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辺りは面白い位に真っ暗で何にも見えない! 私は携帯を取り出して懐中電灯代わりに辺りを、照らす。
まさか、こんな所で私達に性的暴力を加えようなんて輩が登場する筈も無いが、…
萱島:「こわいこわいこわいこわいこわい…、」
親友が私よりもパニクッてくれるから、お蔭で私は冷静を保ち続ける事が出来る!
私は親友を半分抱きかかえながら、書庫を出て。 廊下の電燈スイッチを操作しても、…
蛍光灯が点く気配は無い。
目を開けてるのか開けてないのか分かんない位、真っ暗だった。
藤森:「停電?」
萱島:「ブレーカー落ちたんとちゃう?」
暗闇が「しん」と音を立てて私達を包み込み、…やがて、闇に慣れた瞳で、私は、一筋の光を見つけ出す。
藤森:「あの光は、何?」
ほんの微かに、少し離れた別の部屋のスチールドアの隙間から、…光が漏れている。
私は近付いて行って、そっと、ドアノブを廻してみるが、 …当然の如く、鍵が掛かっている。
でも、どうして停電?なのに、ココだけ電気が点いてるの?
私はドアに耳を当てて、じっと、…息を潜ませてみる。
声が、微かに話し声が? 聞こえる? …低い、男の、声だ。
一体それは、生者か、この世に未練を残す者か、或いは別の世から来て良からぬ事を企む者か、…
低い声:「…一刻を、…残りの、…、」
萱島:「ねえ、かえチャン! もう帰ろうよ~、」
藤森:「しっ!」
低い声:「…閉じ込め、…早く、…生徒を、…ヨリマシ、…」
何を、…言ってるんだ?!
守衛1:「おい! …大丈夫か!」
藤森/萱島:「ひゃーーーーーーーーーーーーーー!」
不意に、背後から声がして、思わず私まで、びっくり声を上げてしまった!
低い声:「其処に誰か居るのか!」
不味い!
中の奴に気付かれた? 私は、親友の腕を引っ張って一目散に廊下を走る!
懐中電灯を持って降りてきた守衛をあっと言う間に突破して!(注、恐らく停電で心配して見に来てくれたのだろう)
萱島:「きゃーーーー!」
藤森:「ぎゃーーーー!」
叫びながら、階段を駆け上る! 地下一の階段は、何故だか地上の二階分の段数がある。
地上に続くドアを潜り抜けて! 守衛さんを置いてけぼりにして! 思いっきり闇に続く扉を閉める!
不味い、不味い!不味い! 何か、とんでもない事が、この学校で、起きてる? 起ころうとしてる?




