29-準備
翌日、冒険者ギルドに入り、オリドさんを捜すと オリドさんは誰かと喋っていた為、待つ事にした。
しばらく待っていると、オリドさんから声が掛かった。
「ハヤミ!こっちだ、来い!」
「はい!」オリドさんのもとに向かうと、先ほどオリドさんと喋っていた人物もそこにいた。
「ワーレン!こいつがさっきの奴だ、よろしく頼む!」ワーレンさんという方の肩を叩いている。
「ハヤミ、ワーレンだ。オリドからは話は聞いた、護衛任務がしたいという事だったな、オリドには借りがあるんでな、受ける事にしたよ!ま〜よろしく頼む!」
「こちらこそ、ご無理言いまして、ありがとうございます!」ワーレンさんと握手した。
「詳しい話はワーレンとしてくれ!じゃなな、ハヤミ!」オリドさんはそういい去って行った。
「オリドさん、ありがとうございました!」オリドさんの背中に向かい礼をする。
「ハヤミ、君は本当にオリドの言った通りの子だな」
「どういう事ですか?」
「いや、君程の若い子が礼儀正しくて、言葉使いも綺麗なもんだから不思議だなぁという件さ」
「ああ…いやそうですかね〜」苦笑いするしかなかった。
「それじゃ〜此処からは本題だ」
ワーレンさんは腕組みをしながら喋り始めた。
・仕事内容は商人の護衛任務である。
・その商人さんの専属護衛で隊長をワーレンさんがしているとの事。
・護衛はワーレン含めて全部で4人いる。
・護衛対象は馬車2台と商人さんと御者である。
・報酬は飯付きで日当で銅貨50枚である。(魔物などの討伐報酬は護衛人数で割る)
・護衛任務は首都オーランドまでの契約である。
とこんな感じの内容だった。
「この内容で良ければ契約しよう」
「はい、大丈夫です、よろしくお願いします」
契約を水晶で行い、「出発は明日の2の鐘だ、東門で出発だから頼むぞ、ハヤミ」とワーレンさんを改めて握手をした。
オリドさんに改めて礼を言いたかったがいなかったので、今日は買い物をしに行こうと思った。
これからは移動時間がかかるし、買い物をする時間もないと判断した、 買いたい物はまずは防具がほしかった。
流石に洋服だけで冒険するのは危険だと思ったのだ、後衛だからと正直舐めていたのもある。古田の件では逆になくてよかったが肩でなく胸付近にあたっていたらそう思わなかっただろう。
という訳で防具屋を探してみることにした、 しばらくすると防具屋が売っている店あったので、入ってみたら知っている顔がカウンターにいた。
「おうハヤミか~久しぶりだな~」前に私に喧嘩を売ってきたライファーさんだった。
「ライファーさん、防具屋さんだったんですか?」
「ん、言ってなかったか、そうだ、俺は冒険者をやめてから防具屋をやっておるんじゃ、ま〜たまに依頼をだしに行く事があるがの」
「そうでしたか、いや~実は鎧がほしくて防具屋を探していたんですよ」
「そうか、んでたまたま此処にきたという訳じゃな、そういう事なら俺が選んでやろう」
「助かります、防具に関して知識がないもんで・・・」
「うむ、任せろ、お主には迷惑をかけた事もあるしの~」
そういって私の身体を触り始めた。
「なにするんですか!?」触り方が気持ち悪かったので思わず声がでた。
「アホか、そういう趣味はないわい!だいたい身体を触ればサイズからどういう鎧があうか、わかるんじゃよ」
「そうでしたか、すいません・・・あとあまりお金がないんですけどいけますかね?」
「ま~なんとかしてみよう」ライファーさんは私の身体を一通り触った後、裏に下がっていった。
「お主にはこれがよかろう」皮鎧と小手らしき物を持ってきた。
早速、着させてもらった。
サイズは若干大き目だったが胸の部分は鉄らしき部分がついており、肩の部分も柔らかく柔軟性もしっかりしていた。小手も結構な硬度があり、丈夫そうだった。
「どうだ、基本はソフトレザーアーマーで胸当てを別途につけておる、小手はハードレザーをベースにしておる、近接も後衛でもどちらでも動けるだろう?」
「はい!すごくいいですね、これ・・でお幾らでしょうか?」
「気に入ってくれてよかったわい、そうだな銀貨20枚でどうだ」
「相場はわかりませんが結構安くしてもらったんじゃないんですか?」
「ま~本来なら鎧で銀貨30枚、小手で銀貨10枚はほしいとこじゃが、お主にはそれでいい、オリドから色々と話は聞いているからな、選別だ」
「ライファーさん・・ありがとうございます、大事に使わせてもらいます」礼をいい、いつかまた、買いにきますと約束して別れた。
ライファーさんのおかげでいい鎧を手にいれることができた。
この鎧なら弓を撃つにも、剣で戦うにしても自由に戦えるはずだ。鎧は私の成長分も含めて大き目にしてくれたらしい、多少、損傷しても他の防具屋で修復できると教えてくれた。胸の部分を鉄で覆っているのは矢などはあえて避けずに胸で受けろと言われた。矢ぐらいなら刺さることはないとの事だった。下手な部分で受けるよりは胸で受けたほうがいいという事だった。
少し抵抗があるがライファーさんを信じることにして、他にリックサックを選びにいった。
リックサックは弓を担ぐのに邪魔になるので腰回りに巻くタイプを買った、量はそれほど入らないが弓と矢筒を背負っても邪魔にならず剣も携帯できるのでそれを買った。
最後に携帯食料とポーションを買っておいた。
携帯食料はいちを飯付きだと言われたが万が一の事もあると考えた、ポーションはこの前の傷が治ったのを見てあったほうがいいと思ったのだ、 これで一通り揃ったので宿屋に戻り、女将さんに話しをする。
「女将さん、明日ここを出ますね、お世話になりました。」
「いよいよだね、またこの街に来る事があったら来ておくれよ」と宿泊代の残り分を返してくれた。
「いいんですか?」
「本来は戻さないんだけどね、ハヤミ君は手間もかからなかったし、部屋もきれいなままだったからね、これくらいはいいのよ」と女将さんは笑っていた。
「ほんとにお世話になりました。・・といっても今日までお世話になりますが」私も笑っていた。
夕食を頂き、ベットに横になる。
「これでいよいよ、この街ともお別れだな・・」異世界に来て、色んな人と出会い、お世話になった街、いい事、悪い事もあった街だが特別な街でもあった。
また戻ってこようと心に誓うのだった。
字誤・脱字 お許しください。




