目指せ!頂点への道筋
前回のあらすじ
チノ「私と一緒に、アイドルユニット組もうよ!」
フィアラ「少し、考えさせてね」
結局、フィアラはチノとアイドルユニットを組むことにした。
賞金を受け取り、宿に泊まった次の日に事務所に行き、そこで偶然出会ったチノに報告し、はれてアイドルユニットを組むことになったのだ。
活動方針としては、取り敢えず次の公演に出場。そこで実績を出してマスタークラスへの昇格の権利を入手するのだ。
ユニットでは、両者のクラスの平均レベルのクラスになるため、ユニットとしての二人はまだスーパーランクだ。
「ということで、今日から練習しよ!」
現在地はチノの家。その一室。そこで二人は練習することになった。
「一先ず、どういったパフォーマンスにするか、ですよね………」
「そうそう。フィアラちゃんのできるパフォーマンスにもよるけどね。ちなみに魔法適性ってどんな感じ?」
魔法適性。パフォーマンスには魔法を用いることが多いため、それが非常に重要となる。
「全部ですね」
「………へ?」
「ですから、全てです。転移魔法を含む全ての魔法を使えます」
その後に呪術は無理ですけど、としっかりと付け加える。
だが、いつまで経ってもチノの反応がなく、それに疑問を持ったフィアラがチノを見ると、
「あ、あれ?チノさん?」
チノは固まっていた。
「チノさん!起きてください!」
フィアラが必死になってチノの肩を揺らすと、チノはハッとなって硬直から解放された。
そしてもう一度笑顔を浮かべながら
「ご、ごめんね。聞き間違えかな?もう一度………」
「ですから、呪術以外は全て使えます」
それを改めて聞いたチノはため息を吐きながらフィアラを見る。
全魔法に対する適性。それは魔導師でも、パフォーマーでも。魔法を用いる人からしてみれば喉から手が出るほど欲しいものだ。
「そんなこと、易々と言っちゃダメだからね?」
なので、一応注意する。
だけど、フィアラが全魔法を使えるのは僥倖だろう。
「でも、フィアラちゃんの使える魔法が全てだったら、パフォーマンスの幅も広がる!私は光と水の魔法しか使えないけど、それを二人で補い合えばきっとすっごく綺麗なパフォーマンスになるよ!」
チノは期待に満ちた目でフィアラを見る。
「大丈夫、でしょうか?」
「大丈夫だよ!トップパフォーマーの私が保証するよ!」
「それは、心強いですね」
「だからさ、二人で一緒に頂点を目指そうよ!」
頂点。パフォーマーのトップ。元々の狙いがそれだったのだ。フィアラとしては、都合がいい。
「はい。頑張りましょう!」
「うん。だから、ね」
チノはフィアラの手を握ると、
「敬語、辞めて欲しいな。これからは仲間なんだし」
「で、でも………」
「いいから!私がいいって言ってるんだよ?」
「………わかった。チノさん………」
「敬称も禁止!」
「わかった………チノ………」
「うん。じゃあ、これからよろしくね!フィアラ!」
チノが差し出した手を、フィアラは一泊遅れてから握る。
ここから新たな関係が築かれた。そう見える光景。
だけど、フィアラの、レベッカの心にはぽっかりと穴が空いたような、そんな感じがした。
Q.賞金っていくらだったの?
A.ノーマルランクは10万円。これを月に2、3回あるからね。毎回一位とったら儲かるし、一位じゃなくても、事務所所属から出るだけで少しお金貰えるから
Q.全部の魔法使えるのって凄いの?
A.凄い。全部の魔法使えるのは、宮廷魔導師と、レベッカ(フィアラ)とアイトだけ。




