5章
投稿済みのエピソードにて一部変更を行いました。(2026年10月)
変更点
1幕4章2節(通算11ep目)ダンジョン内でのベルキアの戦闘後のケイのセリフ。
レニアの矢は指輪型の魔法の鞄からだ
↓
レニアの矢は魔法の鞄と繋がっている指輪型の魔法具からだ
合宿最終日の5日目。
今日も早朝に緋音はコリウスに起こされた。
「今日は絶景見れるかな?」
「今日こそ見たいっ!」
昨日までと同じように、少し冷たい空気の森の中を並んで歩いて進み、丘の上に出た。
「わぁ……!」
目の前には、一面の雲海が広がっていた。
昨日まで見えていた木々は、真っ白な綿に隠されている。
しばらく2人は、静かにその光景を眺めていた。
やがて昇ってきた陽光で黄金色に染められ、幻の海は薄くなり、消えていった。
「すっごい絶景だった!!」
「でしょ〜! やっと見れて良かった」
◇◇◇◇
いつもの広場へ行き、ベクルが台に乗って話し始める。
「ついに合宿の最終日になった。今日はこの森に放たれている魔法具の魔物を、ペアで協力して倒してもらう。どれだけ倒したかは、腕輪が数える。昨日と同じように、2人とも腕輪が赤く光ったら、その時点でこの広場に戻ってくるように。終了の合図には笛を鳴らす」
ベクルはそこで言葉を切ると、全員を見渡してから言った。
「それでは、始めっ!」
その号令で一斉に走り出す。
「アカネ。ボクたちも行こう!」
「うん!」
緋音とコリウスも森の中へと走って行った。
しばらく進むと、近くの草が揺れているのが見えた。
「コル。ちょっと上から火球落としてみるね」
緋音は杖を揺れる草に向け、火球を放つ。
火球が落ちた直後、草の動きが止まった。
コリウスが短剣を構えて静かに近づき、草の陰を見る。
「アカネ。アルミラージみたいな、うさぎの魔物だよ。もう倒れてる」
コリウスの横にある草が再び揺れた。
彼女は短剣を振りかざし、一閃。
「2匹目!」
「このまま、どんどん倒しちゃおう!」
2人の前で倒れている2つのうさぎ型魔法具は、しばらくすると黒いもやになって消えた。
その後も森の中を進み、スライムやゴブリン、オークのような魔物の形をした魔法具を倒した。
「ねぇ、コル。あれって何だろ?」
「オーガ、かな……?」
遠くの方に、角が生えた二足歩行の魔法具が見えた。
「ボクが引きつけるから、その隙に攻撃して!」
「うん」
コリウスが短剣を片手に、素早く駆けていく。オーガの背後で跳躍。
その首を軽く切り込むと、地面に下り立ち、そのまま走って行く。
その後をオーガも追いかける。
「火球」
緋音の詠唱とともにオーガの頭上に魔法陣が展開され、大きな火球が現れた。
火球はオーガへと落ちていき、焼き尽くした。
黒いもやになって消えたのを見てから、コリウスが戻ってくる。
ぴぃ――、と笛の音が森中に響いた。
「終わりの合図だね」
2人は並んで広場へと戻って行った。
◇◇◇◇
広場に行くとエイラが来て、腕輪が測っていた倒した魔物の数を確認した。そのときに腕輪を返す。
結果は、20体。
その間も続々と戻って来て、全員が広場に集まるとベクルが台に乗って、最後の挨拶をする。
「これで5日間の合宿は終了だ。良く頑張った。お疲れ様。そして、この経験が今後に生かされることを願っている」
馬車が来るガラガラという音が、コリウスとの別れの時間が迫っていることを緋音に知らせる。
「アカネ。王都に来たら、また会おう!」
「うん! それじゃあ、魔石持って行くね!」
馬車が来た。
それに学院生徒たちが乗り込む。
「またね、アカネ!」
「またね、コル!」
お読みいただきありがとうございます。
これにて、2幕―合宿編―は完結です。
次回更新は10月10日(土)です。
2幕キャラ紹介をします。
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