プロローグ編037/【田村 写樂(たむら しゃらく)サイト0】/写樂の事件簿3
【写樂】は、
「どうか、なさいましたか?」
と尋ねた。
いつもの人助けである。
困った顔になっている人や存在を見つけたら放っておけない。
それが、【写樂】と言う名の【吟侍】の【後継者】の1人である。
今回はご婦人である。
ご婦人は、
「貴方がですか?
無償で人助けをしていると言う方は?」
と聞いた。
【写樂】は、
「人助け・・・と呼べるかわかりませんが、自分は自分の回りの困りごとを解決出来ればと思っています。
もちろん、お代はいただいておりませんが・・・
何かお困りなのですか?」
と聞いた。
「はい。
警察もあてにならなくて。
お願いします。
夫と子を助けてください。
このままでは夫と子供は犯罪者になってしまいます」
「どういう事でしょうか?
良かったらもう少し詳しくお話していただけませんでしょうか?」
「信じてもらえないかも知れませんが、夫は犯罪者の一族なのです。
私と出会い、その一族と縁を切っていますが、一族はみんな【遺伝催眠】と言う闇の技術で、洗脳されていて、【犯罪者への招待状/ギルティー・チェーン・レター】と呼ばれる【黒い封筒】に入った【手紙】を見ると、【闇の意識】が覚醒してしまうらしいのです。
夫はそれに怯えていて、夫と血がつながっている息子もそうなる可能性があります。
お願いします。
一族を滅ぼして欲しいというのは願いですが、それが無理なら、その手紙が来ない様にしていただけませんでしょうか?
このままでは安心して暮らせません。
一族はどこで監視しているのかわかりません。
だから不安で夜も眠れない状況が続いているのです。
警察にかけこみましたが、
『そんな馬鹿な話が信じられる訳ないだろう』
『警察をおちょくると逮捕するぞ』
と言われる始末で信じていただけません。
探偵も雇おうと思いましたが、
『手に余る案件だ』
と匙を投げられてしまって。
便利屋なども考えましたが、
『割に合わないから依頼は受けられない』
と言われました。
他にも色々当たってみたのですが、どこもまともには相手にしてくれなくて・・・」
「・・・わかりました。
とりあえず、旦那さんとご子息にも話を伺ってもよろしいでしょうか?」
「無理です。
2人ともすっかり怯えてしまって・・・
部屋に閉じこもって出ないのです。
でも夫が言うにはどこからでも不思議な力で手紙は届くと。
人間の力を超えたものらしいので、どうにもならないと命を断とうと考える始末で・・・
とりあえず自殺されそうなので危険な物は部屋から遠ざけているのですが、このままだと命を断つ危険も・・・
息子にもそれが移ってしまい。
情緒不安定になっていて・・・
精神科医も手に負えないと言っていて、本当にどうしたら良いのか?
私としても夫と子供を犯罪者になんてしたくないです。
でも、強制力の様なものがあるらしく。
逃げても何処までも追ってくるから夜逃げも出来ないと・・・
ホントにどうしたら良いのか・・・」
「そうですか・・・
この案件は自分の手にも余るかも知れません。
ですが、やらないと言う選択肢はなさそうですね。
可能な限り協力させていただきます。
旦那さんと息子さんにお話が聞けない以上、奥さんが頼りです。
何でも良いのでその件に関して気付いた事を出来るだけ教えてください。
例えば、その一族は何人くらい居そうとか。
そう言った情報が欲しいです。
敵の正体も数もわからないのでは対処の取りようがありません。
何でも良いです。
気付いた事があれば・・・」
「そう・・・
ですか?
お、思い出してみます。
少しお時間いただいてもよろしいですか?」
「わかりました。
待ちますので、出来るだけ思い出してください」
と言う話になった。




