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(ファーブラ・フィクタイズム4)【エーウェントゥス・アウディーティオ】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編021/【相模 天傑(さがみ てんけつ)サイト0】/その子を手放すな

 【相模(さがみ) 天傑(てんけつ)】は、7歳くらいの謎の少年?【相模(さがみ) 天志朗(てんしろう)】と共に暮らす様になっていた。

 彼?の正体は消えたトップスター、【ニナカノン・ジェニック】である。

 いや、正確には違うか・・・

 消えたトップスターの【ニナカノン・ジェニック】も、【相模(さがみ) 天志朗(てんしろう)】と名乗って居る【ニナカノン・ジェニック】も、【本物のニナカノン・ジェニック】ではない。

 【本物】を【特別な鏡】で写し取った【虚像】に過ぎない。

 彼女が【本物】になるには何かしらの条件があるのかも知れない。

 だが、消えたトップスターの【ニナカノン・ジェニック】と共に居た彼女のマネージャーだった男、【吉城よしき 和征かずゆき】は彼女を手放してしまった。

 ちょっとした浮気心だったのかも知れない。

 彼女と微妙な間柄に満足しなかった【和征】は他の女に走った。

 それを知ったトップスターの【ニナカノン・ジェニック】は鏡が割れる様にバラバラに壊れた。

 彼女は本物になる事は無く、【虚構】として認定され、崩れ去った。

 不思議な存在、【ニナカノン・ジェニック】。

 【虚構の存在】であり、【本物】となるため、【パートナー】を探している。

 【相模 天志朗】と名乗って居る【ニナカノン・ジェニック】も同様である。

 【相模 天傑】を相棒として、彼の側に居ることを選んでいる。

 【吉城 和征】は真実の【愛】を契約の証としていたため、浮気により、【愛】が破綻し、彼女は【虚構】になった。

 【相模 天傑】は、【家族】を契約の証としているため、【相模 天志朗】が、【相模】の姓を捨てた時、もしくは、他の家庭の子として預けられた時、【家族関係】が崩壊し、【天傑】は、【ニナカノン・ジェニック】を【本物】とする事が叶わず、【主人公】の座も降りる事になるだろう。

 【和征】とすれ違った【天傑】は、

「その子を手放すな・・・

 手放した時、お前は主人公じゃ無くなる・・・

 お前も【偽物臭い】な・・・

 お前は上手くやれよ・・・」

 と言われた。

 【天傑】は、

「え?

 ど、どういう」

 【事ですか?】と聞く前に【和征】はいつの間にか消えていた。

 【天傑】の前の【主人公】は、【和征】だった。

 だが、彼は主人公になりきれなかった。

 主人公であるためには守らなければならないルールがある。

 彼はそれを守れなかった。

 そのため、彼は主人公の座から脱落し、自ら命を絶った。

 【天傑】の前に現れたのは、【和征】の【残滓(ざんし)】である。

 次の主人公候補である【天傑】に助言を言うために存在し、役目を終えたので、消えたのだ。

 今度は、【天傑】が試される番である。

 彼が【主人公】として相応しいかどうか?

 【相模 天志朗】を輝かせ、【本物】の【ニナカノン・ジェニック】にする事が出来るか?

 それとも道半ばに消えて行く運命なのか?

 それを試される事になるのである。

 【天志朗】は、

「どうかしたの?」

 と聞いた。

 【天傑】は、

「いや・・・

 君の事だと思うけど、手放すなって・・・」

 と言った。

 【天志朗】は、

「そう・・・

 ボクの事か・・・

 なるほどね・・・」

 と意味深な事を言った。

「何か知ってるの?」

「さぁ・・・

 前のボクの事はボクとは全く関係ないから・・・」

「え?

 前の?

 どう言う事?」

「うん・・・

 ボクにもよく解らない。

 でもボクが本物になれるかなれないかはお兄ちゃんしだいだよ。

 だから、ボクを手放さないでね。

 約束してね」

「え?

 意味がわからないんだけど?

 どういう事?」

「さぁ・・・

 ボクにも解らないよ。

 ボクは本物になりたい。

 そう思っているだけだから」

「・・・

 (よくわかんない子だなぁ・・・)」

 と話して居た。

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