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プレイナールの会談とその報告

 プレイナールの町へとやって来た俺とソニア。町中は相変わらず閑散としているな。それも、交易路が復活すれば多少なりとも改善する筈だ。

「久しぶり……と言う程、時間は空いていないか。二度目となるが、プレイナールにようこそ。レオン君と奥方殿」

 プレイナールに到着し、領主に会いたいと町の門番に申請すると、間髪入れずに領主の館の中へと案内された。おいおい、大層なVIP待遇じゃあないか。そしてそのまま待たされる事無く、グリーン男爵との会談と相成った訳だ。

「はい。ご無沙汰しております、男爵様。約束通り、早めに戻って参りましたよ」

 互いに再開を祝して、固い握手を交わす。挨拶もそこそこに、俺達は「交易路復活」についての協議を開始する。

「先ずは礼を言わねばな。ありがとう、君達のお陰で我が国の情勢も、落ち着きを取り戻しつつあるよ。王都に居ついていた避難民も、徐々に国元に帰っているそうだ」

「そうですか。それなら我々も頑張った甲斐があるというものです」

 俺達の頑張りもそうだが、何よりクライン王の態度が一番の要因だろう。彼が早々に戦争の停止を宣言したからな。それで各国との停戦交渉がスムーズに行われたのだ。

 もしも、クライン王が意固地になり、戦争継続を主張していたとしたら……想像もしたくない。

「しかし、落ち着きを取り戻したとは言え、完全に元に戻るには時間が掛かるだろう。早くても一か月、遅ければ半年だ」

「成程。我々の方は既に準備段階に入っています。後は具体的な日にちを設定するだけで、各国が動き出しますよ」

「ふぅ……南の動きは早いな。羨ましくなるよ。いや、愚痴を言っている場合ではないか。儂の持てる力を全て使って準備をすると誓おう。準備は一か月で終わらせてみせるさ」

 そう宣言するグリーン男爵。その瞳の奥に「炎」のゆらめきを見た気がする。

「では、本格的なお話は一か月後、という事で宜しいですか?」

「ああ、それでよい。何度も往復させて済まないな」

「いいえ、それが私の役目ですので。それでは、また一か月後にお会いしましょう」

 俺はグリーン男爵と握手を交わして、領主館を辞した。

「何も決まらなかったけどぉ、これで良かったのぉ?」

 領主館の外に出ると、ソニアがそんな事を聞いてきた。

「何も決まらなかった、なんてことは無いよ。しっかりと「一か月後にまた会う」と約束を取り付けたではないか」

「でもぉ、それって何も進展していなって言わないかしらぁ?」

個人間(こじんかん)の約束事とは訳が違うのだ。国と国との交渉事となると、あんなものだよ。これでも早い方だと思うぞ?」

 ソニアは優秀な「魔術師」ではあるが、こういった交渉事には不慣れだ。その所為だろう、今回の決定に進展が無く歯痒い思い……いや、もどかしさを感じてしまったのだろう。

 まあ、それは俺も同じ思いだがね。元の世界でも良くあった事だ。慣れ、だよなぁ……。

 

 グリーン男爵との会談の結果を、ガルド王に伝える為に王城へと向かった。

「……そうか、報告ご苦労さん。一か月か……こっちもそのつもりで準備を進めておくぜ」

「お願いします。話は変わりますが、例の「魔石買い占め」について、何か進展はありましたか?」

 俺のその言葉を聞いて、ガルド王が眉間に皺を寄せた。

「それなんだがよぉ……どうやら俺達が色々と探ってるのがバレたらしくてな。奴さん、買い占めを止めちまったみたいなんだよ」

 何だと? それはつまり、

「先手を打たれてしまった、という事でしょうか?」

「恐らくな。エフィルディスも頭を抱えてたしよ、手掛かりが無くなっちまうってね。ど~したもんかね?」

 その原因の一端は俺達にもある。どうやら俺達は『魔導を極めし侵略者(アビス・ディザスター)』の連中に注目され、更に警戒もされているそうだ。

 そんな俺達が本拠地としているシャムフォリア王国で今後も活動するのはリスクと考えたのだろう。何処で自分達との繋がりが露見するか分からんからな。妥当な判断と言えるか。

「その事ですが、連中の性質を考えると今後も大量の魔石を必要とするのは必定です。シャムフォリアで手に入らない分は、どこか別の場所で手に入れようとする筈です」

 連中の研究や発明も、まだまだ道半ばである筈だ。連中にとって魔石は重要な資源であろう。ならば、必ずどこからか調達するに違いない。

「……そうは言うがよぉ、魔石なんてダンジョンがあれば手に入るんだぜ? まさか世界中のダンジョンがある町を監視しろって言うんじゃねぇだろうな?」

「そこまでは言いませんが、それでもやれる事はやりませんと。差し当たり、魔石を多く輸出している国や町を調べるのが良いでしょう。魔石の輸出量が多い町から買うのが、一番効率的ですからね」

 リスク分散の為、色々な場所から魔石を仕入れているとは思うが、それでも大量に購入できる場所は優先度が高いと推察する。その線からならば、何か情報が得られるやもしれん。

「はぁ……それしかねぇか……分かった。エフィルディスにはそう伝えておく。今日はありがとよ」

 諸々の報告を終えた俺達は、その後速やかに我が家へと帰還する。今日は寄り道無しだ。この後も予定が詰まっているのでね。


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