彼女は…?
「陽くん、ちゃんと聞いてる? ちゃんと聞いてないと質問全部回すわよ?」
「ちゃんと聞いてますよ! つか全部って、いくつ質問する気なんですか!」
「何言ってんの? さ、アホは無視して先進むわよ~」
生徒一同(振ったのあんたじゃん!)
「…だから誰も嫁にもらってくれねぇんだよ…」
「なんか言った?」
生徒一同(地獄耳だ…)
「いえ、別に? 早く先に進めてくださいよ。」
「はいはい、じゃ先に進めるわね。」
…陽は黒板から視線を別の方に向ける。
(やっぱり…あの子かな?)
陽の視線の先にはひとりの少女。
(んなわけない…か。あの子はこの学校じゃ有名人だもんな…)
その少女が振り向き、陽と視線がバッチリ合ってしまう。
(…やべっ!)
慌てて視線を黒板に向ける。
(はぁ…びっく…)
「…」
「あ…その…」
「終わるまで廊下で待機…いいね?」
「はい…」
「ふふ…やっぱり…」
――――
「け~ん!聞いて聞いて~」
「どうしたんだ?」
「さっきの授業でね~、また陽くんが怒られてたの」
「またかよ…。あいつよく怒られるな~」
「そうだね~」
「んで?話はそれだけじゃないんだろ?」
「えっ!?な…、なんのことかな~?」
「ずいぶんと嬉しそうだからな、何かあった以外にないだろ?」
「はぁ…なんで鍵は分かっちゃうんだろ…」
「あんたがわかりやすいんだよ」
「むぅ…」
「それで…何があったんだ?」
「えっとね…陽くんと…」
「うん。陽と?」
「陽くんと目があっちゃって…」
少女は照れながらそう答えた。
「は…?」
「だから~…陽くんと目があっちゃったの…」
少女はもう一度、照れながらそう答える。
「それだけ…か?」
「えっ?それだけだけど?」
「…はぁ…あんた…どんだけたんじゅ…純粋なんだよ…」
「なにが?」
「なんでもない……まぁ…良かったな」
「うん!」
「ほら、そろそろチャイムなるから戻りな」
「そだね。聞いてくれてありがとう」
「またなんかあったら聞いてやるよ」
「うん。お願いするね。それじゃまた~」
手を振りながら少女は教室に戻っていった。
「陽……かなり苦労すんだろうな~」




