ちょっぴりの……
馬車に揺られて、帰って来たのが昼過ぎだった。
「「ありがとうございました!」」
「いえいえ。それでは私はこれで失礼します。」
と言ってメイドさんは王宮に引き返していった。
「さてと、まずは食事かな。」
僕達は屋台のおじさんの所に向かうことにした。
ざわざわ、ざわざわ…………
道を歩いているとき、町の人々の視線がこっちを向いている。その理由は屋台のおじさんの所に着いた時に分かった。
「おじさん、いつもの2本下さい!」
「おう!……お、坊主じゃねぇか。お前今町のやつらの噂になってるぞ。『王子様に勝った男』ってな。」
「なるほど…。」
だから町の人たちに見られてたのか。予想はしてたけど、ここまでとは思わなかったよ。
「ヒロ、凄いね!有名人だよ!」
「あはは。まぁ、悪くないかな。」
ルーナはまるで自分の事のように嬉しそうにしている。
「相変わらずお熱いなお前ら!……ほれ、出来たぞ。」
「…ありがとうございます。」
やっぱり屋台のおじさんにはかなわないなぁと思いながら串を受け取った。
「はい、ルーナ。」
「ありがと、ヒロ//」
案の定、ルーナの顔は真っ赤である。…可愛い。
なんて事がありつつ、串を食べ終えて屋台のおじさんと別れた後、適当に町をぶらつくことにした。
町をぶらつきながら、僕はあることを考えていた。
「うーん……」
「ヒロ?」
「……よし、決めた。まずは家を買おう!」
「どういうこと?」
説明してよ、と言いたげな顔で見ているルーナに僕は説明することにした。
「うん。僕達の目標は世界中を旅することでしょ?だから、まずは拠点になる家を買おうと思ってね。宿じゃ宿泊代がかさむし、ルーナと一緒に行動できないしね。」
「……え?ちょっと待って。ていうことは……」
「うん!ルーナと暮らしたいんだ!」
僕の発言がルーナに浸透するまで、3、2、1……
「……ふえぇぇぇぇぇ!!!?」
その声は今まで聞いてきた中で一番大きかった。近くにいる人達も「どうした!?」と言わん顔でこっちを見ている。
「はわわ……わ、私がヒ、ヒロと一緒にく、く、暮らす!?はうぅぅぅ……//」
ルーナは真っ赤な顔であわあわしている。……正直ここまでとは思わなかったよ。
「ルーナ!」
「ひゃ、ひゃい!」
めっちゃ噛んでる。……まぁ、いっか。
僕は意を決して、笑顔で言葉を紡いだ。
「僕はルーナと楽しく過ごすって決めたんだ。だから…一緒に暮らしてくれる?」
それを聞いたルーナは真っ赤な顔のまま、笑顔で
「…うん!私もヒロと一緒に暮らしたい!だから…よろしくお願いします!」
「…!あ、ありがとう、ルーナ!」
こうして僕達は新しい一歩を踏み出した。
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