アムのワズ・ナウ
アム視点です。
移動しているときにも、私は少しドキドキしていました。……他にも同じところに向かうメイドさん達がいたのに……
しばらく歩いて、冒険者さんのいる部屋に着きました。
コンコン……
「ミハイル様、全員揃いましたので、入ってもよろしいでしょうか?」
『あぁ、いいぞ。』
ガチャ…
「失礼します。」 「「「「「「失礼します。」」」」」」
私も皆さんに続いて入りました。
「お、おうふ……」
ミハイル様の隣に居たのが冒険者さん。12歳くらいの男の子でした。
「フフフ、ヒロ君もやっぱり男の子なんだね?」
ミハイル様が悪戯っぽくそういうと、冒険者さん……ヒロさんは顔を真っ赤にしてしまいました。少しおかしくてメイドさん達皆、クスクス笑いました。
…私も笑ってしまいましたが…ドキドキが少し強くなっているのを感じました。
「じゃあ、今から面接をしようか。ヒロ君、大丈夫かい?」
「……ふぅ。…はい、大丈夫です。お願いします。」
ヒロさんの立ち直りの早さに少し驚きつつも、面接が始まったので私達は一旦退室しました。
順番を待っているときもドキドキが止まりませんでした。…ヒロさんのことをよく知りたい…そんなことまで思っていました。
……そして、私の番が来ました
「し、失礼します。」
「あなたの名前は?」
ヒロさんは優しく話しかけてくださいました。
「は、はい。私は兎人族のアム、16歳です。よ、よろしくお願いします。」
でも、私はまだ少し緊張していました。
「僕はヒロです。……まず始めに、僕に雇われようと思った理由は何ですか?」
「は、はい!私はミハイル様に勝ったお方の話を前から聞いていて、どんな人なんだろうと思っていました。ここに来たのは興味本意だったのですが…」
……言っている時に自分でも気づかずにヒロさんに近付いていました。
「ヒロさんに会って、私はビビッと来たんです。この人は、将来すごいお方になるって。だから、そのお手伝いをしたいと思い、雇われたい思いが強くなりました。」
私の言うことに偽りはなかったです。……あのときのドキドキが、この行動を後押ししていたのかもしれません。
「……アムさんの思いは充分伝わりました。……でも、ちょっと近いです。」
「す、すみません!……きゃっ」
ヒロさんに言われて、ヒロさんとの距離が目と鼻の先程しか無いことに気づき、慌てて飛び退いて倒れそうになりました。
「!…おっとと。」
ヒロさんが優しく抱き抱えてくださり、倒れはしませんでした。
「ご、ごめんなさい……私、いつもこんな感じになっちゃうから……うぅ……」
私は恥ずかしさと自分のいたらなさで、しょんぼりしてしまいました。
「良いんじゃないですか?それはそれで。」
「…ふぇ?」
ヒロさんの言葉に私は少し驚いてしまい、ちょっと気の抜けた声が出てしまいました。
「それがアムさんの個性なら、あんまり気にはならないですかね。……それに、結構可愛かったですよ。」
「……!はうぅぅ……///」
ヒロさんは真っ直ぐに私に言葉を紡いで下さいました。……それが本心だと分かり、私は真っ赤になってしまいました。
「……僕はアムさん、あなたを雇おうと思います。あなたとなら退屈しなさそうですし…どうですか?」
「…!は、はい!私でよければ、ありがとうございます!」
ヒロさんとならきっとうまくいく。……何故かそういう予感がしました。
私は嬉しくて思わず泣いてしまいましたが、ヒロさんは優しく私の頭を撫でてくださいました。……私はこの時からヒロさん……いえ、ヒロ様のことが好きになっていたのかもしれません。
ご意見、ご感想できればお願いします。




