第28話 二人は〇〇〇
どうにかこうにか立ち上がった虹橋は小刻みに飛び上がり始めた、にこにことその姿を見ている東名と、恨み言を言っている虹橋をみて不思議に思ったのか碧は、
「なんで飛んでいるんですか」
と男性にしかわからない行為を理解出来ないでいるようだった、東名と虹橋は顔を向き合わせた後で、
「ニュートンの法則・・・みたいな物だよ、理解する必要は無いけど」
少女の前で股間を押さえる事が出来ずにもじもじとしている虹橋が答えた、相変わらず東名はにやにやとしている。
虹橋は動いていた物がようやく落ち着く場所に戻ったのか、腰を叩きながら東名の胸に軽く拳で殴りつけ、
「いくら何でもにやにやし過ぎだよ、もっと先輩を敬えよ」
「いやいや尊敬していますって、それにね世の中には反面教師という言葉もありましてね」
そう言いながら東名は、落ちていたサングラスを拾い上げ埃を払った後で虹橋に渡した、
「まったく相変わらず冗談がきついが・・・」
「きついが・・・なんです?」
言いかけた言葉を途中で止めた虹橋を不審に思ったのか東名が聞き返すと、
「冗談がきついが俺の尾行に気付いてたのはさすがだなって、全く忌ま忌ましい奴だ」
「ありがとうございます」
にこにこしたまま東名は、右手を頭にのせて頭を下げた、
「褒めてねーよ、ちくしょう社長の命令だから尾行したのに骨折り損だったわ」
サングラスをかけなおして虹橋がそう言った、それを聞いた東名はにこにこしていた口がへの字に曲がった。
「体が浮き上がるくらい思いっきり蹴らないと、もしこの不審者が拳銃を持っていたら危なかったぞ」
東名は再び蹴り真似をし始めた碧に声をかけた、練習熱心なのは良い事だが、それが何なのかは問題だと思う。
「ああそうか、この前はナイフだったもんね」
「そうそう、まともに動けなければナイフで襲われることは無いけど、拳銃相手じゃあそうはいかないから」
そう言って少し考えた後で東名は、
「覚えておいて役に立つかどうかは・・・甚だ疑問だけどな」
「まあ・・・そうだよね、普通の女子高生だしあんまり関係ないよね」
仲良く会話している二人を訝しんだのか虹橋は、
「トーメー、なんか二人は仲良しみたいだけど、いくら何でも女子高生はまずいだろ」
虹橋の言葉に、東名と碧は顔を見合わせたあとで同時に、
「違う」
と答えた。




