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第430話 子供達の進路状況確認2


<第二王宮・応接間>


 これから子供達の進路状況について確認する。ここにいるのは僕、テネシア、タイタス(テネシアの息子)、トアラ(テネシアの娘)、イレーネ、ディオネ(イレーネの娘)、テセウス(イレーネの息子)だ。


僕「先ずはタイタス(十才)とディオネ(十才)だな。現在、王立学園に通っているが、何か気になることは無いかな?」


 僕はライナスが二人に側近就任要請したのを知っている。何せ僕がライナスに側近の必要性を話したんだからな。さて、なんて答えるだろう。


タイタス「王立学園の方は特に問題はありませんが、最近、ライナス陛下から、将来、側近にならないかと要請されました。父上、母上にもご相談をしようと思っていたところです」


ディオネ「私もタイタスと一緒に話を受けました。どうしたらいいでしょうか?」


ここで、答えを言うのは簡単だけど、先ず彼らの考え聞いてみよう。


僕「二人はどうしたいと思っている?」


タイタス「最初は驚きましたが、国王陛下から側近就任のお誘いを受けるのは有難いことです」


ディオネ「私も同じです。でも今はまだ早い話だと思いました」


僕「なるほどな。君達は王族だし、信頼にたる人物と思われたんだろうな。僕もいい話だと思うぞ」


 こういうのを有り体に言えば、マッチポンプと言うんだろうが、こういう体裁にすれば、親から一方的に押し付けた感じが少なくなるんじゃないかな。彼ら自身が進路について真剣に考えるきっかけになったことだろう。


タイタス「ライナス陛下は母上、イレーネおば様を父上の側近として高く評価されてました。自分も聞いていて誇らしかったです」


僕「そうだな。二人はかけがえのない側近だし、僕の大切な家族だ」


テネシア「あるじ……」

イレーネ「アレス様……」


二人が僕を熱い眼差しで見つめる。(おいおい子供達もいるんだぞ)


僕「はは、当然、お前達(子供達)も大切な家族だからな」


子供達も僕を見つめてくる。なんか熱気が上昇してきたかな。

部屋が急に暑くなってきたぞ。ははは。


さて、少し真面目な話をするか。クールダウンだ。


僕「実は、王の直轄領を王領と言うんだが、そこが広大で国王の負担が大きくてな。国王から分担の依頼が来たんだ。それでお母さん達の管轄する領土が増えることになったんだよ」


ディオネ「それで最近、母上達はお忙しかったんですね」


僕「まあ、引き継ぎ期間中はな。しばらくしたら落ち着くだろう」


ディオネ「それは良かったです」


僕「ただ、王領からお母さん達の公爵領に領地移管になった分、お母さん達の負担が増えるのは確かだ。それで将来は君達が領地を早めに引き継いで欲しいんだよ」


タイタス「大人になったら、領地を引き継ぐことは考えていましたので、それは大丈夫です。ただ広くなったのは少し心配ですが」


ディオネ「私も同じです。早く父上、母上の力になりたいと思っていました」


僕「それは有難う。領地が増えたと言っても、全部、僕も運営経験のある領地だから、サポートが可能だ。それに君達ならできるはずだ」


タイタス「それなら良かったです」


ディオネ「そう言えば、シルエスも進路の準備をしてるようですが、父上は何かご存じでしょうか?」


当然、知ってるが、ここでは言わないでおこう。


僕「ああ、知ってるよ。でも直接、シルエスに聞いてごらん。二人だけには言ってもいいように話しておいたから」


ディオネ「そうですか! それなら今度、聞いてみます」


僕「シルエスから聞いても、絶対に他で口外したらダメだよ」


ディオネ「わかりました」



二人はまだ学生だし、こんなものだろう。さて次は下の子だな。



 ◇    ◇    ◇



僕「トアラ(八才)とテセウス(八才)は魔法学園に通ってるね。どうだい学園生活は?」


トアラ「楽しいです!」


テセウス「僕も楽しいです!」


僕「そうかい、それは良かった。将来は魔法研究所に進むのかな?」


と聞いてみたが、親としては当然、進んで欲しい。


トアラ「もちろんです!」


テセウス「僕もです!」


僕「そうか。頑張るんだよ」


二人「「はい!」」


魔法研究所はレネアが注力してるけど、弟妹が協力してくれたら心強いしな。

よし、ここの子供達も大丈夫だな。最後は――


――――

――――――


<王都の離宮>


ミアのところに来ている。王族の一番下の子は三才のメルーシャ(王女)だ。


ソファでゆったりしながら、僕、ミア、メルーシャで話す。


僕「メルーシャはまだ三才だから、とにかく勉強したらいいぞ」


ミア「そうですね」


僕「メルーシャは一番面白い科目はなんだい?」


メルーシャ「どの科目も面白いけど、教会が好きです」


僕「教会? って、マザーナスターシャの講義かい?」


メルーシャ「はい」


僕「どんなところが好きなんだい?」


メルーシャ「教会に行くとキラキラしてて、いい気持ちになります」


ミアの方を見ながら――


僕「へぇ~そうかい。メルーシャは感受性が強いのかな?」


ミア「このは陛下に似て、特別な力を感じます」


僕「そうだよなぁ。それは将来が楽しみだ」


ミア「だから、私達がきちんと導いてあげる必要があると感じます」


僕「確かに力を持つ者は力の使い方に責任を持つ必要があるからね。子供に力があるなら、それを正しい方法に導くのは親の責任だ」


ミア「本当にそう思います」


僕「そう言えば、王立療養所の所長なんだけど、そろそろ君が所長になってみないかい?」


ミア「ふふふ、ご遠慮しときます。陛下を差し置いて私が所長など、とても、とても……」


僕「いやいや、君は既に連邦七カ国の王宮薬師に指定されてるし、ヒーラーとしても超一級だ。遠慮する必要なんてないよ~」


ミア「いえ、陛下の聖王治療を見た後では、私など、まだまだです」


僕「そうかな~そんなことないと思うぞ……」(チラ見)


ミア「いえ! そんなことあります!」(キリッ)


 いつもだいたい許容してくるミアも王立療養所の所長就任だけは固辞するな。まあ、これは最初から一貫してるけどね。(あとはレネア頼みだな)


僕「じゃあ、しばらく僕が続けるとするか」


ミア「ええ、()()()お願いします」(にっこり)


僕「……」


 王立療養所は僕が趣味と実益を兼ねてつくった施設だから、当面、足抜けできそうにないな。一応、レネアにも粉をかけているけど、彼女は魔法学園と魔法研究所で手一杯だしな。


 ここの責任者は回復魔法のずば抜けた適性が無いといけない。それで超級回復魔法が使える僕、ミア、レネアがその候補者になってくるが、そういう者はなかなかいないのだ。


僕「どこかに適性者はいないかなぁ?」


んんっ! 僕とミアの子、メルーシャはどうだ?


僕「ひょっとしたら、将来、メルーシャが王立療養所を引き継いでくれたりしてね」


メルーシャ「おーりつりょ―よ―じょ?」


ミア「ふふふ、陛下、早過ぎですよ。このはまだ三才です」


僕「ああっ! そうだったな。でも期待が膨らむよな」


ミア「その前に薬学も教えたいですし」


僕「ああ、それもあったな。メルーシャはいろいろ勉強しなくちゃいけないな」


メルーシャ「はい、お勉強します」


僕「うんうん、いい子だ」


メルーシャの頭を撫でる。


 これで子供全員(十人)の進路状況を確認した。一人一人確認するのはちょっと手間だけど、親として避けて通れない。いつまでも子供と向き合い、子供に寄り添える親でありたいと思う。



◇    ◇    ◇



 余談だけど、現在、薬事研究所のスタッフが王立療養所のスタッフをほぼ兼任してるから、統合してもいいんだけど、薬事研究所は王宮向け、王立療養所は大衆(平民)向けだから、あえて使い分けさせている。薬事研究所は王宮薬師による研究機関だけど、王族みんなが健康なため、王宮内で活躍の場がすっかり無くなっていた。まあ、名誉職として、残す案もあったけど、それではあまりに勿体ない。それで人材活用の一環で王宮外の大衆向け施設でも働くようにしたんだ。


 それに人を治療する優れた知識経験を王宮内だけで独占するのは非常に勿体ない。元々、薬師だから回復魔法治療師ヒーラーではなかったが、そこはアイテムで乗り切った。何度も訓練しているうちに中級回復魔法ミドルヒールぐらいは使えるようになったんだ。これで僕らもだいぶ楽になった。その後、超級回復薬の使用を解禁したから、僕が呼び出される頻度もかなり減った。僕が対応するのは超級回復薬でも対応困難な案件、はっきり言うと、「生まれつきの症状」がほとんどだね。生まれつき片手片足とか、生まれつき臓器不全だとか。(たまに「原因不明の症状」もあるが)


 でもさ。たまに思うよ。どんどん治すのは気持ちいいんだけど、本当にこれでいいのかと。確かに目の前で片手の人を両手にしたら、大喜びされる。その喜び具合は半端ではない。いいことをしたと思う。だけど、その状態で生まれることに何か意味があるんじゃないかと、ふと思う時があるんだ。どんな意味か僕は知らないし、単なる考え過ぎで意味なんてないのかもしれない。


 でも何度か神界に行って感じたことだけど、人の生き死には神様が関わっていること。人間の一存だけでは無さそうということだね。例えば、ある人が片手で生まれたのは、たまたまそうなったのではなく、どこかに神意があるという可能性だ。


もし、そうなら、それを僕が治療したら神意に反するのだろうか?


 でも、もし神意に反するなら僕に神様から何らからのアクションがあってもいいはずだろう? それはないんだよ。ということは僕のしていることは神意に沿っているのかな? まあいいや、もし僕がやり過ぎたら神様から自重するよう連絡が来るだろうし……


 都合のいい考え方かもしれないけど、仮に片手で生まれたのが神意であったとしよう。それならば、その人が僕の前に来るのも神意、そして僕のスキルで治るのも神意ということになるんじゃないだろうか。


 その一方で神様は人間にかなりの裁量を認めてる気もする。この世界を自由に思い通りに生きてみろとね。結局、神意を意識し過ぎると堅苦しくなるし、好き勝手やり過ぎるとしっぺ返しを食らうことになるんだろう。本当にバランスが大切だと思うんだ。まるで右に左に揺れる弥次郎兵衛みたいだね。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、評価、ブックマークをして頂けると大変有難いです。

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