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(ファーブラ・フィクタイズム4)【エーウェントゥス・アウディーティオ】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編027/【相模 天傑(さがみ てんけつ)ルート/桃辻 蝶吉(ももつじ ちょうきち)サイト0】/【純粋無垢な主人公狸】

 【相模 天傑】の【主人公権】は、【クリエーター】/【桃辻(ももつじ) 蝶吉(ちょうきち)】に譲渡された。

 まずは、【蝶吉】がどういう存在か?

 それから語らねばなるまい。

 【蝶吉】は、【アーティスト】である。

 そして【人間】では無い。

 【人間のふりをしている元、子狸】である。

 【蝶吉】は、【存在帰化(そんざいきか)】と言う外国人がその国の人間として【帰化】する様に、【狸】が【人間】になる事を選択した。

 【存在帰化】と言っても【狸】の姿を捨てたと言う訳ではなく、びっくりしたりしたら【狸】に戻ってしまう事もある。

 元々、【化け狸】に部類する存在で、【人間】に化けたりする内に、【人間】になりたいと思って、【存在帰化】を選択したのだ。

 そんな【蝶吉】だが、彼にとっての【ニナカノン・ジェニック】はまだ登場して居なかった。

 代わりに出て来たのが、【ニナカノン・ジェニック】の【代理】である、【化け女狐】の【羽衣(はごろも) 天狐(てんこ)】だ。

 【天狐】は、

『しばらくよろしくね、坊や。

 あんた、ちびっ子だから、出直さなきゃ駄目みたいよ』

 と言った。

 【蝶吉】は、

『え?

 出直すって?』

 と聞いた。

『あんただけの【ニナカノン・ジェニック】を呼ぶにはあんたは幼すぎるって事よ。

 少しだけ【主人公】を堪能したら、別の誰かに一旦、譲渡しなさいって事。

 もうちょっと大きくなってから【名前】を改めて【主人公】になんなさいって事よ。

 元、【ぽこ吉君】。

 あんたが元、【狸】だってのはバレバレよ。

 だって、変化が下手だもの。

 【人間】にしては違和感があるわ。

 まぁ、【アーティスト】としての力量は、なかなかのものだと思うけどね。

 【仏師】って言うんだっけ?

 【仏像】を彫るのを見たわ。

 相当な腕だと褒められてたわね、あんた。

 【人間に憧れる狸】ね・・・

 まだ【人間】の汚さをしらないピュアな坊や。

 酸いも甘いも知って初めて一人前。

 あんたはまだひよこ。

 【主人公】だと名乗るのは100年早い。

 って事だから、あんたが今回【主人公】として活躍出来るのは今からちょうど100日、3カ月間ちょっとだけの限定的なものよ。

 まず、自分のしたいことに向き合って、まっすぐに生きなさい。

 そして、次の【主人公】に【主人公権】を譲渡したらその次に出番が回って来るまで私と修行よ。

 そして、次の【主人公】か、その次の【主人公】当たりが駄目になったら、その時、改めて【譲渡】されなさい。

 あんたには【2度目】の挑戦が許されている。

 今回は【1度目】。

 何かを為そうとは思わず気楽にやんなさいな』

『何をやっても良いの?』

『まぁ、あんたの発想の範囲ならね。

 どうせ、薄汚い事なんて何も思いつかないでしょ?』

『思いつくよ。

 汚れた雑巾とか、

 汚れたバケツとか、

 汚れたハンカチとかね』

『何、凄いでしょって顔してるのよ。

 そう言う事じゃないわよ、私が言っているのは。

 もっと汚らしいやり方があるって言ってるのよ』

『ひょっとして腐っているとか?』

『はいはい。

 あんたの発想はそんなところよね。

 可愛いわよ、あんた。

 だから、あんたの発想を逸脱しなかったら何でも良いわよ。

 好きにやんなさい』

『良いの?

 つまみ食いとかしちゃうかも知れないよ』

『あんたの悪事はそんな所でしょうね。

 はいはい。

 つまみ食いならドンドンやんなさいな』

『良いの?

 やったらママとかに怒られない?』

『怒られるでしょうね?

 で?』

『で?って?

 怒られると言う事はとびっきり悪いことだと思うけど?

 本当に良いの?

 やっちゃうよ、つまみ食い。

 例えばチョコレート2枚とかいっちゃうかも知れないよ。

 ポテチとかグミとか一緒に食べちゃうかも』

『好きにやんなさいよ。

 その程度の発想だから、大丈夫だって言っているのよ。

 安心してやって怒られなさい』

『怒られるのはやだなぁ・・・

 じゃあ、内緒にしとくとか?

 いやぁ~、悪党だなぁ、ボクは』

『悪党どころか小悪党でも無いわよ。

 そう言うのはせいぜいいたずらっ子よ。

 あんたのレベルはそんなとこ』

『ば、バカにして・・・

 よ、夜更かしとかもしちゃうかもだよ』

『早く寝なさいですむ話でしょ。

 何度も言わせないで。

 あんたはそのままで良いのよ。

 邪悪さを覚えるのは、今回のが終わった後。

 その時、卒倒するかも知れないわね、今の思考レベルだと』

『そんな事ない。

 ボクは大人だよ』

『安心して。

 立派なおこちゃまよ』

『バカにしないでよぉ~』

『はい、可愛い可愛い』

 と言う話になっていた。

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