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第203話 身体系スキル

ある貴族の館、二人の男が会話している。


「そなたも大変だったよのう」

「まさか、王があそこまでやるとはな……」

「ただの英雄あがりとは違ったわけか」

「おかげで内務大臣の職まで失ってしまったわ、くそっ!」

「まあ、しばらく休んでおけ」

「このままでは済まさんからな!」

「……だが、あの王にはスキがまったくないんじゃないか?」

「うむむ、何か弱みはないものか……」


――――

――――――


 隠密隊の報告によると、前の内務大臣が、こそこそ動いてるらしい。こちらに情報が筒抜けだと言うのにご苦労なことだ。今回の役所改革にあたっては隠密隊の活躍が目覚ましい。それを受けて、人員を三十人まで増やした。そして、王国内の他貴族領主、大臣達は常時監視中だ。お陰で彼らの動きがよ~く分かる。昔なら、すぐ捕らえて尋問していたが、泳がしておくと、勝手に仲間を連れて来るから、手間がかからない。現時点で、前の内務大臣が一番の要注意人物だが、他の大臣にはあまり相手にされず、他貴族領主に声をかけてるようだ。とりあえず様子見だな。


 今日は気分転換にシバ領の地下魔法練習場に来ている。内政ばかりだと肩が凝るからね。いつもはテネシア、イレーネを連れてくるのだが、今日は一人で身体系スキルの開発目的で来た。


「現在は【身体強化】と【身体硬化】の二つだ。もう一つ何か欲しいな……」


 力が強くなる。硬くなる。以外で何があるか?そう言えばテネシアやイレーネは動きが速いよな……いくら力があっても、硬くても、遅ければ攻撃が当たらないし、逃げることもできない。僕があの二人に身体機能で劣っているのは速さだ。よし、身体の速さにしよう。


「身体の動きを速くするスキル、【身体速化】を【創造】!」


できたな。とりあえず走って見るか。よ~い、どん!だっ!


「うおおお!これは凄い!あっと言う間に百メートルいったぞ!風景が凄い!」


【身体速化】が面白かったので、しばらく飛んだり、跳ねたりする。僕がここに一人で来た理由は、二人には内緒にしたかったからだ。あの二人は既に並外れた身体能力をもっており、これ以上、向上させたら、かえって危ないんじゃないかと判断した。それと、僕が身体機能を上げても、彼女達も上げたら、差が縮まらない……というより、基礎体力のある彼女達の方が余計にアップするので、むしろ差が広がる可能性が高い。男として、それはどうなの?という小さいプライドもあったんだよね。


 これで【身体強化】【身体硬化】【身体速化】を身に付けた。ただし、【身体速化】は他の二つと相性があまり良くないなぁ。身体を強化し硬くすると、速度はどうしても落ちる。なので剣で相手を攻撃する時、相手に近づき振りぬくまでは【身体速化】、剣が相手をぶつかり、力押しになったら、【身体強化】、剣が離れ、回避する時は【身体速化】と言ったぐらいに切り替えした方が良さそうだ。【身体硬化】は【結界】が間に合わない時や、【結界】を使えない密接距離の戦闘の場合向きだろうな。


 こう考えると、身体系の戦闘も練習が必要だな。どこかいい練習場所はないかな……


――――

――――――


ここは冒険者ギルド近くの広場、一人の少年・・が大声を出す。


「そこの道ゆく人~、一回でも僕に手で触れることができたら、金貨一枚を支払うよ~」


【変身】スキルで十五才ぐらいの姿になって、大きくて強そうな連中に声をかける。


「おい、本当に手で触るだけで金貨をくれるのか?」


冒険者っぽい服装だな。丁度いいだろう。


「うん、その通りだよ。やる?」

「やるぜ!」


 男が手を伸ばして飛び掛かって来るが、【身体速化】を発動させたら、まるでスローモーション。簡単に男の後ろ側に回り込む。


「えっ?あれ」

「こっちだよ」

「このっ!」


その後も男が何度やっても、右へ、左へ、簡単に回避できた。


「はぁ、はぁ、まだだ……」


男が息を切らす。すると。


「だめだよ。俺にまかせな!」


 今度は強面のいかつい男が来た。男は大振りせず、じりじり近づいて来る。でも、それでは無理。


「あっ!」


一瞬にして十メートル向こうに移動。


「どうしたの?ここだよ~」

「くそっ!待て!」


男が走ってきた。あと一メートルぐらいの距離で


「【身体速化】!」

「うわっ!」


また十メートル離れた。これを十回ぐらい続けたら、その男も諦めた。


 こうして、金貨をかけた鬼ごっこを続けたが、気が付いたら人だかりができてしまった。不味いな。このあたりで切り上げるか。


「【身体速化】!」

「あれっ!消えた!」


一瞬にして、その場から消えた。今日はここまで。


――――

――――――


<ギース領・王軍隊訓練所>


訓練所に来た。実践練習をしてるな。丁度いい。


「みんな、少し余興をしよう。今から私と勝負だ。私は素手、そちらは剣だ」


すると指導員をしていたテネシアが


「陛下、それは無茶じゃ……」

「いいから、いいから」(にっこり)


すると体格のいい男が手を上げた。


「私がお相手します」


英雄の飛び入り参加に場は盛り上がった。


「はじめ!」


 男がいきなり剣で上段から切りかかってきた。いいね。迷いがない。しかし……


「えっ?」

「陛下が消えた!」


「ここだよ。ここ」


男の後方、三メートルぐらいの位置に移動。


「うおおお!」


男が切りかかって来る。


「【身体速化】!」


今度は右に左に素早く移動を繰り返す。


「はぁ、はぁ……」


「すげぇ、陛下の動きがまるで見えない!」

「素手なのに剣を圧倒している……」


このまま【身体速化】を繰り返してもいいが、他のも試したいな。


「うわおおお!」


男が剣を振りかざし、突っ込んでくる。よし!


「【身体強化】!」


 剣を振る直前に前方に高く飛びあがる。そして、剣の軌道のはるか上を超えて、男の後方に着地。


「凄い!人間業じゃない!」


 しかし、男は振り返り、一気に間合いを詰め、渾身の力で横方向から、切ってきた。


「うわああ、陛下、危ないぃ!」

「【身体硬化】!」

「バキッ!」


腕に当たった瞬間、剣が真っ二つに切断した。


「嘘だ!剣を切断した!」

「信じられない!」


「勝負あり!陛下の勝ちだ!」


 テネシアの判定で試合が終了した。これで【身体強化】【身体硬化】【身体速化】を実践で使用できた。この三つの身体系スキルがあれば、素手でも真剣に勝ててしまうんだな。ああ面白かった。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。

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