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4章2節

 午後からは、他のペアと2組で模擬戦を行う。

 緋音たちの最初の対戦相手は、冒険者の剣士と学院生徒の魔法使いのペア。


「アカネ。ボクが2人の前に走って行って気をそらせるから、その間に魔法を当てて」

「分かった!」


 両ペアとも作戦を立て終え、2人並んで向き合って立つ。

 まず始めにコリウスが、それと同時に相手の剣士も動き出す。

 コリウスは姿勢を低くして、魔法使いへと近づき、短剣を振り上げた。

 しかし、それは抵抗(レジスト)に弾かれ、コリウスが一歩後ろに下がった。


「火球(ファイア・ボール)」


 だが、コリウスに視線がいった一瞬の隙をついて、緋音は魔法使いの頭上に火球を展開した。

 火球は結界に吸収され、魔法使いの腕輪が赤く光った。

 残った剣士が緋音に走り寄る。


「抵抗(レジスト)」


 前方に抵抗を展開して、横薙ぎにされた剣を弾いた。

 緋音は先ほどと同じように火球を展開するが、剣士は横へ移動して回避。

 その瞬間、剣士の腕輪が赤く光った。

 後ろを向けば、コリウスの短剣が首元に当てられていた。


「勝ったよ、アカネ!」

「勝ったね、コル!」


 嬉しくて、やった〜、とつい2人は手を掲げて打ち合った。


「2人とも凄い連携だね」

「ありがとう。楽しかった」



 ◇◇◇◇



 相手のペアとは別れ、また別のペアと模擬戦を続ける。

 今度は、学院生徒の槍使いと冒険者の弓使いのペア。


「さっきと同じで良い?」

「うん」


 緋音が尋ねれば、コリウスは頷いた。

 弓使いが矢を番える。槍使いは数歩斜め前、弓使いを守る位置に立った。

 コリウスが走り出すと同時に、矢が放たれる。

 1本目は外れたが、すぐさま2本目が跳んでくる。

 それを短剣で弾き、弓使いに近づく。

 槍が彼女の方を向く――。


「火球(ファイア・ボール)」


 槍使いの頭上に火球が展開。

 槍先が上を向き、火球を突いた。

 それが消えると同時に、火刃が弓使いを薙ぐ。

 弓使いの腕輪が赤く光り、残りは槍使い1人になった。

 コリウスが槍使いに走り寄るが、短剣では相手が悪く、数度槍を振るわれただけでコリウスの腕輪が赤く光った。


「アカネ、後は任せた!」


 緋音は頷くと、槍使いの頭上に薄く火球を展開する。だが、先ほどと同じように槍に突かれて消えた。

 新たな魔法を使うより前に、走り寄って来て槍が突き出される。

 それを抵抗で弾きながら、槍使いの背後と左右に火壁を展開。

 壁を消すべく槍を横に向けた瞬間、上から火球を落とした。

 ぶつかる寸前で結界が火球を吸収し、槍使いの腕輪が赤く光った。


「負けちゃった〜!」

「みんな、お疲れ様」


 弓使いがそう言いながら片手を出してきたので、緋音とコリウスは順に握り返した。


 その後もいくつかのペアと模擬戦を行い、緋音はその全てに勝利した。

お読みいただきありがとうございます。

次回更新は10月3日(土)です。

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