第204話 内務省改革
ミアが内務大臣に就任してから、内務省の改革がどんどん進んでいる。今までは情報の整理と保管が主たる仕事の部署だったが、全役所の情報を横断的に把握していることから、全役所をチェックする部署へと再生させたのだ。今までは来た情報を単に横流しして、放置するだけだったが、逐一、チェックし、間違いがあれば修正を求め、次第に全役所を監視する体制に切り替えていった。簡単に言えば、役所を監視する役所である。これこそ僕が求めていた部署だ。
<王城・御前会議>
出席者は僕、テネシア元帥、イレーネ宰相、ミア内務大臣、他七大臣(外交大臣、財政大臣、軍事大臣、農業大臣、土建大臣、学問大臣、福祉大臣)
「それでは、御前会議を始めます」
最近は内務大臣のミアが司会をすることが多い。
「先月、回ってきた案件で不明な点がありますので、確認します」
おおっ、早速、始まったなぁ。(ワクワク)
「先ず、福祉大臣さん、〇〇孤児院への給付金をいきなり減額してますが、どうしてでしょうか?」
「えっ、そうでしたか?」
「はい、なぜか突然、半分になってますよ」
「ええと……あの……」
「これだけ減額するんですから、さぞかし明確な理由があるんでしょうね?」
「いえ、あの、部下がそれで出してきたものですから……」
「ふざけないで下さい!子供達を飢え死にさせるつもりですか!至急、修正して下さい!」
「はい、わかりました」(冷や汗)
「次に、学問大臣さん、〇〇学園の校長の経費が異常に高くなってますが、なぜでしょうか?」
「えっ、ええと……付き合いですかね……たぶん」
「どこの誰と付き合ってるんですか?領収書を出せますか?」
「いえ、あの、校長ともなると、付き合いが多いんですよ、きっと」
「答えになってません。この経費は認められませんので、修正して下さい」
「次に土建大臣さん、この橋の工事なんですけど、ちゃんと完成したんですか?」
「はい、完成したと報告を受けてます」
「……昨日、現場を見に行ったら、半分もできていませんでしたよ」
「えっ、そんな!」
「なのに、工事代金を全額払ってますよね……」
「いや、それは……ええと」
「これだと役人が工事業者と癒着して、審査を甘くしてると疑われますよ」
「す、すぐ調査します!」
「そうして下さい。工事代金も至急、返金してもらうように!わかりましたね」
「は、はひい!」
こんな感じで、大臣達はミアにタジタジだ。これまでの内務大臣がいかに何もしなかったかがよく分かる。それで他の大臣達はずいぶんと楽をしてきたんだろう。これからはそうはいかない。
ちなみに内務大臣がなぜ一番、権限が強いかと言うと、情報統括以外に、予算の決定権を持っているからだ。これは後で知った。財政大臣は徴税とそれに応じた予算の素案作成まではしてるが、肝心の予算決定は内務大臣なのだ。だから前の内務大臣は自分を大物だと勘違いしてしまったのだろう。これは他山の石にしないとだな。権力に胡坐をかくと誰でもああなりかねないからね。
一連の役所改革で人員削減できたことにより、組織がスリム化し、この方面の財政は改善された。しかし、役人は貴族が多く、仕事をしてなくても、王国から俸給を支払っている。これを早急に何とかしたい。王国のために何かしら仕事をしてるなら、理解できるが、何もしないで、俸給だけもらうのは、給料泥棒と同じだ。次は貴族改革だな。
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