メイドさんと現状把握 ルーナの……
「……知らない天井だ……」
お決まりみたいなセリフを言いながら、僕は目を覚ました。……実際、本当に知らない部屋にいるんだもの。
「……ヒロ様、お目覚めですか?」
「え?……うわぁ!?」
声がする方に顔を向けると、綺麗な女性のメイドさんがいたから、僕はびっくりして慌てて飛び退いた。
ゴンッ!
「いったぁ!」
いてて……頭ぶつけたよ。
「す、すみません。びっくりされましたよね?」
「は、はい。……ところでここは?」
ちょっと落ち着いてきた所で僕は部屋を改めて見渡しながら、メイドさんに聞いてみた。……なんか凄い豪華な部屋だけど……まさか!?
「はい。こちらは王宮の客人の部屋になります。」
「…………えぇぇぇぇぇ!?」
王宮ですかーい!!!……なんかとんでもないところにいるなぁ。
「……あ、あれ?何で僕はこんなところにいるんだ?」
「それはですね。ミハイル様のお話によると『僕と手合わせしてくれた子だけど、手合わせの後に気を失ったからここまで運んできた。』だそうです。」
「は、はぁ…」
そういえばそうだったような……
「ヒロ様、少しの間失礼しますね。」
「え?あ、はい。」
メイドさんはそう言うと一旦部屋から退室した。
(王子様と戦っているときのあの感覚。……ギルドカードに新しい事は書かれてない。……ということはスキルじゃない?……はっ!?もしかして『ゾーン』みたいな事が起きたのかな?)
『ゾーン』……一部の限られた人しか入れない。バスケットのリングが大きく見えたり、ピッチャーの投げた球がゆっくり見えたりする現象。極限の集中状態。
(『ゾーン』なら説明はつくなぁ。初めてで頭と体の負担が大きかったんだろうなぁ~。……まさか自分がそういう類いに入るとは思わなかったよ。)
そういった考察をしていると部屋の扉がノックされた。
『ヒロ様、入ってもよろしいでしょうか?』
聞こえてきたのはさっきのメイドさんの声だった。
「いいですよー。」
僕がそう言うと同時に扉が開いて、誰かが僕の方まで突っ込んできた。
「ヒロ~!」
「おわっ!……ル、ルーナ?」
突っ込んできたのはルーナだった。
「心配したよ~!いきなり倒れちゃうんだもん!」
そう言うルーナは涙目だった。
「……心配かけてごめんね……」
そう言って僕は、ルーナの頭を優しく撫でた。
「ひっく……うわぁぁぁん!ヒロ~!良かったよ~!」
ルーナが泣き終わるまで、僕はずっとルーナの頭を優しく撫で続けた。
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