやつではありませんが・・・

 確か、家系図があったはずです。

 ただし、私と息子は書かれていませんので、他にもヌケがあるかも知れません。

 ここ15年ほどで新たに一族が誕生して居た場合、わからないと思います。

 まぁ、15歳未満の子供に何か出来るとは思いませんけど・・・」

 と言った。

 【写樂】は、

「そう考えるのは早いです。

 早い時は4歳児でも殺人の訓練は行われるはずです。

 だから、15歳未満だから見のがして良いと言う事にはならないはずです。

 家系図の完全版があるのなら、手に入れた方が良いかも知れません。

 現在、どれくらいの一族が居ると思いますか?

 わかる範囲でかまいませんのでお聞かせください」

「そうですね・・・

 最低でも100人はいるかも・・・

 でも夫の話では、特殊な【手紙】を作れるのは、一族でも【トップ】に君臨する一部の者だけだそうです。

 それはたぶん、10人くらいだと思います。

 その人達さえ何とかすれば、あるいは・・・」

「そう・・・ですか・・・

 お手持ちの家系図にその10名は載っていますか?」

「はい。

 その10名なら、確か、【赤】で書かれているはずです。

 それ以外の人間は【黒】で書かれているはずです。

 これも特殊なインクで作られているらしく、【上位衆(じょういしゅう)】と呼ばれる特殊な【手紙】を作れる【技術】を持つと、【黒】から【赤】に変わるそうです。

 だから、現在、書かれている名前に限定されますけど、【上位衆】は赤で表示されているはずです」

「そうですか?

 ではその家系図、お持ちいただいて見せていただく事は可能ですか?」

「はい。

 では我が家の方へご足労ください」

「わかりました。

 お伺いします。

 不安でしょうけど気を落とされずに。

 自分が出来るだけお守りしますので。

 どうやら、【人外】も関わっていそうな案件だというのが予想されるので、自分もそれなりの準備をさせていただく事になると思いますが、よろしいでしょうか?

 場所を教えていただければ、伺いますので」

「わかりました。

 よろしくお願いします」

 と言って、【婦人】は、自宅の住所を【写樂】に教えた。

 【写樂】は支度を調え、【婦人】の家に向かった。

 【インターホン】に向かって、

「すみません、先ほどお話しを伺った、【田村 写樂】と申します」

 と名乗った。

 人助けのために名乗りを挙げるつもりはない。

 だが、流石に人様の家を訪ねる時くらいは名乗らざるを得ない。

 それで名乗ったのだ。

 【婦人】は、

「お待ちしていました。

 こちらです。

 離れの方でお話を・・・

 夫と子供は現在錯乱状態なので、他人が家に入るのを極端に恐れていますので・・・

 申し訳ありませんが・・・」

「わかりました。

 では、家系図を見せていただけますか?」

「はい・・・

 では、こいつをどうぞっ」

 と言っていきなり襲いかかってきた。

 だが、【写樂】は【婦人】を昏倒させた。

 【婦人】は偽物だった。

 【写樂】は、

「入れ替わっていた?

 もう、既に敵の手が・・・

 不味い。

 そこまでせっぱ詰まっていたとは・・・」

 と自分が一旦、準備のために戻った事を後悔した。

 【婦人】は既に攫われている。

 恐らく、夫の一族に。

 このままでは・・・最悪の結果になってしまう。

 【写樂】は焦った。

 だが、すぐに、

「すぅ~はぁ~」

 と深呼吸し、息を整える。

 こういう時こそ冷静に判断する時だ。

 【写樂】は戦場で何度も学んできた事だ。

 何か突破口になる事があるはずだ。 

 まずはそれを見つける事が第1だ。

 と彼は考えた。

 【婦人】から貰った情報は少ない。

 だが、やるしかない。

 【写樂】は頭をフル回転させて考えた。

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