仲間クエスト
城を出て、すぐそこの城下町にやってきた。
「さて、レベル1で魔王に挑むのは、不味いよな……。1万Gもあるし、武器は……大丈夫として、防具を買うか、仲間を雇う……か」
そこで立ち止まった。
「あれ? 防具は店行けば良いとして、仲間を捜すには酒場に行けばいいのか?」
「あら、そこのお兄さん。仲間を捜しているの?」
後ろから声をかけられ、僕はゆっくりと振り返った。
「そうなんですよ……って、うわぁ!」
そこには、ピンクの鎧にキラキラのパールやハートの装飾をつけた、ローズピンクの唇が特徴の、逞しい男戦士が頬を染めながら立っていた。
「おっ、男の人?」
「お兄さん、ス・テ・キ・な・剣をお持ちね。アタシが、仲間になってあげても良いわよ?」
「いえ、間に合ってます」
僕はゆっくり、一歩後ずさった。
「あら、アタシの強さを疑ってるの?」
戦士は一歩前に出る。
「強さ以外の全てを疑ってます」
また一歩後ずさった。
「あら、アタシは元魔王四天王の一人だから、心配する必要ないわよ」
戦士はもう一歩前に出た。
「心配しかねーわ!」
「もう、人間と生活して30年くらい経つのよ」
(人慣れしてるのか……。ん? 人慣れ?)
「強さは保証するわ」
(見た目はともかく、元四天王なら実力だけは本物か……?)
「危害を加える様子はないならありか……」
「5000Gで、あなたに一生ついてくわ」
「高っ!? いや、それより、一生はいらないし、逆に一生をかけるには安い金額だろ!?」
「そんなことないわ。分割でもいいわよ?」
「ローン組ませるな!」
「お金、い・が・い、でも良いわよ?」
戦士は、にじり寄ってきて、体をピタリとくっつけてくる。鳥肌が立った。
「あーもう、払う! でも、一生はついてくるな! 」
「やったー」
「僕の5000Gが……」
涙目で、戦士にお金を払う。
「お兄さん、昔見た勇者くんみたいにモブ顔で、可愛くて好きだわ」
「何か、失礼なこと言われてる気がする……」
こうして、戦士が仲間になった。
【知らなくても困らない話・戦士との雑談】
「ところで、何で元魔王軍四天王がこんな町中にいるんだ?」
「魔王様がいなくなって、解散になって、やることがなくなったから、働きにきてるのよ」
「人間と暮らして30年経ってるってことは、結構な歳なんだ?」
「やーねっ! 女性に年齢の話をふるなんて」
「いや、あんた女性じゃないだろ……」
「あ"ぁ?」
戦士の声が低くなる。
「いっ、いえ、すんません」
「もう! 鈍感な男は、女性の怒りを買うのよ」




