魔王城クエスト
城下町を出て、本当に徒歩20分で魔王城に着いた。
戦士達の案内で、魔王城の最深部まで、簡単にやってきてしまった。
ここまで一度も戦闘してないから、レベルなんて上がってない。この二人の仲間は、本当に強そうだけど、信じていて大丈夫だろうか。
そして、ついに魔王の間に来てしまった。中心の椅子に人影が見える。
「あの椅子に座っているのが!?」
「あら、あなた……? ……いえ、どこにでもいるような、モブ顔ね……」
椅子に座っている高貴な女性は、僕の顔を見て少し考え込む様子を見せた。
「お前が魔王か! 王妃様を返せ!」
カッコよく剣を抜こうとした僕の頭を、魔法使いが杖で叩く。
「馬鹿者。あのお方が、王妃様だ」
「えぇ……」
僕の見せ場がなくなった。
「ずいぶんな顔ぶれですね。どうしたのかしら?」
王妃は、魔法使いと戦士を見る。
「王様に、王妃様を救うよう言われたのですが……」
「救う?」
王妃は怪訝そうな顔をした。僕は、もうわけがわからなかった。
「わたくしは、今家出中ですわ」
「家出!?」
「まーた、夫婦喧嘩ですか?」
戦士がニヤニヤしながら聞く。
「夫婦には、それぞれの愛の形がありますのよ」
「そう言って、今まで家出100回してませんでしたか?」
僕は小さく手を上げて、会話に割り込む。
「あのー、よりにもよって、何で魔王城に?」
「この椅子の座り心地が良いからですわ。お城の椅子は、フカフカ過ぎて腰に悪いのです」
「はぁ……。あの、帰るご予定は?」
「あの人が謝るまで、帰りません」
王妃は、頬を膨らませプイとそっぽを向いた。
「……あの王は、僕に何をさせようとしてたんだ」
僕が頭を抱えていると、魔法使いがポンと肩を叩いた。
「ステーキ分の働きは、ここまでだな」
「いや、何もしてないだろ!?」
「安心して。アタシはいつまでも一緒よ」
戦士はウインクしてくる。
「いや、お前はいい!」
「あなたは、5000Gでアタシを買ったのよ」
「やめろ、その言い方!」
僕は頭をかいた。
「あー、もう皆、解散!」
「お疲れー」
「またいつでも呼んでねー」
魔法使いと戦士が、離脱した。
【知らなくても困らない話・魔王城の攻略】
「ここが魔王城……」
「そうよ。懐かしいわねー」
戦士はニコニコしている。
「あー、そっちはダメダメ。遠回りになるから、裏口からの方がいいよ」
正門に向かおうとして、魔法使いが止めてきた。
「でも、鍵が……」
魔法使いは、門の近くの石を一つ持ち上げる。
裏口の鍵を手に入れた。
「……」
「どうしたの? さっさと行くよ」
中には、たくさんの魔物がいた。
「これは、魔法使いさん! 戦士さんまで! お久しぶりです!」
「ちょっと、魔王の間まで行くから邪魔しないでね」
「御意」
魔物は消えた。
「……」
宝箱を見つけた。
「あー、それは開けない方がいい宝箱だよ。隣は開けても大丈夫だけど、椅子のカタログしか入ってないよ」
「……」
魔王の間についた。
「……ダンジョンとは、いったい?」




