↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王様クエスト  作者: シャム吉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/17

ゴキブリクエスト


 王は、鎧と剣を装備した。


「勇者よ、待たせたな。さあ、行こう!」


 王がそう言った時だった。


「うわぁー!!」

「キャー!!」


どこからか、悲鳴が上がった。


「何事!?」


「厨房からじゃ、行くぞ!」



 王と一緒に城の厨房に飛び込んだ。


「料理長、どうしたのじゃ?」


「申し訳ありません。私としたことが、この部屋にゴキブリを出してしまいました……」


「そなたが、そんな失敗をするのは珍しいな? 数は?」


「一匹だけです」


 そう答えたのは、メイドだった。


「一年半と3日前に、王様が王妃様の24番目にお気に入りの椅子の下で仕留めて、王妃様にバレないように一緒にいた兵士と大臣に箝口令を出した時のやつより、一回り小さかったですわ」


「あっ、でもあの時、大臣が一人で泣きながら後始末していて、手洗い30分もして手荒れしていたので、できれば綺麗に仕留めてあげたいところですね」


 王は頷く。


「そうか。気を付けよう」


「待て待て待て。何で、牢屋にいるはずのあんたが、ここにいるんだ!?」


 王がメイドの存在をスルーするのを、全力で止める。


「お腹すいたから、来ちゃった! 料理長のご飯、盗み食いするの大好きなの。今日は、隠し味にとかげの尻尾を入れてたわ。あっ、ちゃんと後で牢屋に戻るから、安心して」


「いやいやいや! そもそも、どうやって牢屋から抜け出したんだよ」


「……」


「何で、いつも喋りまくるのに、黙るんだよ!」


「さあ、それよりゴキブリ退治よ。数が増える前に、何とかしないと……」


 辺りを探すが、見つからない。


「見失ってしまったのう」


「それなら、ワンちゃんに探してもらうのはどうでしょう? 王様、王妃様のハンカチを勝手に借りて、なくしてワンちゃんに13回探してもらってますよね?」


「そうか! その手があったか!」


 庭にいた犬が、厨房に連れてこられた。


「ワン」


 王はしゃがんで、犬と目線を合わせて、話す。


「クーン! キャンキャン、ワン!」


「ワン!」


 犬は頷き、冷蔵庫の裏を示して、一声鳴いた。


「おお! もう見つけたか!」


 ゴキブリが姿を見せた。


「気をつけて! ヤツは速いです」


 料理長が、叫ぶ。僕はすぐさま飛び出した。


「それなら、僕が! 速さには自信あります!」


「ほっほっほっ、遅いわい」


 僕が手を出す時間もなく、王が光の速さでゴキブリを仕留めた。


「これで、43回目のハントですね」


 メイドはニコニコと拍手をする。


「ツッコミ、追い付かない……」



【知らなくても困らない話・メイド再投獄】


 一通り片付けた後に、大臣が調理場にやってきた。


「王様、遅れてすみません。客人の相手をしておりまして……」


 大臣はそう言いながら、メイドと目が合う。


「……何で、お前がここにいる?」


「来たかったから」


「牢屋の鍵は、ワシが持ってるんじゃが?」


「いつでも釈放待ってます」


「ふ、ざ、け、る、なー! また、牢屋行きだ。まったく、どうやって抜け出してるだか……」


 大臣は再びメイドを、牢屋に放り込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。