3章2節
緋音は街を出て、森の前に来た。
「ここがベトスの森……って私が最初にいた森じゃん!」
緋音は魔法の鞄から杖を出して手に持つ。
そして、森へと入って行く。
森の中は陽光が降り注いでいて明るい。ときおり風が吹き、木の葉が揺れる。
突然、少し離れた所の草がガサッと動いた。
姿を現したのは、額から一本の角が生えた兎――アルミラージだった。
「うさぎさん発見!」
まだこちらに気づいた様子はない。
緋音は杖をアルミラージへと向ける。
「火球」
魔法陣が現れ、火球がアルミラージへと飛んでいく。
(あれ……あの時と、違う……)
緋音には使った魔力が少ないような感覚がした。
「ステータスオープン」
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[名前] 藤綿 緋音
[年齢] 17
[レベル] 5
[職業] 魔法使い
[HP] 200/200
[MP] 297/300
[属性] 火
[スキル] 燭光 鑑定 身体強化 火球
[状態] 通常
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「レベル上がってる……あの魔物ってそんなに強かった……? まぁ、最初だから上がりやすいのかな」
緋音はMPを見る。
「MPは……めっちゃ増えてる! HPも増えてる! ……やっばり、3しか減ってない。これが杖の力……!」
また同じ場所で草が動き、2匹のアルミラージが姿を現した。
すぐに緋音に気づいた2匹は襲いかかろうとする。だが。
「火球」
その小さな体では速く走れない。
緋音の火球の方が先にアルミラージへ到達した。
2匹は近くにいたため、1発の火球でまとめて倒せた。
その直後に5匹のアルミラージが現れた。
今度はそれぞれが距離をとっている。
「火球」
緋音は、1回の詠唱で5発分の火球を作った。
火球がそれぞれ別のアルミラージへと飛んでいき、倒した。
その後は現れなかった。
◇◇◇◇
8匹のアルミラージを魔法の鞄へとしまった。
「ほんと、この鞄ってどういう仕組みなんだろう? 依頼分は倒せたから街に帰ろっ!」
緋音は歩きながら、昼食としてサンドウィッチを食べた。
食べ終わった時、背後でガサガサと音がした。
緋音は振り返りながら、杖を構える。
姿を現したのは、3つの頭を持つ大きな犬――。
「ケルベロス!?」
緋音はすぐに、近くの木陰に隠れた。
辺りは木の葉に陽光が遮られて薄暗い。
「アレは絶対にヤバい! でも……何の根拠もないけど、倒せそうな気がする!」
緋音は隠れたまま、更に離れてから陰から出た。
「さぁ来い、ワンちゃん!」
「火球」
5発分の火球を作り、ケルベロスに向けて飛ばす。
だが、びくともしない。
「それならっ!」
魔力を込め、より大きな、威力の強い火球を作る。
10発分の火球がケルベロスへと飛んでいく。
難なく躱されたが、数発が首付近に着弾。
3つある首の1つが火球により焼け落ちた。
その首を気にする素振りも無く、ケルベロスが一歩ずつ緋音の方へと近づいてくる。
「もっと、威力を上げる!」
さらに威力の強い火球を20発作り、飛ばす。
今度はほとんどの火球が首へと飛んでいき、首が1つ消し飛ばされた。
緋音を戦える相手と判断したのか、2つも首を落とされ怒り狂っているのか、ケルベロスは緋音の方へ――アルミラージとは比べ物にならない速さで走ってくる。
「身体強化」
緋音は身体強化を使い、走る速度を上げてケルベロスから逃げる。
(このまま逃げようかな……ううん。私は諦めない! 威力を上げてもダメ……なら!)
緋音は止まり、ケルベロスに対峙する。
まだ距離はあいている。
緋音は杖を構え、大きく深呼吸をする。
「火球」
ケルベロスと同じ大きさの、威力を更に強めた火球をケルベロスの頭上で作った。
それは、速度をあげながら落下する。
そして――ケルベロスの最後の首が胴体から離れ、倒れた。
「前から火球を使えば相手にもバレる。なら、上から落とせば良い!」
ケルベロスはずっと緋音を、火球を見ており、上や後ろは死角になっていた。
さらに、火球を大きくすることで躱されないようにした。
緋音はケルベロスを魔法の鞄にしまった。
「今度こそ、街に帰る!」
その後は魔物に遭遇することなく、緋音は森を出て、街へと入った。
戦闘シーンを書くの苦手でした……。これから頑張ります。
お読みいただきありがとうございます。
次回更新は5月9日(土)です。
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