プロローグ編027/【相模 天傑(さがみ てんけつ)ルート/桃辻 蝶吉(ももつじ ちょうきち)サイト0】/【純粋無垢な主人公狸】
【相模 天傑】の【主人公権】は、【クリエーター】/【桃辻 蝶吉】に譲渡された。
まずは、【蝶吉】がどういう存在か?
それから語らねばなるまい。
【蝶吉】は、【アーティスト】である。
そして【人間】では無い。
【人間のふりをしている元、子狸】である。
【蝶吉】は、【存在帰化】と言う外国人がその国の人間として【帰化】する様に、【狸】が【人間】になる事を選択した。
【存在帰化】と言っても【狸】の姿を捨てたと言う訳ではなく、びっくりしたりしたら【狸】に戻ってしまう事もある。
元々、【化け狸】に部類する存在で、【人間】に化けたりする内に、【人間】になりたいと思って、【存在帰化】を選択したのだ。
そんな【蝶吉】だが、彼にとっての【ニナカノン・ジェニック】はまだ登場して居なかった。
代わりに出て来たのが、【ニナカノン・ジェニック】の【代理】である、【化け女狐】の【羽衣 天狐】だ。
【天狐】は、
『しばらくよろしくね、坊や。
あんた、ちびっ子だから、出直さなきゃ駄目みたいよ』
と言った。
【蝶吉】は、
『え?
出直すって?』
と聞いた。
『あんただけの【ニナカノン・ジェニック】を呼ぶにはあんたは幼すぎるって事よ。
少しだけ【主人公】を堪能したら、別の誰かに一旦、譲渡しなさいって事。
もうちょっと大きくなってから【名前】を改めて【主人公】になんなさいって事よ。
元、【ぽこ吉君】。
あんたが元、【狸】だってのはバレバレよ。
だって、変化が下手だもの。
【人間】にしては違和感があるわ。
まぁ、【アーティスト】としての力量は、なかなかのものだと思うけどね。
【仏師】って言うんだっけ?
【仏像】を彫るのを見たわ。
相当な腕だと褒められてたわね、あんた。
【人間に憧れる狸】ね・・・
まだ【人間】の汚さをしらないピュアな坊や。
酸いも甘いも知って初めて一人前。
あんたはまだひよこ。
【主人公】だと名乗るのは100年早い。
って事だから、あんたが今回【主人公】として活躍出来るのは今からちょうど100日、3カ月間ちょっとだけの限定的なものよ。
まず、自分のしたいことに向き合って、まっすぐに生きなさい。
そして、次の【主人公】に【主人公権】を譲渡したらその次に出番が回って来るまで私と修行よ。
そして、次の【主人公】か、その次の【主人公】当たりが駄目になったら、その時、改めて【譲渡】されなさい。
あんたには【2度目】の挑戦が許されている。
今回は【1度目】。
何かを為そうとは思わず気楽にやんなさいな』
『何をやっても良いの?』
『まぁ、あんたの発想の範囲ならね。
どうせ、薄汚い事なんて何も思いつかないでしょ?』
『思いつくよ。
汚れた雑巾とか、
汚れたバケツとか、
汚れたハンカチとかね』
『何、凄いでしょって顔してるのよ。
そう言う事じゃないわよ、私が言っているのは。
もっと汚らしいやり方があるって言ってるのよ』
『ひょっとして腐っているとか?』
『はいはい。
あんたの発想はそんなところよね。
可愛いわよ、あんた。
だから、あんたの発想を逸脱しなかったら何でも良いわよ。
好きにやんなさい』
『良いの?
つまみ食いとかしちゃうかも知れないよ』
『あんたの悪事はそんな所でしょうね。
はいはい。
つまみ食いならドンドンやんなさいな』
『良いの?
やったらママとかに怒られない?』
『怒られるでしょうね?
で?』
『で?って?
怒られると言う事はとびっきり悪いことだと思うけど?
本当に良いの?
やっちゃうよ、つまみ食い。
例えばチョコレート2枚とかいっちゃうかも知れないよ。
ポテチとかグミとか一緒に食べちゃうかも』
『好きにやんなさいよ。
その程度の発想だから、大丈夫だって言っているのよ。
安心してやって怒られなさい』
『怒られるのはやだなぁ・・・
じゃあ、内緒にしとくとか?
いやぁ~、悪党だなぁ、ボクは』
『悪党どころか小悪党でも無いわよ。
そう言うのはせいぜいいたずらっ子よ。
あんたのレベルはそんなとこ』
『ば、バカにして・・・
よ、夜更かしとかもしちゃうかもだよ』
『早く寝なさいですむ話でしょ。
何度も言わせないで。
あんたはそのままで良いのよ。
邪悪さを覚えるのは、今回のが終わった後。
その時、卒倒するかも知れないわね、今の思考レベルだと』
『そんな事ない。
ボクは大人だよ』
『安心して。
立派なおこちゃまよ』
『バカにしないでよぉ~』
『はい、可愛い可愛い』
と言う話になっていた。




