プロローグ編022/【相模 天傑(さがみ てんけつ)サイト0】/【天傑の物語】1
【天傑】は、【吉城 和征】に【お前も【偽物臭い】な】と言われたのが、気になっていた。
【偽物】・・・この言葉が引っかかる。
それを感じたのか、【天志朗】は、
「ボクを成長させる事に挑戦してみる?」
と聞いてきた。
【天傑】は、
「え?
どういう意味?」
と聞き返す。
「ここに【真っ白な漫画】がある」
「え?
【真っ白な漫画】?」
「うん。
ボクは7歳。
だから、7冊だけ、【真っ白な漫画】に絵がついているんだ。
見てみる?」
「ど、どこから出したのそれっ?
さっきまで持ってなかったよね?」
「まぁ、それは良いじゃない。
それより、見てみてよ」
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
と言う話になり、【天志朗】が手品の様に出した7冊の【漫画】を読んだ。
それらはどれも面白く仕上がっていた。
【天傑】は、
「うん。
面白いね、これっ」
と感想を述べた。
「ありがと。
続きはお兄ちゃんが作って欲しいな。
1冊作るとボクは1歳年を取る。
お兄ちゃんと同じ年まで、ボクの年を取らせてよ。
駄目なら15歳まででも良いよ」
「俺と同じって17歳?
15歳ってのは?」
「弟?だからね。
同い年なら双子。
弟なら15歳くらいがちょうど良いかなって思って」
「君の年齢が7歳だとしたら、15歳だと8作品作れって事?
無理無理無理。
漫画なんて描いた事ないよ。
小説でも難しいのに・・・
何で俺なの?」
「お兄ちゃんが何者かになりたがっているからだよ。
【真っ白な漫画】は描くものじゃない。
体験するものだよ」
「どういう事?」
「お兄ちゃんが漫画の中に入ってボクと家族になるんだ。
そうすれば、1冊出来るよ。
それを8回繰り返せば、ボクは15歳になる。
やってもらえないかな?
ボクはお兄ちゃんとお似合いの家族になりたいんだ」
「家族って言われてもなぁ・・・
(参ったなぁ・・・時を見て、警察とかに保護してもらおうと思っていたんだけど・・・
正直、俺じゃ面倒見きれないよ・・・
とにかくこの子には、ちゃんとした保護者が必要だ。
俺じゃ無理だよ)」
「お兄ちゃんは主人公になりたくないの?」
「なりたくないの?って言われてもなぁ・・・
俺、特に凄い特技とかある訳じゃないし・・・
逆に何があると思う?」
「そんなんじゃ、脱落しちゃうよ。
・・・そうならない為の【真っ白な漫画】なんだよ。
これから変わるの。
変わらなかったら、一生うだつが上がらない人生になるかも知れないよ。
チャンスなんだよ」
「言っている意味がわかんないなぁ。
まぁいいや。
とりあえず、俺がその【真っ白な漫画】とやらに入ったら、俺の話も聞いて貰えるかな?」
「うん。
騙されたと思ってまずは体験してみて」
と言う話になった。
【結論】から言おう。
【天傑】は【和征】の【残滓】が予告した通り、【主人公】の座から脱落する事になる。
それは、面白くなって調子に乗り、【天志朗】の忠告を無視して、【11作】の【漫画】を作ってしまった。
それにより、【天志朗】は18歳となってしまい、【天傑】の年齢を超えて、【弟?】では居られなくなった。
つまり、【家族】でも無くなり、【天志朗】は消え、【天傑】も【主人公】の【バトン】を次の【主人公】に渡し、冴えない人生を歩む事になる。
【和征】と異なり、自ら命を断つことは無かったと言う事だけが救いではあるが、【吟侍】が【主人公】として見いだした【天傑】は【主人公の器】では無かったと言う事である。
それをふまえて、次の【主人公】に変わるまでの一部を追って行こうと思う。




