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情報収集→何故か襲撃される、という何時もの流れ

 連中の事をつぶさに観察していると、一人の男が一歩前へと進み出てきた。こいつがリーダーかな?

「あんたらが、この町を嗅ぎ回ってるって噂の奴らか?」

 何と白々しい台詞だろうか。全て分かっていて俺達の前に現れたくせに。

 まあいい。折角だ、その茶番に付き合ってやるとするかな。

「仮に、貴方の言う通りの者だとして、それがどうしたというのですか?」

「なぁに、ちょっとばかし痛い目に遭ってもらうだけさ。悪く思うなよ? 上からの指示なんでね」

 上からの……ねぇ。

「私達は、この国の人間ではありません。ですので、この国の事を知りたいと考えるのは、当然だと思いませんか?」

 ふむ……そろそろ頃合いか。だが念の為だ、もう少し時間を稼ぐとしますかね。

「おいおい、嘘は良くねぇなぁ。お前たちが調べていたのは「あの御方々」についてだろ?」

 う~む、何という模範的なチンピラだろうか。次から次へと重要な情報をペラペラと喋って……もっと喋ってくれないかな?

「それにしたって、これだけの大人数で押しかけてくることはないでしょうに」

「その辺の事は、俺の知ったこっちゃねぇな。俺たちはただ、言われた通りの事をするだけさ」

 そう言って男が右手を上げると、後ろに控えているチンピラ集団が武器を構えた。

 やれやれ、せっかちな連中だな。だが、十分に時間は稼げたな。

 俺は茜色に染まる空を見上げながら、口角をつり上げたのだった。

「あん? なに笑ってんだよ? この状況が理解出来てねぇのか? それとも恐怖でイカれちまったか?」

 俺が笑った理由? そんなのは決まっているだろう?

「なに。俺の思い描いた通りに、物事が進んでいるのでな。さて、十分時間も稼げたし、そろそろ決着を着けようか」

 その言葉を合図に、ソニア、椿、アルメリアが己の武器を構え、戦闘態勢に移行する。

「バカか? この人数相手にやり合おうってのか? まあ、それしかねぇか」

「いや、人数は問題にならないな。お前達の敗因はたった一つ。俺達の事を良く知らなかった……それだけだ」

 ドサッ、ドサッ。

 その時、連中の後方から何かが倒れる音が聞こえてきた。

「な、何の音だっ⁉」

 リーダーの男が、慌てた様子で後ろを振り向いた。

「い、いきなり仲間が倒れました! それも四人!」

「何だと⁉」

 リーダーの男が驚き戸惑う中、再びドサッと何かが倒れる音が響き渡った。

「なっ、何が……?」

 ふふふ、流石の手際だ。さて、俺達もいくとしますか。

「各員、戦闘開始! 出来るだけ生け捕りにしろ!」

「「「はいっ‼」」」

 俺の掛け声と共に、妻達が散開しゴロツキ連中を打ちのめしていく。

「観念するでござるよっ!」「おらおらっ! 大人しくやられちまいなっ!」

 椿とアルメリアが、「鞘」に入ったままの刀とサーベルを振り回している。俺の指示通りに頑張っているな。

「ふっ‼」

 この勢いに乗じて、俺も目の前に居るリーダーの男目掛けて、槍の石突き部分を繰り出す!

「……ガッ⁉」

 俺の繰り出した石突きが、男の鳩尾にクリーンヒット。男が大きく吹き飛び、広場に倒れ伏した。

「そぉれっ!」

 そして、トドメの一撃と言わんばかりに、ソニアがこぶし大の「石礫」を敵密集地へと放ち、大半のゴロツキがその餌食となった。

 ……あいつら、生きてるよな?

 少し心配になったが、そこは魔法のエキスパート。ソニアの見事な力加減で、死者は一人も出していない模様。

 これで戦況は決まったな。ゴロツキの大半がやられ、残った奴もやられた仲間の事などお構いなしに、逃走を始める始末。

「やれやれ、逃げられると思っているのか? もしそうなら考えが甘すぎるぞ?」

 逃げ惑うゴロツキだが、少し逃げた所で突然気を失い、地面に倒れ伏すのだった。

 ゴロツキ共の背後、そこに突如として現れた人影が二つ。その正体は、

「おっ待たせ~、だーりん♪」

「ご無事で何よりであります」

 元気に決めポーズをとる桔梗と、油断なく大型ナイフを構えているリコリスだった。

「時間通りだよ、何も問題無いさ。そちらも無事で良かったよ」

 これで全員集合だな。ちなみに、先程突然ゴロツキがバタバタと倒れていたが、それらは気配を消して近付いていた桔梗とリコリスの仕業だったのだよ。

 ゴロツキの影に隠れていた桔梗とリコリスの姿を偶然にも発見してな。それ故に、茶番で時間を稼いでいたのだよ。彼女達も俺の意図を察して、完璧な仕事をしてくれたよ。

「それで殿。この狼藉者達はどうするのでござるか?」

 気絶しているゴロツキ共を、一か所に集めていた椿がそんな台詞を口にした。

「少しばかり『お話し』をしようと思ってね。その間、見張りを頼む」

 気絶しているゴロツキ共の手足をロープで縛り、動けない様にする。目が覚めた後、暴れられると面倒だからね。

 俺は気絶しているリーダーの男に近付き、「スタンガン」程度の威力に調整した雷魔法をぶつけた。

「……うおっ⁉ いてて……な、何が起きたんだ?」

 気付けの一撃が効いたようだな。リーダーの男が目を覚ました。

 さあ、楽しい楽しい『お話し』の時間だ。


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