第1920話 孫達のお祝い2 ※子供達の年齢付き
続きです。
お祝い会も宴もたけなわ、という感じではなく、まったり進行中。
入学三人組(6才)が仲睦まじく談笑する様子が視界に入る。
「二人とも、友達になってくれる?」
「「いいわよ」」
テルミスの呼びかけに、ルアナとクローディアが快く応じる。
いいねぇ、子供はすぐ仲良くなれて。
実はこの三人、初対面ということはなく、これまで幼児教育の場などで何度も顔合わせしているが、「友達」というワードを覚え、使ってみたのだろう。友達になる前から実質的に友達であったが、言語化することにより、それはさらにはっきりしたものになる。
言語化か……。
愛や感謝や幸せもそうだよな。言葉にしなくても心に思えば成立するが、
それでもやはり言葉に出した方がいい。それにより思いはさらに強まる。
僕らが現世に来たのもそれがあるからだろう。思うだけなら霊界でもできるが、肉体を使って表現することにより思いはさらに強くなる。肉体は思いを表現する枷になっている面があるが、だからこそ高地トレーニングのように適度な負荷となり、思いを強くしてくれる。
この思いをどう表現したらいいんだ?
これまで数多の表現者、これは芸術家や創作者に限らず、表現する総ての人を指すが、この難題にぶつかったはずだ。霊界なら一瞬で通じるものが、現世では中々通じない。そういう意味で言ったつもりではないのに、違う意味で取られることは日常茶飯事だ。これにより、
他人と理解し合うことはできない。
という思いに至った者も数知れずだろう。そして、さらに、
自分の思いを理解できない他人は愚か者だ。
となる者すらいただろう。そして、自己中心教の暗黒面に堕ちるのだ。いやいや、そうじゃない。他人と自分は違う。現世では周波数の違う人々が共同で生活してる訳だから、分かり合えない人がいるのはごく普通のこと。憤慨したり、誰かに八つ当たりしたり、世界を憎むできではない。
この、理解し難い関係の中で、それでも尚、理解しようとするから修行となる。他人を理解する努力、他人に理解してもらう努力、この二つを放棄してはいけない。(例外はあるが)
現世で肉体を持つメリットはまだある。相手を酷く傷つける悪い思いを抱いた場合でも、肉体だと表現を抑えられるのでマイナス作用を弱めることができる。仮に「酷い目に遭え」と思っても、思うだけなら、それだけで相手がそうなることはない。
善い思いなら肉体を通して表現することにより、それを強化し、
悪い思いなら肉体があるがゆえ、相手への影響を抑えられるから、
その間に正すことができる。
さすれば修行が進み、精神性は上がっていくが、
この反対はよろしくない。
善い思いがあっても肉体で表現するのが面倒だから、それを止め、
悪い思いがあっても肉体があるがゆえ、相手に影響しないから、
大丈夫だと勘違いし、さらに悪い思いを発する。
どんな道具も使い方次第だが、それは肉体にも言える。
和顔愛語を実践したり、肉体行をすれば、精神性を上げるし、
食欲や色欲に走り、不摂生なことをすれば、精神性を下げる。
「クローディアは可愛いな」
「ルアナも可愛いですよ」
「テルミスも負けていませんよ」
三人のやり取りを眺めながら、それぞれの祖母である、
テネシア、イレーネ、ミアが笑みを浮かべながら言い合う。
三人とも僕と同じテーブルにいるが、やはり視線は孫に釘付けか。
テネシア、イレーネ、ミアは一代限りの大公爵となっているが、それは伊達ではなく、それぞれの元領地で威光が轟いている。僕が国王を退任して一代限りの聖王となっているのと同じようにね。ここギース領を主拠点にしてるのは僕も3人も同じだが、それに加え3人は、公爵城のあるベルム領(元テネシア領)、ヨウス領(元イレーネ領)、カイス領(元ミア領)をそれぞれの副拠点にしている。
なので必然的にそれぞれの孫との交流は僕より多い。僕は4人妃がいるため、こればかりは仕方ないが、それでも量より質で、会う度、密の濃い交流を心がけている。ちなみにメリッサの副拠点は王城になり、僕はあちこち分散してる感じかな。
「子供や孫が来てくれるのは、いいものだな」
「会を開いて良かったです」
「ですね。幸せな気分になります」
テネシア、イレーネ、ミアがにこやかに語る。
僕からも一言いっておこう。
「うん、君たちの言う通りだ。
こういう会はこれからも続けたいよね」
「だな」「ですね」「そうですね」
三人がすぐさま応える。メリッサは参加者への挨拶回りをして席を離れているが、同じ気持ちだろう。パーティーの準備は僕がやったが、城の運営はメリッサが担当であり、当日の仕切りは彼女に花を持たせている。彼女は僕らの中で一番パーティーに慣れしてるしね。餅は餅屋だ。
今でこそ、パーティーを存分楽しませてもらっているが、若い頃(この世界に来た最初の数年)はあまり好きではなかった。というのも、当時の貴族のパーティーは、見栄やら虚飾やら陰口やら腹の探り合いやらの印象が強く、いいイメージがなかったからだ。
だが、メリッサと結婚したら、こういう機会が増えると思い、メリッサに習って、いろいろなしきたりや作法を教えてもらい、パーティーに参加するようになった。そして、参加するうちに、いい面に気付くようになった。それは効率よく多くの人と交流できることだ。経験を積み、ネガティブなこともいなせるようになった。
欧米のようなパーティー文化が、ここにあった。これは実にいいものだ。
前々々世、イギリス人だったから、それも影響してるんだろうな。
※子供達の年齢※
◇メリッサの子供
ライナス 五十七才(国王) ロナンダル王国(国王)※ラーシャと結婚
ミローネ 五十四才(王妃) ギルフォード商会(会長)
ダルト王国(王妃)※トーマスと結婚
アレク 五十才(国王) ギルフォード王国(国王)※サラと結婚
レネア 四十八才(王妹) 魔法研究所(所長)※スポイルと結婚
シルエス 四十一才(王弟) エルスラ王国(国王)※リディアと結婚
連邦王、連邦建設局(建設局長官)
◇テネシアの子供
タイタス 四十一才(王弟) ルカレシア聖帝国(皇帝)※ロザンナと結婚
(地方統括)(国土開発大臣)(聖帝国放送局長)
トアラ 三十九才(王妹) 魔法研究所(研究員)※テセルスと結婚
ロナンダル王国(公爵)
◇イレーネの子供
ディオネ 四十一才(王妹) 連邦アガデミー(学長)※タランと結婚
ロナンダル王国(公爵)
テセルス 三十九才(王弟) 連邦司法局(司法長官)※トアラと結婚
魔法研究所(研究員)
クラナス教会(受講生)
◇ミアの子供
メルーシャ 三十四才(王妹) 王立療養所(副所長)※ギロンと結婚
魔法研究所(研究員)
クラナス教会(在家信徒)
ロナンダル王国(公爵)
霊性研究所(副所長)
カルエス 三十才(王弟) クラナス教会(司教・出家信徒)←★NEW
※アネットと結婚
魔法研究所(研究員)
ギルフォード児童養護施設(運営)
※孫達の年齢
◇ライナスとラーシャの子供
リベルト 三十一才(王太子)国王補佐 ※ルイーズと結婚
ローレル 三十才(王女) ギルフォード療養所(スタッフ長)
ギルフォード介護施設(スタッフ長)
王女領(領主)※ナンドと結婚
◇トーマスとミローネの子供
マーク 二十五才(王太子)国王補佐
※冒険者活動中(月二回程度)
※婚活中←★NEW
カイン 十九才(王子) ギルフォード商会
(西の大支店・番頭)
◇アレクとサラの子供
レクサー 二十五才(王太子)国王補佐
※冒険者活動中(月二回程度)
※婚活中←★NEW
ラルフ 十九才(王子) 連邦通信局(西の大支局・係長)
◇スポイルとレネアの子供
レイシア 十九才(王女) ライナスの養女(形式的)
魔法研究所(研究生)
フレディ 十二才(王子) ライナスの養子(形式的)
魔法学園(学生)
◇シルエスとリディアの子供
ルルア 十八才(王女) ギルフォード財団(副理事長)
アルベール 十五才(王太子)ギルフォード財団(職員)←★NEW
◇ギロンとメルーシャの子供
ミレーナ 十才(公爵令嬢) 王立学園(学生)
テルミス 六才(公爵令息) 王立学園(学生)←★NEW
◇タランとディオネの子供
セレネ 十才(公爵令嬢) 王立学園(学生)
ルアナ 六才(公爵令嬢) 王立学園(学生)←★NEW
◇タイタスとロザンナの子供
レオナード 十才(皇子) 魔法学園(学生)
クロ―ディア 六才(皇女) 魔法学園(学生)←★NEW
◇テセルスとトアラの子供
ディラン 八才(公爵令息) 魔法学園(学生)
バレンシア 四才(公爵令嬢)
◇カルエスとアネットの子供
リビオ 一才
※ひ孫の年齢
◇リベルトとルイーズの子供
パトリシア 三才(王女) 家庭教師で学習
ジルベルト 一才(王子)
◇ナンドとローレルの子供
レイチェル(暫定王女) 二才
エドモン (暫定王子) 一才
※学校入学前にリベルトが王位に就き、リベルトと養子縁組する予定
※ライナス(国王)の異母弟妹は王弟、王妹と表記しました。
※合計すると、主人公の妃は四人、子供は十一人、孫は十九人、
ひ孫は四人です。
※主人公は八十七才(前世通算)、メリッサは八十五才、
テネシアは百十二才、イレーネは百十才、ミアは八十五才となりますが、
皆さん、外見年齢はかなり若いです。人間種族の三人は三十代半ばぐらい、
亜人種族の二人は二十代後半ぐらいの見た目です。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、ブックマーク、評価をして頂けると大変有難いです。
書籍化作品へのアクセスは下記のリンクをご利用下さい。




