花選びクエスト
城下町の中を悩みながら歩く。
「会いたくないけど、会わなければな……」
「あら、誰に?」
目の前に、戦士が現れた。
「あんただよ。先に、エンカウントしてしまった……」
「あら、これって運命ってやつ?」
戦士がウインクするのを、無視する。
「単刀直入に聞くけど、王妃様が好きそうな花て、どんなやつだろうか?」
「あら、それをアタシに聞いちゃう? 王様に聞いた方が、ロマンチックじゃない?」
「王様は悪魔伯爵と晩餐会の話をしているらしいし、何よりまた王妃様の地雷をまた踏みそうだから」
「そう? んー、そうねー」
戦士は少し考える素振りをする。
「あっ! キョウチクトウとかいいんじゃない? 魔法使いちゃんの花屋にも、置いてあるわよ」
意外とまともな答えに、胸を撫で下ろした。
「どんな花なんだ?」
「ピンクとかの可憐で猛毒な花よ」
「……」
「花言葉は『危険な愛』とか『油断大敵』とか『たくましい精神』よ」
「ちょっと待て! それ、悪意ある贈り物だろ!」
戦士は口元に人差し指を当て微笑む。
「ウフフ。でも、王妃様は毒耐性あるし、花言葉わからないし、あの方にとっては思い出の花よ、きっと。王様は、忘れているでしょうけどね」
「……信じていいんだよな?」
「アタシは、いつだって本当のことしか言わないわよ。勇者ちゃんに一生ついてくとかー」
「いや、それは嘘であってくれ」
「また、一緒についていくわよ」
「いや、いらない」
「あなたは、あんなはした金でアタシを買ったじゃない? 責任取ってね」
「……。あっ、あそこにイケメン発見!」
「えっ、どこ!?」
何とか戦士を巻くことができた。
魔法使いの店でキョウチクトウを手に入れた。
【知らなくても困らない話・Ifルート】
僕はまた、城の地下牢まで来た。メイドは、笑顔で立っている。
「あら、さっきぶりね。女性が喜びそうな花を聞きに来たの?」
「何で、牢屋にいるあなたが知ってるんですか……」
「……」
「まあ、いいや。良い案、何か知りませんか?」
「そうねぇ。王妃様は42年と8ヶ月前は、氷花が好きだったわ。誰もが見とれる美しい花でね、当時、王妃様は巨大蟻地獄を作って遊ぶのにハマっていて、その中心にその花を置いて、周囲の皆引っ掛かっていくのを、笑いながら絵日記に記録していたわ。その絵日記は、王妃様の寝室のベッドの下に隠されていて、全十三冊あって……」
「いや、それ以上の情報はもういらない! その花はどこにあるんだ?」
「氷大陸のペンギン会長の屋敷の中庭に108本咲いていて、毎週火曜日に結婚27年目と2ヶ月の奥さんが間違えて水をあげて、氷の塊にしちゃうの。そこから、6日間はその氷の塊のままで、7日目に花に戻るのよ」
「めっちゃ、面倒そうな花……。他には、ないのか?」
「他はねぇ……、28年と9ヶ月前、王妃様が新婚旅行で宿の部屋の飾りで見た、食虫植物を可愛いがっていたから、王様が魔法使いの花屋に置いてもらうようにしてたのよ。でも、王様それ依頼したの5日で忘れて、魔法使いもそれをいいことに、食虫植物で実験を重ねて人食い花に進化させたのよね。だから、人食い花とか、良い線いってるかもしれないわね」
「ツッコミしきれない……」
花屋で、人食い花を手に入れた。
大臣は、顔をひきつらせながら、魔王城に届けるよう言った。
魔王城に行った。
「これ、あの人から……」
どことなく、王妃の顔が険しくなった。
「あの人に伝えて頂戴。あと、半年は帰らないと!」
王妃の王への好感度が、50下がった。




