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云々蒐集短譚  作者: 里崎
25/30

背骨

[異国人♂×水泳選手♂]

目をそらし続けてきたやつが、あっさり陥落する話。


#一次創作BL版深夜の真剣120分一本勝負 参加作品

お題「投げキス」、「背骨」、「俺に限ってこんなことが…」

照りつける真夏の日差し。

激しく波立つ白い水飛沫の合間、日焼けした肌に一個一個くっきりと浮かびあがる背骨と、二つの大きな肩甲骨。


わっと歓声のあがる、熱気あふれる観客席の中。

飛び抜けて背の高い一人の、シャープな輪郭の偏光サングラスが、ずり、と鼻先まで滑り落ちる。その下から覗く碧い双眸は、さっきから、他を引き離して先陣を切る広い背中と、飛沫の隙間から垣間見える精悍な横顔に釘付けになっている。


長い、節ばった指が小さく十字を切る。


「俺に限って、……」


薄い唇から漏れた流暢な異国語を理解できる人はこの場にはおらず、続く自虐のスラングも同様。


パー、とホイッスルが鳴り、電光掲示板の表示がめまぐるしく変わる。


いち早く水面から頭を上げた3コースの男が、ガッツポーズの腕を晴れた空へと振り上げた。他の選手が慌てて見上げる電光掲示板には目もくれず、すぐさま観客席を見上げる。


ずり落ちたサングラスをそのままに、ぽかんと口を開けたまま固まっている金髪の男を見つけ、ニヤリと笑うとーー


ーー芝居がかった投げキスをひとつ。


一瞬の静寂ののち、観客席の四方から、きゃー、と耳をつんざくほどの黄色い声が飛ぶ。


「……一体どんな三流映画を観たんだ、あのバカは」


国民性がどうのとぶつくさ言いながら席を立った男が、頬の熱をそのままに勝手に更衣室に入ろうとして、関係者以外は〜とスタッフに取り押さえられ、ちょっとした騒ぎになるのは、この3分後の話。


(そして、慌てて駆けつけた件のバカに救出してもらうのが5分後の話、酒を片手にその騒動をからかわれるのは、さらに数時間後のお話。)


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