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1919/1921

第1919話 孫達のお祝い

 楽しいひと時


 関連回

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 第1466話 合同お祝い会~コモンスキル~

 第1467話 合同お祝い会2

 第1468話 合同お祝い会3

 第1884話 夫婦の晩餐2

 第1885話 魔法学園への挨拶回り

 第1886話 王立学園への挨拶回り

 第1887話 王立学園への挨拶回り2

 うん、いっぱい集まったな。よしよし。


 今日は親族を集め、城の大広間でパーティーを開いている。

 内容は孫(3人)の入学と卒業(1人)のお祝いだ。


 親族ばかりの会なので打ち解けたものだが、一応、僕が主催者なので簡単に挨拶しよう。普段これでもかというぐらいたくさん話しているから、こういう場では長く話すつもりはない。先ずは人数の多い方からだな。


「テルミス、ルアナ、クローディア、入学おめでとう。これから学園でしっかり学び、他の生徒たちと仲良くし、実り豊かな9年間をおくってもらいたい。君たちの成長を心から願う」


 パチパチパチパチパチ!!!


「おめでとう」「しっかりね」「勉強するんだぞ」


 拍手と共にあちこちからお祝いの声があがる。ふふ、いいね。


 テルミスはギロン王子とメルーシャの息子でミレーナの弟、

 公爵令息という立場で王立学園へ。


 ギロン王子は隣国バナン王国の王族なので、バナン王国の基準だとテルミスも王族となるが、ここはロナンダル王国なので、当主(公爵)であるメルーシャの子供であることを強調させてもらった。ロナンダル王国では公爵は準王族となるが、大勢に影響はない。実質、王族のようなもの。

 

 ルアナはタランとディオネの娘でセレネの妹、

 公爵令嬢という立場で王立学園へ。 


 口に出して言うことは絶対にしないが、

 準エルフの父とハーフエルフの母の子供だから、

 4分の3エルフ(4分の1人間)ということになる。

 エルフの種族特性を受け継ぎ、耳は長い。


 クロ―ディアはタイタスとロザンナの娘でレオナードの妹、

 皇女という立場で魔法学園へ。


 これも口に出して言うことは絶対にしないが、

 ハーフ竜人の父と人間の母の子供だから、

 4分の1竜人(4分の3人間)ということになる。

 竜人の種族特性を少し受け継ぎ、短い角が頭に二本ある。


 それぞれ試験に余裕のよっちゃんで合格し、無事入学を果たした。

 さて、もう一人の方も――


「それと、アルベール、卒業おめでとう。9年間よく頑張った。

 これから社会人として頑張り所だな。今後の活躍を期待している」


 パチパチパチパチパチ!!!


「おめでとう」「頑張って」「これで成人だな」

 

 これまた拍手と共にお祝いの声があがる。

 アルベールはシルエスとリディアの息子でルルアの弟、

 王子という立場で王立学園に入ったが、この度晴れて卒業し、

 成人&王太子就任と相成った。めでたい、めでたい。


 この世界では学校を卒業すると成人(15才)となるが、

 僕から言わせれば、まだまだ子供。

 ここからギアを上げ、さらに精進してもらわないとな。


 本日の参加者は対象の四人とその家族(両親・兄弟姉妹)、それと僕と僕の妃だ。僕は以前から親族のお祝い事を仕切り、準備してきたが、こういうのは何度やってもいい。お祝いは他者の喜びを自分の喜びとすることにより、善想念を高め、広げ、善循環を促してくれる。


 自己中心教の人は自分のことしか喜べないが、そこから離れた人は他人のことも喜ぶことができ、他人の数だけ喜びが増えることになる。自分一人のことしか喜べない人の喜びはどこまでいっても一人分。だが、他者のことも喜べる人の喜びは十人、百人、千人分と増やすことができる。この差は、その後、世界の行先が変わるぐらい決定的に大きい。


 一人でも幸せになれないことはないが、

 その幸せはちっぽけなもの。早くそれに気付いてもらいたい。


 小さな出来事でも、皆で喜べば、大きな幸せとなるが、

 大きな出来事でも、一人で喜べば、小さな幸せとなる。


 大賞でも、共に喜んでくれる人がいなければ、幸せは小さく、

 残念賞でも、共に喜んでくれる人がいれば、幸せは大きい。


 さて、あとは皆に任せて、まったりしよう。と思い、席に着くと、

 シルエスが話しかけてきた。すぐ横にはアルベールがいる。


「父上、アルベールの卒業祝いをして頂き、感謝します」


 僕も人のことは言えないが、シルエスの頬が緩んでるな。ふふ。

 息子の成人だから当然か。この世界では卒業イコール成人なので、

 これは成人祝いでもある。


「なに、好きでやってることだからね。こちらこそ、

 来てくれて感謝するよ」


 僕は人の喜ぶ姿を見たいがため、お祝いに関わることが好きで、勝手連でお祝いコーディネーターをさせてもらっているが、このノウハウを僕個人だけで使うのは勿体ないと思い、以前、ギルフォード商会でお祝い課を設立した。


 だから、そこに依頼すれば、僕が動く必要はなくなるが、それだと味気ないので、親族のお祝いに関しては従来通り僕がやっている。親族に関しては僕の方が細かいところまで把握してるし、それを馴染みのあるギルフォード商会とはいえ、個人情報は出したくないからね。あそこは誰かさんのお陰で、お客さんの情報が事細かく管理されている。


「おじい様、ありがとうございます」


 アルベールが丁寧に頭を下げる。彼もよくできた孫だ。

 そうだ。例の件を確認しておくか。

 これはアルベールよりシルエスに訊くとしよう。


「シルエス、アルベールはギルフォード財団で働くことになったが、

 お国の方は大丈夫なのかい? 王太子になったんだろ」


 アルベールは就職試験を受けて合格し、

 ギルフォード財団で働くことになっている。


「はい、大丈夫です。ちゃんと中央議会の承認も取っています」

「ほぅ、そうか、じゃあ、国政の方はまだ先ということだな」

「はい、息子には先ず、広く世の中を知ってもらいたいと思いまして」

「おお、それはいい心がけだ。井の中の蛙にならない、ということだな」


 シルエスの国、エルスラ王国は中央議会が実権を持つ立憲君主制だから、王の負担はかなり少ないが、それでも20代で王位に就くのは避けたということだな。僕もその方がいいと思う。後継者トラブルを避ける意味で、成人してすぐ王太子に就任するのはいいが、その後すぐ国政に入るより、一定期間、市井で庶民と触れ合う機会を持つことにより見識を広げることができる。


 アルベールの右手の薬指に指輪が光る。

 あれは成人を機に僕があげた王族アイテムだ。


 まだまだ先になるだろうが、アルベールが結婚する時は

 そのまま結婚指輪となり、左手の薬指に移ることになる。


「どうだい、アルベール、アイテムのスキルは?」

「はい、練習しているところです」


 このアイテムは親族が成人した際に渡しているもので、これがあれば【念話】【回復】【解毒】【解呪】【隠蔽】【結界】【転移】の七つのスキルが使えるようになるという超逸品だ。シルエス、リディア、ルルアには以前渡しているから、シルエス一家はこれで全員アイテムを持つことになった。


 このアイテムを渡した目的は自分で自分の身を守ることであり、これまで

 十分それができたことは結果を見ても明らかだ。渡した人は全員無事。


 ただ、これは治安改善によるところが大きく、仮に無くても危険な目に遭うことは無かったかもしれない。なので、いつまでもこれを続けるのはどうかと思う気持ちが湧く時はある。だが、防犯対策にし過ぎということはないし、続けていて、うまくいってる時は下手に変えない方がいいだろう。


 僕らは変わるためにこの世に来たが、さりとて、何でも変えればいい、

 ということはなく、良いものは変えるべきでない。


 ChangeとDon't Change、この二つがある。 


 政治において保守と革新があるが、どちらが正しいということではなく、

 良いものを変えない保守と、悪いものを変える革新が正しい。要は中身。


 日本では多文化共生なるワードが一部の人の手によって暴走し、まるで理想のように語られることがあるが、その意味するところは、日本を外国人だらけにして、日本を日本でなくすことだ。


 本当に皆、日本を日本でなくしたいのだろうか?

 日本を多民族国家のようにしたいのだろうか?


 僕の答えは決まっている。明確にノーだ。


 既にニューヨークやロンドンやパリは外国からの移民で悲惨な状況になっている。街にはゴミが散乱し、ホームレスがあふれ、そのあたりで排泄行為がなされ、スリや強盗が日常茶飯事となり、夜どころか昼の女性の独り歩きさえ危険な状況となっている。日本のように落とし物が届出されることはなく、それどころか、手に持っていても奪われる始末だ。子供の独り歩き? とんでもない。どうぞ誘拐して下さい、と言ってるようなものだ。


 既に日本でも外国人増加の影響により、ゴミの分別がなされなかったり、神社仏閣に落書きされたり、公共の場で大騒ぎがあったり、違法ヤードを設置されたり、マンホールの蓋やら電線やら農作物を盗まれたり、自動車が歩道に突っ込んできたり、言葉が通じず学級崩壊したり、治安が悪くなったり、と様々な弊害が各地で連日発生している。


 このまま行けば、早晩、日本も欧米のようになってしまうだろう。ここが運命の分かれ道。本当にそうなりたいのか、性根を据えて、よく考えるべきだ。日本は長らく欧米のようになることが正しいことだと洗脳されてきたが、これを解かないと取り返しのつかないことなる。


 多文化共生を目指すべき正しいことであるかのように吹聴する者がいるが、彼らが目指すのは日本の伝統や文化や秩序の破壊であり、日本人のアイデンティティの消滅であり、日本を日本でない状態に変えることだ。そもそも日本人に対して、それを言うこと自体が間違っている。これでは日本人が外国人に合わせるようミスリードされてしまう。


 その先に待ち受けている状況を的確に表現した人がいる。それは三島由紀夫だ。彼は1970年7月のある新聞の寄稿で、日本の未来について「無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済大国が極東の一角に残る」と予想し、日本がなくなってしまうのではないかという深い危機感を表明した。


「無機的な」な日本というのは精神性が希薄で、経済的な合理性ばかりを追求することを指し、「からっぽ」な日本というのは経済的繁栄と引き換えに、国家としての主体性や文化的な伝統、国体が失われることを指しているのだろう。50年以上も前に予想した三島由紀夫の慧眼には驚かされるが、現在の日本は本当に深刻な状況であり、まさに国難の真っ只中。かつてないペースで外国人が押し寄せてきている。早く入口の栓を閉めないと。


 紀元前660年に神武天皇が即位して以来、今年で皇紀2686年。ここは世界最古の歴史ある国であり、建国以来ずっと日本人の国だ。郷に入っては郷に従え、これが守れる外国人だけに来てもらいたい。日本人だって郷に従っている。


 既に滅んだが、歴史上、日本の次に長く続いたのが、かのローマ帝国だ。395年の東西分裂後、西ローマ帝国は移民(ゲルマン民族の侵入)により476年に滅亡したが、東ローマ帝国は不逞移民を防ぎ、その後、千年も続いた。継続性について無理筋な面はあるが、分裂前と合算すると、2206年(紀元前753年~1453年)だ。島国の日本と違い、陸の国境がある状況で、これを成したのは凄いこと。余程、うまくやったのだろうが、やったことはこれに集約される。


 When in Rome, do as the Romans do.


 直訳すると「ローマにいる時は、ローマ人のするようにせよ」であり、これは日本の「郷に入っては郷に従え」と同じ意味だ。ローマは日本と違い、多民族国家だったが、多文化共生(自文化破壊)に現を抜かすことをせず、征服領土のローマ化(同化政策)を実行して自文化を守ったからこそ、国が長く続いたのだ。


 あるスープをいろいろな素材を混ぜこぜにしたスープに入れたら、元のスープは元の状態でいられず、まったく別のものとなる。それはもう元のスープではない。少し考えれば誰でも分かることだ。思考を放棄してはいけない。思考を放棄したら他人にいいようにコントロールされてしまう。


 国や民族の独自性・独立性は自らの意思と行動で守るもの。

 これは今も昔もまったく変わらない。


 現在、ローマ帝国は存在せず、ローマはイタリアの首都に名前になったが、実は今でもローマを国名に使用している国がある。それはルーマニアだ。ルーマニアは「ローマ人の国」を意味し、古代ローマ帝国の属州ダキアが起源のラテン系国家。周辺の東欧諸国がスラブ系言語の中、唯一ラテン語由来の言語を話し、ローマ文化の継承者を自認している。


 この地は多民族国家であり、2世紀のトラヤヌス帝による征服を経てローマ化され、現在、国民はローマ人の末裔であることに誇りを持っている。国名はモロそうだが、国歌にもローマの皇帝(トラヤヌス帝)が登場する程だ。


『今こそ、いや今をおいてほかにない、世界に証し立てよう。

 この腕にはなおローマの血が脈打っていることを。

 我らの胸には戦いに勝ち続けた輝かしき名――

 トラヤヌスの名を誇らしく抱きつづけていることを。』


 ってね。トラヤヌス帝は繁栄と安定を享受したパックス・ロマーナ時代の五賢帝の二番目であり、西暦117年に帝国の最大版図を達成した人物だ。領土は地中海全域を囲み、北はブリタニア(イギリス)から南はエジプト、西はイベリア半島(スペイン・ポルトガル)から東はメソポタミア(イラク周辺)に達し、面積は500万平方キロメートルを超えた。ヨーロッパ全域の面積が1000万平方キロメートルぐらいなので、面積で言えば、その半分を抑えたということだ。


 ローマ帝国の国境線は長い歴史を通してライン河とドナウ河だが、トラヤヌス帝はドナウ河を超えてダキアと戦い、これに勝ち、初めてドナウ河の対岸の土地に版図を広げ、それが今のルーマニアの原型となった。でも、よく考えたら、元々、多民族国家で、ローマ人に占領され、支配された側だった訳だが、それを恥じるどころか誇りに思い、元々、ローマ人でなかった人々も、ローマ人としてふるまっていることに、ローマの統治法(同化政策)の強靭な実効性を感じる。


「ローマにいる時は、ローマ人のするようにしなさい」は、やがて「ローマ人のするようにすれば、そこはローマになる」になったのだろう。ローマの繁栄と安定を羨ましく思った周辺の他民族の多くはローマの属州になることを希望したに違いない。ローマは属州の隅々にまで公共インフラを整えた。


 すべての道はローマへ通ず。


 まぁ、道を整え過ぎたため、

 ゲルマン民族が中央まで一気に侵入してしまい、

 西ローマ帝国は滅んでしまったという落ちはあるけどね。


 ローマの威光は、その後の西洋文明に絶大な影響を与え、中世、近世、近代、現代まで続き、ルーマニアに限らず、多くの国がローマの後継者を自認してきた。オスマン帝国、神聖ローマ帝国、ロシア帝国、オーストリア帝国、バチカン、イタリア、フランス、ドイツ、等々。ナポレオンやヒトラーも自らの権威付けのため、ローマ帝国の後継者であるように振る舞った。


 最近、アメリカの国務長官が「米国と欧州は、アテネからローマ、そしてアメリカへと数千年にわたり大陸と海洋を越えて持続してきた文明に属している」と発言したが、これはアメリカをローマの新たな後継者として位置づけたものであろう。


 以前からパックス・ロマーナに倣って、パックス・アメリカーナと言われてきたが、これはアメリカの圧倒的なグローバル支配力を正当化するための根拠(言い訳)として用意周到に練られたものに違いない。一種の教化(洗脳)であろう。自分達は世界の中心的存在である大国の一員というね。「USA! USA!」という、けたたましい声援も、そういう感じ。「自分達は凄い! 自分達は凄い!」に聞こえちゃう。


 ただ、こういう大国主義は自己中心教から来ており、明らかに他人や他国への攻撃性を助長する。自分(自国)は優れている。だから他人(他国)に対して何をしてもいい、という考えが蔓延したら、世界は乱れ、殺伐とし、修羅界のようになるだろう。そんな世界はまっぴらごめんだ。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、ブックマーク、評価をして頂けると大変有難いです。

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