42ー投資効果
「イリー、大丈夫か!」
俺は、イリーのもとに駆け寄ろうとしたら、シャルに止められた。
「ハヤミ、行っちゃダメ!麻痺してるだけから」
「麻痺だと?」
イリーを見たら、確かに、ピクピクと動いている。
「そうよ、モスは鱗粉を飛ばして、相手の動きを止める事ができるのさ、勿論、最後は食べられるけどね…」
「空を飛べる癖に、厄介な能力だな…」
弓を取り出し、矢を構える。
「でもコレなら大丈夫だろ!」
矢を放つと、モスの胴体に深々と刺さる、モスは苦しそうに空高く飛び上がっていく。
「ナイス、ハヤミ!」
「いや来るぞ」モスは空に上がってからこちらに急降下してきた。
俺は次の矢を放つ、矢はモスの羽を貫通したが、モスの勢いは止まらない。
モスは、そのまま前回転して足蹴りを俺に食らわせようとしたところをシャルがシールドを片手で支えながら受け止めた。「ぐっ」シャルを吹き飛ばしたが、俺はシャルを後ろから支える。
「ありがとう、シャル」シャルを支えた手をどけたら、シャルはそのまま膝から崩れた。
「シャル?」シャルは痙攣し始めている。
「シャルもか、クソ」モスはその場で飛び続けている。
俺は3度目の矢を構えると、モスは羽を勢いよく羽ばたかせる。
凄い風圧だ、鱗粉らしき白い粉が一緒に飛んでいる、これが麻痺の元だなと思いつつも矢を放った。
矢はモスの腹に再び、刺さった。モスは苦しそうによだれを流している。
「もう一丁!」矢を構え、力強く弾く。モスは、俺の様子を見て、前に飛び込んできた。
俺は構わず、矢を放った!矢はモスの胸に深々と刺さり、モスはぐらつきながら俺に足蹴りを食らわそうとしている。
矢を食らったせいか、モスの動きは遅かった。モスの足蹴りを横にかわして弓を捨てる、そのまま腰の剣を抜きうち際にモスの羽を切り飛ばした。モスは羽の一部を切り飛ばされたせいでバランスを崩して、地面に着地した。
俺は、上段から剣を振り落とす、剣はモスの肩から入り、腹の部分で止まる。モスはグチュっと緑色の体液をばら撒きならよろけて倒れた。
モスはバタンバタンと痙攣していたが、その動きを止めた。
「やった…」モスが止まったのを確認しながら呟いた。
「そうだ、シャル!イリー!」シャルとイリーのもとに向かう。
2人には、水筒の水で顔を洗わせ、鱗粉を取り除くとようやく動き出した。
「ハヤミ助かったよ、でもよく大丈夫だったね?」シャルは、まだ鼻が疼くのか、顔を丁寧に拭いている。
「本当、本当、モスの鱗粉はマスクでもしないと防げないのよ」イリーは、モスの死骸を調べている。
「ああ、戦いに夢中だったから気付かなかったけどね、多分、俺の持っているスキルが発動してくてたんだと思うよ」
『そんなスキルあるの?』
「多分だけどね、俺は状態異常耐性というスキルを持っているんだ、このスキルは、あらゆる耐性があがるスキルだから防げたんだと思う」
『便利なスキルね〜』
「シャルは鼻が効くから、欲しいスキルね〜」イリーは、モスの討伐部位であろう羽を回収して戻ってきた。
「イリー、それを渡しの近くに持ってくるんじゃないよ!」羽にはまだ鱗粉がついてるらしく、イリーが近づくとシャルは逃げていった。
「イリー、その辺で勘弁してやれよ、まったく君達は、困ったもんだ」
『年下の癖に生意気ね』追いかけっこしていた2人は、同時こう言ったもんだから、俺は本当に困った顔をしていたと思う。
「さあ、戻ろう」村長宅に、今日の成果を話をした。
「モスが出たんですか?それでモスを討伐してくださっということですな、本当に助かりました。例年より、ガルの討伐が遅くなったのが原因でしょうが、皆さんにきて貰ったことが救いでしたな」
村長は、大袈裟に俺達を褒めている。今日は、夕食に更に一品おかずが増える事になったのが。
「まだ、モスがいるって事もありえます、明日は皆さんにモスがでた旨はお伝えください」
一応、注意を呼びかけて、家に戻った。
「ハヤミならモスは大丈夫ね!」
「私は、逃げさせて貰うよ」
シャルは、まだ鼻をグズグズさせていた。犬獣人には、キツイのであろう。
「ああ、任せておいてくれ、明日は、ガルの討伐とモスがいないか調べながら散策しよう」
『了解!』
3人で家に帰り、夕食をとって各自部屋に戻った。
ベットに倒れまだ見られない天井を見ながら、状態異常耐性スキルに投資しておいてよかったと思うのだった。
字誤・脱字 お許しください。
・魔物情報
【ヴィートモス】R6、ガルの成虫の姿、空を飛べ、鱗粉を撒き散らす。
ヴィートモスの鱗粉は、麻痺効果があり、耐性がない生物は麻痺を起こす。
対策さえしておけば、それ程、脅威ではないが、突然現れた時などは、パーティが全滅する場合も報告されている。
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