アムのナウ・フューチャー?
アム視点、一旦ラストです。
ユリア様の意外な一面を見たあと、お昼ご飯を食べることになりました。
「アムさん、あなたはあっちですよ。」
「え?……あ」
カノンさんの指差す方を見ると、そこには他のメイドさん達が居ました。
「ミハイル様達は私に任せて、行ってきなさい。」
「……はい!」
カノンさんの心遣いに感謝しながら、メイドさん達の所へ向かいました。
……私なんかなの為に送別会を開いてくださって、とても嬉しくて、思わず泣いてしまいました。
送別会が一段落した後……
「……ヒロ様」
「……アムさん」
ゆっくりしているヒロ様を見つけました。
「これから、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくね。」
「私、精一杯頑張ります……だから……うぅ」
ヒロ様の前なのに、涙が出そうになりました。……するとヒロ様は
「……何も言わなくていいですよ……大丈夫です、アムさんなら」
優しくそう言ってくださいました。
「あ、ありがとう、ござい、ます……うわぁぁぁん!!」
気が付くと、私はヒロ様の胸の中で泣いていました。ヒロ様の前で泣いてばかり……そんな私をヒロ様は頭を優しく撫でてくださいました。
……そして
「それじゃあ、そろそろ失礼します。」
ヒロ様が帰ると言うことは、私も一緒に行くということで、王宮から離れることでもあります。
「……アムさん」
私に話しかけてくださったのは、カノンさんでした。
「あなたなら大丈夫です。……頑張ってくださいね!」
「はい!」
私は笑顔で返事をしました。
「それじゃあ行こう、ルーナ、アムさん。」
「うん!」 「はい!」
ヒロ様の後を追うように、王宮を後にしました。
「……ヒロ様、ルーナ様。」
「何ですか?」 「どしたの?」
「お二人はここまでどうやって来たのですか?」
一番疑問になっていたことを聞きました。
「うん?……普通にここまで走って来たけど?…ねぇ、ルーナ?」 「うん!」
「………えぇぇぇぇ!?」
王宮からヒロ様達が居るところは大分距離が離れています。…まさか徒歩できたとは思わず、叫んでしまいました。ヒロ様とルーナ様は互いに顔を見合って「やばかったかな?」みたいにしています。
「アムさんは無理なのか……じゃあ」
ヒロ様はそう言うと、魔法を使い始めました。…すると、一体の小さな狼が現れました。
「アムさん紹介するよ。僕の召喚獣のフェンリルのフェリスだよ。」
(フェリスと申します。アムさん…でしたか?よろしくお願いしますね。)
「……ふぇ?」
小さな狼…フェリス様はテレパシーのようなもので話しかけて下さいました。……私は驚いてしまい、気の抜けた声が出てしまいました。
「……アムさん?」
「……はっ!し、失礼しました。私はアムと言います。よろしくお願いいたします。」
ヒロ様の声を聞いて我に帰った私は、フェリス様に挨拶をしました。
「フェリス。元のサイズに戻ってくれる?」
(分かりました。……フッ!)
フェリス様は一瞬で大きくなりました。……いえ、多分こちらが本来の大きさなのでしょう。
「それじゃあフェリス、乗せてくれる?」
(かしこまりました。……どうぞ。)
フェリス様は伏せをした状態になりました。
「よっと!ほら、ルーナ。」 「うん。…えいっ!」
ヒロ様達は軽々とフェリス様の上に飛び乗りました。
「…はい、アムさんも」
「は、はい!……し、失礼します。」
私もヒロ様の手を掴みながら、フェリス様の上に乗りました。
「じゃあ、僕達の家へしゅっぱーつ!」
「おー♪」 「へ?」
ルーナ様は楽しそうですが、私は変な声が出てしまいました。
「頼むよフェリス。」
(はい。……それでは行きますよ。しっかり掴まって下さい、ねッ!)
ギュン!
と、効果音がつきそうな速さでフェリス様は走り始めました。
「いやっほーい♪」 「わぁ!フェリスちゃん速ーい♪」
お二人は楽しそうですが、私は……
「速すぎですよぉぉ~~~~!!」
必死に掴まることで精一杯でした。
……私、本当にやって行けるのでしょうか?
アム視点だけで、ここまで続くとは……
次回からヒロ視点に戻ります。
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