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異世界の女大賢者  作者: 山田 奏
第二章 海業都市編
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34 出発

冒険者ギルドへの挨拶を終えた後、少し時間が余ったので適当に食べ物を買ってアイテムボックスに放り込んだ。普段は自炊しているがマリーナまでの道中くらいは簡単に済ませようと考えた。と言っても、リルに乗っていけば2,3日で着くだろうから、それほどの量ではない。足りなければ適当にアイテムボックスから出して調理すれば良いだけだ。

さらに夜を快適にする為の道具も作った。現代のアウトドアグッズの類である。折り畳みのベッドやイス、簡易テントなど作り始めると意外に楽しい。流石に複雑な物は分からないので、簡単に作れる程度の物だ。まぁ最初は角度の調整をミスって歪んだりもしたが、なかなか悪くない出来である。

…と、熱中してるうちに時間が過ぎ、寝付いたのはかなり遅い時間だった。



「思ったよりも遅かったね」


「まぁ時間決めてたわけじゃ無いからいつでも良いしね」



寝るのが遅れた分、起きるのが遅くなり商業ギルドに行ったのはお昼頃だった。

普通の冒険者や商人は夜が危険だと分かっている為、街から移動する際は朝方早い事が多い。リアからすればさほど危険でも無いし、作ったばかりの道具を試す良いチャンスである。



「まぁ出発も今日か明日って話だったからね。それじゃコレを向こうの商業ギルドのギルマスに渡しておくれ」



そう言ってお婆ちゃんに1通の封筒を渡された。



「欲しい物のリストも用意するって言ってなかった?」


「向こうのギルドに言えば手に入る物ばかりだからね。それにあんたに借りを作ると返すのが大変そうだからね。まぁどうしようも無い事だったら頼むかも知れないけどね」


「私も店とか家とか世話になったんだけど…」


「馬鹿かい、あんた。そんなもんあんたが卸した素材で十分すぎるくらいに返してもらってるよ。店と家のセットでも5,6軒は余裕で買えるよ」


「そんなにいらないよ。ただでさえ、持て余して…。あー、そういえば家の管理してくれる人探してないわ」


「使用人かい?こっちで用意してやっても良いよ?」


「そこまでじゃないよ。適当に良い人が居たらスカウトしてみるよ。最悪、仕事してくれるならそれで良いし」



本当に最悪、奴隷とかでも問題無い。たまにマルセアでも見かけるが、ラノベとかであるような酷い仕打ちを受けている様子も無い。最低限の人権は守られているのだろう。



「じゃあ、そろそろ行くよ」


「そうかい。気を付けて行きな。まぁ忠告なんて必要無いだろうがね」



商業ギルドを出るとそのまま街の門へ向かって進んでゆく。

その先にある海業都市マリーナに思いをはせながら…

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