王宮で(前)
「ところで、今何時かな?」
ルーナが泣き止んだ後思い出したように呟くと、そっと見守ってくれていたであろうメイドさんが教えてくれた。
「今は朝の7時ごろです。」
「うぇ?」
確か王子様と会ったのが昼過ぎだったから……うわぁ、半日ぐらい眠ってたのか!
ぐうぅ~…
「……お腹空いたなぁ……」
気付いたらお腹が空きました。
「朝食の準備は出来ておりますので、お食べになりますか?」
「いいんですか?是非、お願いします。」
「かしこまりました。それでは、着いてきてください。」
と言ってメイドさんは僕達を手招きした。僕達はそれに着いていった。
「あのー、何処にいくんですか?」
「はい。ミハイル様やユリア様がおられるホールになります。」
「で、ですよねー…」
やっぱりそうなりますか!まぁ、予想はありましたけど。
「…………」
ルーナは緊張しているのか、僕の腕にしがみついてきた。耳と尻尾もピーンとしている。
「……大丈夫だよ。」
「うん…ありがと、ヒロ。」
僕が頭を撫でると少しは緊張がほぐれたのか、笑顔でそう言ってくれた。
「……はい、着きましたよ。」
メイドさんに言われて僕達は少し気を引き締めた。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。さぁ、行きましょう。」
そのまま僕達はメイドさんに続いて部屋に入った。結構広くて、五十人くらいは入りそうだ。
「!ヒロ君にルーナさん。待っていたよ!」
そう言ってくれたのは王子様である。王子様の隣に王女様。正面の方に威厳がある男の人、その隣に優しそうな女の人が居る。
「君がミハイルの言っていたヒロ君だね。そちらはルーナさんだね。私はクライス・フォン・レリヘンフェルト。この国の王をやっている。こっちは妻の……」
「レミリア・レリヘンフェルトです。よろしくお願いします。……さぁ、二人ともお座りなさい。」
男の人は王様で、女の人は王妃だった。
「は、はい。失礼します。」 「失礼しましゅ。」
あ、ルーナが噛んだ。やっぱり緊張するよねー。国のトップの人達の前だもの。
「ははは。そんなに緊張しないでくれ。……さぁ、いただこうか。」
王様がそう言うと、メイドさん達が食事を持って来てくれた。
「いただきます。」
「「「「「「いただきます。」」」」」」
王様がいった後、僕達は一斉に言って食べ始めた。出された食事は高級レストランで出てきそうな豪華なものだった。
「……美味しい!」
それぞれ色んな味がして、飽きのこないようになっている。
「ヒロ、これも美味しいよ!……あ。」
ルーナは王様達の前なのを思い出してか、顔が赤くなった。
「うふふ。そんなに美味しそうに食べてくれるならいいわよ。」
王妃様はそう言って微笑んでいる。
「ヒロ君、体調はもういいのかい?」
そう聞いてきたのは王子様である。
「はい。今は何ともないです。」
「そうか、それは良かったよ。…で、何で倒れたか分かったかい?」
「はい。……あまり確証はないですが、『ゾーン』かと思います。」
「『ゾーン』?それはなんだい?」
王子様を初め、皆が僕の説明を待っている。
「えっとですね……」
僕は自分の知りうる限りの『ゾーン』について説明した。
「へぇ、そんな状態になるのか。…なら倒れるのも分かるな。」
王族様達は皆へぇ~みたいな顔をしている。
「ヒロ、凄いよ!そんな状態になれるなんて!」
「あはは。……まぁ、最初だったからぶっ倒れちゃったけどね。」
キラキラした目のルーナに言われて、僕は恥ずかしさを隠すようにそう言った。
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