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未知のダンジョンを探索してみよう

 道中は特に何事も無く、俺達は近場の森に到着した。

 そこから少し奥に行った岩場に、不自然に穴が開いた崖が見えた。随分と大きな穴だ、あれが入り口か?

「ここが報告にあったダンジョンの入り口だな。ここからは君達に任せるよ」

 ライアンはそう言ってパーティの最後方に移動した。

「よし! ここからは慎重に進むぞ。前衛は俺、プリムラ、セフィラ、椿、エリカ、ヴェロニカ。中衛はマリー、リラ、ソニア、桔梗、カトレア。後衛はアリス、ローリエ、以上だ。この布陣で進むぞ」

 俺の号令に妻達全員が頷きを返す。では、行くとしようか。

 入り口を過ぎると大きな鉄の大扉が俺達の行方を遮っている。俺が扉に触れると「ゴゴゴッ」という大きな音を立て、ゆっくりと開いた。「ようこそお越し下さいました」って感じか? 面白い。

 扉の中に進むと一面石造りの大部屋が姿を現した。天井は……思ったよりも高いな。これは相当な大きさのフロアだぞ。

 ゴゴゴッ!

 俺達全員がフロアに入ると、入って来た大扉がひとりでに閉じられた。俺達を閉じ込めたか。ならば次は当然……。

 部屋の地面に無数の魔法陣が展開され、中から無数の魔物が召喚される! これは『モンスターハウス』と言うやつかな。

「数は多いが慌てる事はない! 何時も通りに戦うぞっ!」

 それだけ言い、俺は魔物の群れに突撃した。

「はぁっ!」

 先頭にいた魔物――グラスウルフを一撃で仕留める!

 俺が安易に突撃したのには勿論、理由がある。現れた魔物が比較的ランクの低い連中だったからな。グラスウルフ、ゴブリン等、このランクなら一撃で屠れるし、下手に躊躇して囲まれたら面倒だしな。

「おりゃーーっ!」

 現にセフィラは魔物の群れの中央付近にジャンプで突入。その勢いのまま戦追を振り回している。

「独り占めはだめよ? 妾の分も残しておいて欲しいわ」

 少し遅れてヴェロニカが突撃しながら戦戟を巧みに操り魔物を次々と殲滅せんめつしていく!

「出遅れてしまいましたわ!」

「拙者の分は残るでござるかな?」

 更に遅れてプリムラと椿が突撃していく。ふむ、あの四人に任せておけば大丈夫か。

「俺達は後ろで援護に回ろうか」

「はい。それが宜しいかと」

 近くに居たマリーに声を掛け共に後ろへ下がる。そして中央に居るメンバーを援護する様に、外側から魔物を倒して行く。

 それ程時を置かずして魔物を全滅させる事に成功する。床には無数の魔石が無造作に転がっている。そして部屋の中央には宝箱が忽然こつぜんと姿を現した。

「ふう……一時はどうなるかと思ったが、何とかなったみたいだね」

 戦闘には参加せず後方に待機していたライアンがそう声を掛けてきた。

「ええ。それで、今の所このダンジョンはどういった評価でしょうか? 支部長殿の見解を聞きたいですね」

「……この様な形式のダンジョンは初めて見るよ。下層の魔物のレベル次第だけれど、上級……あるいはそれ以上になるかもしれないね」

「上級以上? それは一体……」

「この世界で三つある最難関のダンジョン『特級ダンジョン』だよ。一番古い物は、千年近く前に発見されたそうだが、未だに踏破者がいない。だが道中の報酬も格別で、常に挑戦者が絶えないそうだよ」

 そのようなダンジョンがあるとは。いつか特級ダンジョンを巡って旅をしてみたいものだ。誰も踏破者がいないダンジョン……ロマン溢れる響きだ。

「魔石の回収、終わったよ」

 魔石を回収していたカトレアが声を掛けてきた。

「ふむ。では宝箱の方も開けてみよう。桔梗……」

「罠は無かったよ、だーりん♪」

 俺が全て言い終わる前に桔梗からの返答があった。彼女の仕事の速さには助けられているな。

「誰か、開けたい者はいるか?」

「じゃあ~私が開けるわね~」

 俺がそう言うとエリカが立候補してきた。他に誰もいなかったのでエリカに宝箱を開けさせた。

「あら~。綺麗なイヤリングね~」

 宝箱の中身は一対のイヤリング。とても綺麗な色合いで美術的価値だけでも高値がつきそうな位だ。

「むっ? 急に扉が二つ現れましたぞ。何と面妖な……」

 その声を聞き椿の視線の先を見ると、入り口と同じ大きさの扉が二つ出現していた。

「恐らくだが……宝箱の開封に反応して現れたのだと思う」

 もしくは時間が経つと現れる仕組みか。まあ、タイミング的に宝箱がキーになっていたと見るべきだな。

「あなた様? 何やら文字が浮かび上がってきましたわ」

 扉付近に移動していたプリムラがそう声を上げた。俺がプリムラの傍まで来ると、正確に読み取れる程にハッキリと浮かび上がった。

「なになに……「進むなら右へ、戻るなら左へ、それぞれ向かえ」だと? 随分と親切なダンジョンではないか」

 浮かび上がった文字は、道案内を示す物だ。

「どうしますか? 支部長殿」

「……君達がこれ以上無理だと思うまで進んでくれるかい? もう少し情報が欲しいね」

「ええ、それで問題ありません。では引き続き探索を進めましょう」

 怪我人がいないか、一応確認して「右」の扉に触れる。すると入り口と同じ様にひとりでに扉が開く。その扉の先には小部屋に繋がっており、部屋の中心には大きな魔法陣が描かれている。あれで次のフロアに転移するのだろう。

「次はどんな奴が出てくるんだろうねぇ……楽しみさね」

 セフィラを始めとする武闘派嫁達は次のフロアの戦いを夢想し、既に気合十分のご様子。まあ……うん。ヤル気があるのは良い事だよ。

 魔法陣に乗ると周囲が光に包まれ、それが弾ける様に眩い光が小部屋を覆う。次の瞬間には再び大きなフロアへと移動していた。

「! 気を付けて。魔物が現れるよ!」

 桔梗が大きな声で忠告をする。その直後フロア中に魔法陣が展開された! 現れた魔物は先程の面子にオークやアサシンタイガー等の中ランク帯の魔物もちらほら散見される。それに数も増えているし、確実に難易度は上昇しているか。

 だが基本的には先程と同じ流れだ。セフィラ、ヴェロニカ、椿が中心になり厄介や魔物を相手取る。他がフォローする形だ。

 このフロアも苦戦する事は無く魔物を全滅させた。見知った魔物がほとんどで、戦い方は分かっているからな。

 ちなみに、宝箱の中は小型の盾だった。これは……売却だな。

「ふう……書類仕事ばかりで、思ったよりも鈍っているな。これは鍛え直さないとなあ」

 今回はしっかりと戦闘に参加したライアンが、そうぼやいている。引退してからどれ程経っているかはわからないが、これだけ戦えれば十分過ぎだろう。

 続く三フロア目、魔物の種類に変化が見られた。

 鋼鉄の嘴と羽を持ち、空から強襲してくる鳥型の魔物「メタルホーク」。

 鋭い爪と巨体を活かした格闘戦を得意とする熊型魔物「グラップルベアー」。

 武器や防具を身に着け、戦術を駆使するようになった上級ゴブリン「ゴブリンアーミー」等々だ。

「飛んでる魔物はウチに任せてねっ!」

 カトレアが美しい舞を披露すると、彼女の持つ円月輪が空中を自在に飛び回り、メタルホークを次々と切り刻む。

「はんっ! アタイを倒したければ今の十倍は筋肉を付けなっ!」

 セフィラが戦追を勢いよく振り回すと、数匹のグラップルベアーが吹き飛び壁の染みと化す。

「……攻撃される前に……倒せば……問題……ない」

「武器を持っていてもぉ、使わせなければ良いのよねぇ」

 ゴブリンソルジャーが武器を振りかざし、こちらを攻撃しようとするが、リラとソニアの魔法で近付く前に消滅し魔石へと姿を変えた。俺もそれに合わせて雷魔法主体で応戦する。

 このフロアも問題は無かったな。それと宝箱の中身は大きな「魔石」だった。これは良い売却額が期待できるぞ。


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