決着は早々に
「だりぃ~」
陽は大きくため息をはく。
「ここに来るまでにもう7人は倒したぞ…」
そう、彼はここに着くまで7人に絡まれている。
「俺ってば人気者? いや、こんなんで人気者は嫌だっつの…」
独り言を言っていて楽しいか?
「楽しくないわ!」
だったら止めとけ。
「だな。無駄に体力使っちまう…」
無駄話をしている最中、廊下中に悲鳴が響きわたる。
「なんだ!?今のは!?」
悲鳴だろ?分からないのか?
(無性にイラつくな)
いらついてる場合か?
「こいつに言われるとなんかムカつくが、その通りだな」
悲鳴の元まで走って向かう。
(2-1…あそこか)
開いてるドアから教室内を覗き込む。
そこにはダボダボの体操服を着た少女と、その少女の髪の毛を掴む男子が居た。
(ま、やることはひとつだな)
「そこまでだ!」
「なんだよぉ、この兎は俺のモノだぜ…」
「お前もいままでのやつらと同類か…」
そう、陽が闘ってきた者達も人を獲物や鼠などと言っていたのだ。
「何のことか分からないけど…一緒にしないでほしいなぁ…」
「一緒だろうが…」
陽は銃口を男子に向ける。
「だって僕は女の子しか…」
パァン!と銃声が響き渡る。
「まだ…喋ってる…途中…なの…に…」
「お喋りは命を亡くすことになるぜ」
かっこいいけど、最低だよ…
「だってあーいうのムカつくんだよね」
分かるけどね。せめて最後まで…
「あ、あの…ありがとう…」
「いや、気にしなくて…」
陽はじっと少女を見つめる。
「あの…なんですか…?」
聞かれても答えずに、見つめ続ける。
「あ…あの…?」
「それ…俺の体操着」
「えっ?」
少女は自分の着てる体操着を見る。
「これ…間違えて持って来ちゃって…そのまま着てるんだけど…」
「無いと思ったら持ってかれてたのか…」
「ごめんなさい!」
すごい勢いで頭を下げる。
「あはは…まぁいいよ、大丈夫だから」
「あ、あの…洗って返します…」
「大丈夫だって」
陽は初対面なのに頭を撫でる。初対面の相手の頭を撫でる。
「あ…」
「どした?」
「う…ううん!なんでもない!」
「そっか。あ、そういや名前聞いてなかったな…」
そう言いながら、弾を補充する。
「あ、そうだね。私は桜野月華、よろしくね」
少女は笑顔で自己紹介をする。
「おう、よろしくな。俺は…」
「秋峰陽くんでしょ?」
「へっ? あぁ…そうだけど、なんで知ってるんだ?」
「だって、同じ…」
ガシャーンとガラスが割れる音が響く。




