表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
507/1919

第507話 南北戦争4(収納共有スキル)

「いやぁ、なんとかなったなぁ。君達のお蔭だよ」


「いやいや、陛下のお蔭だよ」


「そうですよ。陛下」


 三人(僕、テネシア、イレーネ)でお互いに健闘をたたえ合う。しかし、あの魔竜を仕留めるとは、さすがテネシアとイレーネだ。被害を抑えるため、海上に誘導したのは適切な判断だな。


 検問所の襲撃、聖帝城への長距離弾ミサイル攻撃、魔竜カサンドラの出現と立て続けに発生したが、一応、首の皮一枚差で何とかなった。


「それにしても【収納】の共有が役にたったな」


「本当だよ。あれが無かったら、大変だった」


「しかし、陛下の魔力値はとんでもないですね」


「そうかい? あれでも一部なんだぞ」


 今回、二人を残していけたのは、事前に【収納】スキルがレベル9までアップし、【収納】(共有)が可能になっていたからだ。これは僕の収納の「一部」を共有化して、特定の者に使わせることができるというもの。今回はそこに蓄えた魔力の一部を移し、二人が使える状態にしていたんだ。


 定期的に悪想念を魔力に変換して蓄えるルーチンワークをしてるから、まだまだ相当量ある。今の魔力量があれば、魔竜どころか、魔王ですら、普通に倒せるんじゃないだろうか。何せ人々の悪想念は途絶えることなく、どんどん魔力化できるのだから、実質的に無限に魔力を増やせるようなものだ。よく考えたらこれは凄いことだよね。


 人々の悪想念が途絶えないのは気になるが、少なくとも「毒を以て毒を制す」になってるからコスパは相当いいんじゃないかな。


 以前から魔力を一人だけで使うのは勿体ない。何かいい方法は無いか。と考えていたが、その思いが【収納】(共有)につながったのだろう。今回はテネシア、イレーネと共有したが、今後、ミア、レネアにも声をかけよう。この四人は既にアイテム無しでも【収納】(レベル1)が可能な状態だからな。そうそう、この【収納】(共有)の使用者条件があって、それは【収納】(レベル1)を素の状態(アイテム無し)で使える力が必要なんだ。


 そうなると、メリッサも【収納】(レベル1)がアイテム無しでも可能になるぐらい訓練しないとな。どうせ【収納】共有するなら、四人の妃全員にしたい。僕にはスキルを【伝授】するチートスキルもあるし、なんとかなるだろう。


ちなみに【収納】スキルをまとめると、こんな感じだ。


レベル1(現物収納) レベル2(収納内で分別分解可能)

レベル3(生物収納可能) レベル4(亜空間廃棄可能)

レベル5(生物強制素材化可能) レベル6(部分収納可能)

レベル7(エネルギー収納可能) レベル8(エネルギー魔力化可能)

レベル9(共有可能)←★NEW


 やはり、【収納】スキルは使用頻度も多いし、僕と相性がいいのか、レベルアップがどんどん進む。最初はレベル3ぐらいで終わると思っていたが、まさかのレベル9。


 これって、絶対に現象神様のお蔭だよね。それと時空に関係するから、時空神様も共同で助けてくれてるような気がする。


 二人が魔竜カサンドラを倒したのはスキルのお蔭もあるだろうが、日ごろ、地下魔法練習場で研鑽してきたのが大きいだろう。どんなにスキルや魔力のサポートがあったとしても、それを使いこなす器がなければどうしようもない。彼女達は間違いなくその器を大きくしてきたのだ。


やるな、二人とも、ふふふ。


僕が笑みを浮かべていると、テネシアが声をかけてきた。


「どうした? あるじ


「ああ、悪い、二人の成長が嬉しくてな」


「そんなのあるじと一緒なら、嫌でも成長するよ!」


「そうかい」


そこへイレーネも声をかけてきた。


「そうですよ。アレス様、それに、魔力の共有は嬉しいです……」


「ん、そうかい?」


「ええ、アレス様と同じ魔力を共有できるなんて……」


するとテネシアも


「ああ、それは私も感じた。同じ力を共有する。一体感みたいなもの?」


「確かに魔力の共有はその部分で一体化してるものな」


あるじと一体化か……」


「ああ、テネシアさん、少し赤くなってませんか~?」


「なっ! イレーネもそうだろ!」


 こんな感じで戦いの後、いつもの和やかな雰囲気に戻ったが、アレが気になる。そう、長距離弾ミサイルだ。今回は敵がピンポイントで僕を狙ったから、対処できたが、もし、複数個所にバラバラで攻撃してたら、どうなっていたか……


 それを考えると、ゾッとするな……


 そう言えば、魔竜カサンドラが依り代にしていた男、え~と、宰相カバールと言ったか、しばらくして目を覚ましたが、あまりに攻撃的な性格だったため、即、【精神支配】をかけ、シバ領の鉱山送りにした。どういう経緯か知らんが、あれじゃ、魔竜に簡単に憑依されると思ったよ。魔竜の影響により、さらに攻撃性が強くなっていたので、当分、娑婆しゃばには出せないね。


 他人への攻撃性が強い者は隔離するに限る。隔離することにより、他人を攻撃できなくなるが、元からある攻撃性は他人を攻撃できないと、今度はそれが自らに向かうことになる。そして自ら苦しむのだ。自ら出した原因(攻撃性)により、自ら苦しむ。こうすることによって、自分の因果(攻撃性)を知り、それを自ら解消する方向へ向かうようになるだろう。


――――

――――――


<エルメス帝国・皇帝城・支配者の間>


 皇帝キース・サンドラ(魔王憑依中)と魔賢者エルライナが円卓を囲む。いつも三人だが、椅子が一つ空席になっている。


「カサンドラの反応が消えたな……」


魔王の呟きに、エルライナが反応する。


「あの魔竜カサンドラが倒されたのですか!?」


「どうやら、そのようだ……」


「するとカバール殿も……」


「いや、その男は生きてるようだが、もう使い物にならないな……」


「そうですか……」


 エルライナにとって、カサンドラはこの世界で数少ない理解者であったため、気落ちした様子を隠せない。


「……しかも、もっと悪いことに奴の反応が消えてないのだ」


「聖帝ですか!?」


「ああ、長距離弾ミサイルを何発もお見舞いしたが、なぜか生きている」


「聖帝城に当たったのですよね?」


「確かに当たったはずなのだが、我が目にはその瞬間の光景だけが映らんのだ……」


「では、外れたのですか?」


「いや、直後に大穴ができたのは確認している。聖帝城も消えていた」


「それなら!」


「しかし、今、我が目で見たら、しっかり聖帝城が映っておる……」


「なっ!」


「どういう術を使ったが知らんが、奴は生きてるし、城もそのままだ」


「…………」



しばし、沈黙が流れる。



「しかし、この兵器に威力があることは分かった。次こそ奴を狙い撃ちしてやる」


すると、エルライナが口を挟む。


「魔王様、聖帝への攻撃は私も賛成ですが、次回は複数個所に攻撃されるのが宜しいかと」


「んん? なぜだ? 奴を倒さねば意味がないだろう?」


「確かにそうですが、どうも聖帝は何らかの方法で攻撃を防ぐことが可能なようです」


「確かにそうだな」


「しかし、複数個所の同時攻撃なら、防ぎようがありません」


「なるほど、最新兵器で攪乱させるわけか……」


「いかな聖帝と言えど、身は一つ、複数個所を同時に攻撃したら、全てを守ることはできないでしょう」


「なるほどな。さすが魔賢者エルライナ、知恵が回るな」


「大したことはございません。それより、最新兵器の製造は順調でしょうか?」


「ああ、前回、全弾を使い切ってしまったから、急ぎ製造してるところだが、最後の工程で手間取っている」


「最後の工程ですか?」


「ああ、射程距離を延ばし、爆発力を高めるため、魔力を充填してるが、その魔力が思ったより、集まらんのだ」


「魔王様はどこから魔力を集めるのでしょうか?」


「魔界にいる間はいくらでも魔力を充填できたが、この世界では、魔界からの魔力補給に制限がかかる。そのため、この世界で魔力を吸収してるのだが、どうも吸収が悪い」


「どうしてでしょうか?」


「わからん。我は人の憎しみ、恨み、呪い、殺意等のエネルギーを糧にしてるが、最近、それが少ないのだ。しかも供物まで手に入りづらくなっているしな」


「……魔王様はこの世界に来るのは何回目ですか?」


「三回目だ。一度目はある大陸を支配する寸前まで言って、勇者に封印されてしまった。あの時はうっかりしたわ。その後、時間経過で封印が弱まり、あと少しで解除されるところで、あの男に体を消滅させられた上、最果ての世界に飛ばされてしまった。本当に酷い目にあったものよ。長年、魔力で練り上げた魔体は失うし、意識は消える寸前までいって、もう終わる間際だったが、今回、そなたが召喚してくれたお蔭で、こうしているわけだ」


「魔王様も大変、苦労されたのですね……」


「我の意識が消えなかったのは、ひとえにあの男への憎しみ、恨み、呪いの念があったからである。しかし、今回、登場したこの地はイマイチだな。通常、強力な念はさらに念を集め、どんどん渦巻いて強化するはずだが、なぜか大きくならない」


「それは不思議ですねぇ……」


「まるで、誰かがそれらの念を吸い取っているようだ……」


「えっ! ということは?」


「はっきり分からんが、我(魔王)のような存在がいるのかもしれないな……」


 二人は不可解な状況について、情報共有しながらも、長距離弾ミサイルの製造に集中するのであった。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、評価、ブックマークをして頂けると大変有難いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ