プロローグ編021/【相模 天傑(さがみ てんけつ)サイト0】/その子を手放すな
【相模 天傑】は、7歳くらいの謎の少年?【相模 天志朗】と共に暮らす様になっていた。
彼?の正体は消えたトップスター、【ニナカノン・ジェニック】である。
いや、正確には違うか・・・
消えたトップスターの【ニナカノン・ジェニック】も、【相模 天志朗】と名乗って居る【ニナカノン・ジェニック】も、【本物のニナカノン・ジェニック】ではない。
【本物】を【特別な鏡】で写し取った【虚像】に過ぎない。
彼女が【本物】になるには何かしらの条件があるのかも知れない。
だが、消えたトップスターの【ニナカノン・ジェニック】と共に居た彼女のマネージャーだった男、【吉城 和征】は彼女を手放してしまった。
ちょっとした浮気心だったのかも知れない。
彼女と微妙な間柄に満足しなかった【和征】は他の女に走った。
それを知ったトップスターの【ニナカノン・ジェニック】は鏡が割れる様にバラバラに壊れた。
彼女は本物になる事は無く、【虚構】として認定され、崩れ去った。
不思議な存在、【ニナカノン・ジェニック】。
【虚構の存在】であり、【本物】となるため、【パートナー】を探している。
【相模 天志朗】と名乗って居る【ニナカノン・ジェニック】も同様である。
【相模 天傑】を相棒として、彼の側に居ることを選んでいる。
【吉城 和征】は真実の【愛】を契約の証としていたため、浮気により、【愛】が破綻し、彼女は【虚構】になった。
【相模 天傑】は、【家族】を契約の証としているため、【相模 天志朗】が、【相模】の姓を捨てた時、もしくは、他の家庭の子として預けられた時、【家族関係】が崩壊し、【天傑】は、【ニナカノン・ジェニック】を【本物】とする事が叶わず、【主人公】の座も降りる事になるだろう。
【和征】とすれ違った【天傑】は、
「その子を手放すな・・・
手放した時、お前は主人公じゃ無くなる・・・
お前も【偽物臭い】な・・・
お前は上手くやれよ・・・」
と言われた。
【天傑】は、
「え?
ど、どういう」
【事ですか?】と聞く前に【和征】はいつの間にか消えていた。
【天傑】の前の【主人公】は、【和征】だった。
だが、彼は主人公になりきれなかった。
主人公であるためには守らなければならないルールがある。
彼はそれを守れなかった。
そのため、彼は主人公の座から脱落し、自ら命を絶った。
【天傑】の前に現れたのは、【和征】の【残滓】である。
次の主人公候補である【天傑】に助言を言うために存在し、役目を終えたので、消えたのだ。
今度は、【天傑】が試される番である。
彼が【主人公】として相応しいかどうか?
【相模 天志朗】を輝かせ、【本物】の【ニナカノン・ジェニック】にする事が出来るか?
それとも道半ばに消えて行く運命なのか?
それを試される事になるのである。
【天志朗】は、
「どうかしたの?」
と聞いた。
【天傑】は、
「いや・・・
君の事だと思うけど、手放すなって・・・」
と言った。
【天志朗】は、
「そう・・・
ボクの事か・・・
なるほどね・・・」
と意味深な事を言った。
「何か知ってるの?」
「さぁ・・・
前のボクの事はボクとは全く関係ないから・・・」
「え?
前の?
どう言う事?」
「うん・・・
ボクにもよく解らない。
でもボクが本物になれるかなれないかはお兄ちゃんしだいだよ。
だから、ボクを手放さないでね。
約束してね」
「え?
意味がわからないんだけど?
どういう事?」
「さぁ・・・
ボクにも解らないよ。
ボクは本物になりたい。
そう思っているだけだから」
「・・・
(よくわかんない子だなぁ・・・)」
と話して居た。




