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第202話 役所改革2

 御前会議で大臣達に人員削減案を突き付け、期限の三日を過ぎた。会議では反対の意見が多かったが、結局、僕がお金を握ってることもあり、ほとんどの大臣達は期限内に人員削減案を受け入れた。


……しかし、内務大臣だけは現れなかった。まあ、予想していたことではあったけどね、あそこが一番、人が多い割には無駄が多かったんだよ。ははは。職務内容も他部署との連携、調整みたいのが多く、正直、具体的に何をしてるのか不明な業務も多い。


「まるで、わざと仕事をつくって、人をあてがってるみたいだ……」


 隠密隊の報告によると、十人いるはずの部署に二人しか働いておらず、そのくせ、十人分の俸給を請求しているとか。今まで、よくこんなことがまかり通っていたよなぁ……


 確かに彼らのした悪事は殺人や暴力と比べれば、小さいのかもしれない。しかし、これを日常的に繰り返したら、小さい悪事も積み重なって、雪だるまのように大きくなる。


 結局、内務大臣は解任し、新任が見つかるまで、イレーネ宰相を兼任とした。さて、内務省は僕とイレーネ宰相が直接入って人員削減するか。


<王城・内務省> ※各省庁は王城に併設、次官は大臣の次の役職


内務省の全職員を集合させる。時間は朝九時、始業時間だ。

全職員の前で僕とイレーネが上段に立つ。


「内務大臣は解任した。次官はいるか?」

「はは、陛下、ここに」

「これで全員か?」

「……恐れ入ります。朝から出張に行ってる者もおりまして……」

「出張してる役人の名前と行先を言え!」

「えっ、そ、そ、それは、突然言われましても~」

「……まさか私に嘘をついていないだろうな」(睨みつける)


「いえ、そのようなことは……」

「じゃあ、なんだ?」

「いや、あの~何というか、その~、まあ、この~」

「だから、なんだ?!」(イラッ)

「いえ、あの、本日はお日柄もよろしく、へへへ、なんちゃって」

「…………」


もう、こいつを相手にしてもしかたないな。


「よく聞け!ここの人員削減が決定した。原因はお前たちの日常的な職務怠慢だ!後で、次官に人員削減リストを渡すので、名前のあがった者はここから出ていく準備をするように。以上だ!」


次官に人員削減リストを渡す。


「王命である。この通り実施せよ!」

「こ、これは!」


そこには内務省の半分以上の名前が記載されていた。


「む、無理です!」

「そなたの意見は求めていない。王命を実行せよ。できないなら、そなたも解任するだけだ」

「そ、そんな」

「今まで職務怠慢を放置した幹部の責任は重大だ。これができないなら、来月から全職員の俸給を止めるだけだ。結果については内務大臣を兼任するイレーネ宰相に報告せよ」


――――

――――――


<王都・ミアの侯爵邸>


一仕事終え、僕とテネシア、イレーネ、ミアでお茶を飲む。


「陛下~今回はずいぶん強引にいったな~」

「これだけ強引なのはベイスラ領の着任以来だな」

「あの時も酷かったですからね」


すると御前会議に出ていないミアが入ってきて


「まあ、御前会議ではそんな話になっていたのですね」


 そう言えば、ミアは僕の側近の中で唯一、御前会議のメンバーじゃなかったよな……


「内務省の人員削減は進むのでしょうか?」


現在、内務大臣を兼任しているイレーネが聞いてきた。


「しなければ、来月から全員俸給停止だから、するしかないだろうな」

「それでも人員削減に応じなかったら、どうしますか?」

「全員解任だな。それでもう一度、つくり直す。むしろその方が、都合がいい」


今後の成り行きを思案しながら、お茶をすすっていると、テネシアが口を開く。


「新しい内務大臣はまともな人になってもらいたいよ。……ミアなんていいと思うけどな」


 ミアか。僕の側近で気心も知れてるし、侯爵で十分資格がある。何より、ギース領の代官経験もある。高度な教育も受けてるし……


「いや、私なんて……私には薬草の研究もありますし……」


そう。ミアには薬草の研究という重要な職務がある。難しいだろうな。


するとイレーネが


「大丈夫よ。私だって宰相やってるんだから。ミアさんにもできると思う。内務省は人員削減で大幅に業務も縮小するだろうから、改革後はずっと楽になると思うわよ」


 あそこの部署は突き詰めると、情報の整理と管理だからな。無駄を省けば相当、楽になるのは間違いないと思う。


「とりあえず、検討しておいてよ。無理強いはしない。その間に僕とイレーネで、徹底的に組織をスリム化させるから」


 その後、隠密隊の報告で、次官も職務放棄して逃亡したことが分かったため、解任リストに記載された人物に直接、解任を通達した。それに加え、通達漏れがないよう、職場の目立つ場所にも掲示した。内務省の職場は【隠蔽】した隠密隊に常時監視させてるので、その後も、不良役人をどんどん解任していった。最終的には三割ぐらいしか残らなかったが、業務に「まったく」支障が無かったのが笑える。イレーネ宰相がこのまま兼任でも、問題なさそうだったが、イレーネ宰相がサポートするということで、ミアに内務大臣をお願いすることとなった。問題のある役人はすべて解任させたし、業務も大幅に減ったので、これならミアの負担も大きくならないだろう。


 ちなみに今回の役所の人員削減で、二百人以上が解任されたが、王領の徴税官、療養所のスタッフ、王軍隊、建設工事、生産加工、等で適性に応じて拾い上げた。王領の拡大により、人員不足気味だったので、丁度良いタイミングでもあった。もちろん、まじめに働く者だけね。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。

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