プロローグ編026/【相模 天傑(さがみ てんけつ)サイト0】/【天傑】から【蝶吉】へ
自らの愚かな行いにより、【主人公権】を失った【天傑】は1週間以内に次の【主人公】を見つけなければ【死/消滅】が待っている。
生き残る事に必死な彼は次の【主人公】を探しまくったのだった。
【天傑】はまず、自分と同じく、【スターのニナカノン・ジェニックの虚像】のファンだった存在から探す事にした。
1人1人当たって行ったがとにかく時間がない。
こんなやり方ではどうにもならないとしてやり方を変える事にした。
次にやったのが、ネットで噂になっている者達に逢いに行った。
これもピンと来る逸材に会える事は無かった。
他にも色々試したが、一週間という日はすぐに過ぎていく。
気付いたら、
1日目、
2日目、
3日目、
4日目、
5日目、
と過ぎていた。
後、2日しかない。
8日目になった時、【天傑】には【死/消滅】が待っているのだ。
途方に暮れる【天傑】。
土手で黄昏れていると、
シュッシュッ・・・
シュッシュッシュッ・・・
シュッシュッシュッシュッ・・・
と何かをこする音がした。
【天傑】は、ボーッとその音のする方向を見た。
その音は絵を描いている音だった。
ただの絵では無い様だ。
自然の物を使って【絵】に取り込んでいる。
画家というよりは【アーティスト】。
そう表現する方が合っている様だ。
【天傑】は、
「おじいさん・・・
何をされているんですか?」
と尋ねた。
絵を描いていたのは初老の男性だった。
その男性は、
「絵を描いておるんじゃよ。
孫・・・にしたいと思っているお気に入りの男の子がいるんじゃが、その子が色んな物を使って芸術表現をしとってなぁ。
儂も、それにならって色んな表現でやってみようと思ってな。
見よう見まねで自然の物を使って試しておるんじゃが、なかなか上手く行かなくてのぉ~」
と言った。
確かに上手いとは言えない。
だが、【天傑】はピンと来た。
【天傑】は、
「その子、紹介していただけませんか?
渡したいものがあるんです」
と言った。
男性は、
「渡したいもの?
相手が誰かもわからないのに?
どういう事じゃ?
まさか、変な物を渡すつもりじゃないんだろうな?」
と怪しんだ。
【天傑】は、
「違います。
その子が【人生の主役】、【主人公】になれるかも知れないものです。
お願いします。
後生だと思って」
と頼み込んだ。
男性は、
「まぁ・・・会わせるくらいなら・・・
しかし、ろくでもないものなら承知せんからな。
儂も同席するなら会わせてやらんことも無い」
と条件を出した。
「かまいません。
それで結構です」
と言う話になったのだった。
結局、実際には、その子ではなくその子とたまたま一緒にいた、別の【クリエイター】/【桃辻 蝶吉】に【主人公】の【バトン】を渡した。
【天傑】は、
「俺はここまでだ・・・
次の【主人公】は君だ。
【桃辻 蝶吉君】」
と言った。
無事に【主人公権】が【相模 天傑】から【桃辻 蝶吉】に譲渡された。
この世界は【主人公】や【ラスボス】は絶対ではない。
行動次第では脱落もあり得ると言う事である。
早くも【天傑】は脱落してしまった。
【主人公権】は、
【相模 天傑】のもの、
【田村 写樂】のもの、
【井上 笑媛】のもの、
【藤里 眞宵】のもの、
の4つ。
脱落すれば、次の【主人公】へと譲渡されていく。
次はどうなるのだろうか?




