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云々蒐集短譚  作者: 里崎
11/30

隠れヒーロー/正義のヒーロー/立てこもり事件

「また遅刻!」

「はいはいごめんて」

女のいつもの説教を聞き流しながら、町の危機を救って来たって言えたらな、と隠れヒーローの男は小さくぼやいた。

まあまぁ、と眼鏡の少年が二人を仲裁する。「最近はちょっと早くなったし」と男に微笑む。

いつになく反省の色を見せない男に、ついにブチ切れた女が叫んだ。「あんなん秒速で片づけなさいよ!」

「え?」

ぐるりと振り向いて少年にも言う。「あんたも見てるだけとかさぁ!」

「えっ」

その実ーー国家の危機を救った後、男の奮闘を見届けてから先に来た、隠れ査察官の少年にも、だ。


女は、世界の危機を救った後、二人の奮闘を見届けてから先に来た、隠れヒーローだった。


***


「聞いて、きのう正義のヒーローに助けられた!」

「へぇ」

「あ、信じてないな。本当だって!バイト先の本屋で火事が起きて、天井が落ちそうになって」

「へぇ」

「その人が現れて本棚動かしてくい止めて!そのあと出口まで誘導してくれて」

「いや、避難誘導は店員さんに任せたけど」


「え?」


***


立てこもり事件が起きた。青ざめる人質たちの中、ポロシャツの男が犯人に言う。「女と子どもは解放してくれ」

「は?!」激昂したのは犯人ではなく、連れの女。「おまえ手柄を独占する気だな!させるか!」

「ほんと便利」と呟く呆れ顔の同僚を前に、非番の女警官は秒速で犯人をとりおさえた。


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