花屋クエスト
城下町をくまなく探して、見覚えのある花屋まで来た。
「できれば、ここは避けたかったけど、花屋って、ここしかないよな……」
中に入ると、魔法使いが人食い花に水をあげていた。
「おお、君は勇者君じゃないか」
「王妃様に贈る花を買いにきたんだけど……」
「けど?」
「大臣にお金もらうの忘れてた……」
空の財布を振って見せると、魔法使いは不思議そうな顔をした。
「何で君は、そんなにお金ないんだ?」
「お土産屋の剣のキーホルダー持ったら突然、剣が大きくなって、気づいたらこの世界に来たせいで、お金がないんだよ」
「えっ、じゃあ君は異世界人? それなら、面白い実験できるかも……」
魔法使いが何やらボソボソ言い、目が怪しく光った気がした。
「それなら、お代は君の体でいいよ」
「戦士みたいなこと言うな!」
「あいつと一緒にしないでくれよ。まあ仕方ない、今回はツケにしておいてあげるよ」
「ツケ払いで良いなんて、意外だな……」
「あのお方を、怒らせたままにしとくのは危険だからな」
魔法使いはため息をついた。僕は、花屋の中を見回す。
「それで、女性への贈り物にはどの花がいいんだ?」
「そんなの私が知るはずないだろう」
「……」
間を置いてから、面食らう。
「はあ!?」
「私にセンスある贈り物ができると思うか」
「何で、花屋なんかやってるんだよ! 確かに、この店に普通の花は見当たらないが……」
「王妃様の好みは、戦士や城のメイドあたりが詳しいんじゃないか?」
「嫌な選択肢が来た……」
セーブポイントがないか、探しに店の外に出た。




