第26話 子どものままの卒業
逃げた。
走って逃げた。
捕まるかと思ってドキドキしていたけど、しっかり繋がった手を引かれていると不思議と安心できて、ただ走ればよかった。
もう宮殿にはいけない。
雪灯院での生活に戻る事も出来ない。
私は不透明な未来を選んだ。
今、足元の雪を掻き分けているように、この先にちゃんと道があるのかなんてわからない。
なのに、解放されたような気分で、心は弾むように軽かった。
「はぁはぁ……追ってこないよ!」
「来ないな、はぁ……」
入り組んだ小さめの空き家が立ち並ぶ道の脇で立ち止まる。
握った手は離された。
振り返っても誰かが追ってくる気配はしない。
人けのない場所で荒い呼吸だけが残り、それも次第に落ち着いていった。
「ほんとバカ、赤ちゃん投げるとかないよ?」
「はは、見たかミケウリリアの顔?」
つよい鼓動を感じる胸に手を置いて抗議すると、ギィロは悪びれもせず悪戯な顔をした。
「見たけど……」
ミケウリリア様が両手を広げてわたわたしていたのが、まだ鮮明に思い出せる。
笑っちゃいけないと思うのだけど、そう思って我慢しようとすると余計に笑いそうになる。
「笑える」
「怒ってるよ」
嬉しそうなギィロを見たら、つられて口元が緩んだ。
「どうだか」
ギィロはそう言いながら塀の雪を払った。
そこに二人で腰を下ろした。
「あーあ、私も不良だと思われたかもー」
足をぶらぶらさせて文句を空中に飛ばす。
「俺も不良かよ」
「そうじゃなかったら何なわけ?」
ピッと指を差す。
「悪いことしてるつもりなんてないぞ」
「無自覚なんだけど」
「なんだよ……でもこれでよかったんだろ?宮殿も、よかったんだよな?」
ギィロはほんの少し歯切れが悪い。
「わざわざ聞く?」
少し首を傾げながら答えた。
気にしてもらわなければ困るのだけど、あまり無神経なことは聞かないでほしかった。
「確認だろ」
ギィロは自信のなさを繕うように、右手を私の前に軽く出す。
「良くないよ。良いわけないでしょ?」
「は……?」
私が意地悪に言うと、ギィロは口が開きっぱなしになった。
「不良だと思われるのは嫌ってこと。雪灯院にも顔出しづらくなっちゃったでしょ?」
ギィロは息を吐き、なるほどといった頷きをする。
それを確認してから、私は一拍あけて続けた。
「……でも宮殿は、よく考えたらそんなに行きたくなかったのかも」
私は膝の真ん中で握った手を見ながら答えた。
「そうか……じゃあ俺が間違ってたのかもな」
ギィロは一度息を吐いてから遠くを見る。
私は、正しくあるために何かになろうとしていた。
ギィロは私がそんなだって分かっていたから、宮殿を勧めるようなことをしたんだと思う。
いなくなる。という不器用な方法で。
「そう!間違い!なにが『応援しようと思った』とか言って、下手くそなんだからカッコつけようとしてもダメ。立って見てみなよお尻のとこ」
私はギィロがやってもいない大げさな仕草で煽り、お尻のところを指差す。
「尻?……」
ギィロは塀から下り、体をよじり後ろの見えづらい箇所を手で触って確認した。
「あ、めくれてる。いつからだ?」
「雪灯院から走って逃げた時からずっと」
「……」
ギィロはめくれた布をペラペラさせ続けた。
「誰がどうすんの、それ」
どうしてほしいのかはわかった。
だから、優しく八百長のような質問した。
ギィロは言いづらそうに頬をかき、下を向いて聞いてくる。
「頼めますか……?」
突然の敬語で吹き出しそうになったから咄嗟に俯いた。
「……しょうがないね、うん、いいよ」
けど気を取り直して、私はわざとらしく承諾の言葉をぶつけてから立ち上がった。
ギィロは何度も頷いて、背中を向けた。
「……じゃあ、行くか?ちょっとこの先、道が曖昧だから、ほら……」
隠れた側溝があったりもするからだろう、道の端を示してから手を差し出してくる。
「え、うん」
ちょっと想定外だったけど、その手を取って数歩進む。
優しく握ってくる手は、逃げたときとは別人みたいに不器用なリードで、そんなギィロが珍しくてちょっと顔が綻んだ。
私の方がおねえさんだけど、ちょっとだけエスコートされてあげようかなって思った。
少し歩く。
人けのない地区。
晴れた空。
冷たい風。
積もった雪。
ざくざくの足音。
手の温もり。
何も言わないで歩くギィロの顔を覗くと、ギィロは不自然に反対側を向く。
なんだろうと思って、横に並んでもっと顔を覗く。
「は?!なんでちょっと赤くなってんの!?」
私は驚いて手を離した。
「なってねーし!リゼこそだろ!」
「全然なんですけど!?」
ギィロはろくにこっちも見てないのに私まで巻き込もうとしてくるから全力で否定した。
「うるせーな!寒いだけだって!もういくぞ!はーあっつ、あ、さっむ……」
ギィロの足が大股になって、動揺を隠せていないのが笑えた。
「ふふ、照れちゃって、付いてきてくれるのがうれしいんでしょ?おねえさんが手繋いであげようかあ?」
ふてくされちゃいそうだけど、面白くなってからかってみる。
「うるせえな、自分で歩け」
「遠慮しないでいいよぉ?」
私は悪態をつくギィロを後ろから煽りながらついていった。
・
「ふんふんふーん、ふふんふんふーん」
ほとんど来ることなんてない場所なのに、ギィロは道を知ってるかのように進んでいく。
楽だから私は鼻歌を歌いながらその後をついて行っていたのだけど、私には雪灯院に戻らなければならない理由があった。
挨拶も何もしていないし、荷物が置きっぱなしなのだ。
「ねぇ先に雪灯院付き合ってよ」
「やだよ」
背中に声をかけ、振り向きもせずに即断られる。
「荷物いっぱい置いてあるんだよ!?ギィロはいいよね、先に出たんだから」
「気まずいだろ」
そのまま歩きながら文句を背中にぶつけると、ギィロは認められることのない言い訳をした。
「私だってそうなんですけど?マーニャさんに謝らないと……ていうか一緒に謝ろうよ」
「なんでだよ」
「黒羅はギィロのせいなんでしょ?!ほんとに怖かったんだから!」
私はギィロの横に飛び出して、事件の責任を突きつけた。
「それは……ごめん」
「マーニャさんたちにも謝るの」
「わかったよ!いくいく」
そうして、嫌がるギィロを連れて雪灯院に"忍び"込んだ。
・
低い木に隠れ、塀に隠れ、気配も音も消したつもりになって、すべての目を避けて進んだ。
私たちには盗賊達のような技能はない。こういうのはからっきしだ。
パキッ
「おい、踏むな」
「ごめん……」
枝を踏みしめた音がなぜかすごく大きく聞こえる。
「なんでコソコソしてんの……?」
「コソコソしてんのはリゼだろ……」
私たちは低い姿勢で小声だ。
「だって……とりあえず部屋!」
私たちは雪灯院の内部に侵入した。
床が綺麗に掃除されている。
慣れた通路なのに緊張しながらスススッと進み、無事部屋まで辿りついた。
「はぁ落ち着く」
扉を閉めたら、自動的とも思える手つきで薪ストーブに火を入れて、ベッドに座った。
「落ち着いてんなよ、さっさと詰めるもん詰めるぞ」
「わかってるよ、でもちょっと先に始めてて?直すから」
暴れたあとだからいろいろ崩れちゃっている。
そんなのであまり人に会いたくない。
「お前、いいだろ今は、何しに来たんだよ……」
「うるさいんだけど。ちょっとだけ、すぐ終わるから」
ギィロのため息を無視して、私は簡単に化け直した。
乱れた髪も梳かして、編んだりするのは時間かかって申し訳ないから諦めて、流行りの保湿剤で落ち着かせるだけにした。
「よしっ!」
髪を両手で人撫でして完了だ。
「う〜ん、まぁ良くなった」
袋に詰める手を止めて言う。
「そうでしょ?」
ギィロは意外とこういうところは見る目がある。軟派なだけある。
「ほら、いい匂い」
私は髪を揺らして、待った甲斐があったと思わせるように風を送った。
「……いいから、終わったんなら手伝ってくれ」
ギィロは送られる素晴らしい風の感想も言わず鞄を渡してくる。
大した感動も示さないギィロに、やり甲斐のなさを抱きつつ片付けに参加した。
「ねえ、なんか泥棒みたい……」
「自分のものだろ」
「そうだけど……」
泥棒気分で何でもないことを話しながら手を動かす。
次第に荷物の整理は進んでいき、最後にニャー様を鞄の上に鎮座させ縛る。
ニャー様の首が前に出てグニってなっている。
ちょっと我慢しててほしい。
「いらないだろそれは……」
「ニャー様はいるの!心の友達なんだから!」
私はニャー様を庇った。
置いていくなんてありえない。
ニャー様のありがとうという声が聞こえる気がする。
「声がでかい……行く気あんのかよ」
「あるよ。一個持ってね、重い方」
「うん」
「マーニャさん探さなきゃ」
私たちは大きな鞄を抱えマーニャさんを探しに部屋から出る。
すると、程なくして子どもたちに見つかってしまった。
「あ、おねえちゃん!」
三人の子どもたちが駆け寄ってくる。
男の子と、女の子二人だ。
私は隠れることをやめた。
鞄を床に置き、膝をついて子どもたちを迎えた。
「みんな……大丈夫だった?」
私は何についてと断定せずに曖昧に聞いた。
「うん、みんなでキレイにしたんだよ」
床が綺麗な理由がわかった。
「偉いねえ」
言った子の頭をなでてあげる。
「おねえちゃんどっかいくの……?」
女の子が不安そうな声をあげる。
「うん……ごめんねみんな、私今度こそ卒業するの。だから元気にしててね」
女の子の両手を取って言った。
「え〜?!せっかく戻ってきたのにぃ……?」
私は『せっかく戻ってきた』に苦笑いをする。
「ねーダメなんだよ、卒業する人は応援してあげなきゃいけないんだよ……」
もう一人の女の子が、心と体が別々、というような雰囲気で言う。
「だってぇ……」
「そうだよ、笑顔で送り出さないといけないんだよ。ほら、笑って笑ってー」
私は二人の女の子のほっぺをぶにぶにした。
「えへっえへっえへっ……えへぇええぇ〜ん……」
「はいはい、泣かないの……おねえちゃんも悲しくなっちゃうでしょう……」
泣き始めてしまった女の子を抱き寄せてよしよししてあげる。
「また帰ってくる?」
男の子が聞く。
「んーどうかなぁ、しばらくは帰らないかも」
「やだー……」
胸のなかで女の子が駄々をこねる。
「そうやってマーニャさんまで困らせたらダメなんだからね」
「うん……」
そう言って女の子は胸に顔を埋めてくる。
「リゼアおねえちゃん、好きー!」
「私も好きー!」
「僕も、好きー!」
他の子たちも抱きついてきて、全員を包む格好になった。
「私もみんなが好きだよー、はいはい、よしよし」
ちょっとの間みんなをよしよししてあげると、男の子が離れた。
「……ギ、ギィロ!」
突如名を呼ばれたギィロはビクついた。
「リゼアおねえちゃんを困らせたら許さないからなっ!えい!」
ギィロがお腹のあたりを殴られた。
「お、おお……わかった」
少し前のめりになったギィロは、荷物を持ってない方の手を男の子の肩付近にまで伸ばしたが、触れることはせずに言った。
「ふふ、そうだぞーギィロぉ」
私はその様子がおかしくて笑顔になり、ギィロの横っ腹にパンチした。
ギィロはちょっとだけはにかむような笑顔になってる。
「みんなマーニャさんがどこにいるか知ってる?」
「たぶん赤ちゃん部屋にいると思う」
「じゃあ案内してくれる?」
「うん!」
「ギィロ、荷物持って」
ギィロに荷物を任せ、目的の部屋はわかるけども、子どもたちに手を取ってもらって「こっちだよー」という案内に従った。
「マーニャさん!リゼアおねえちゃんだよ!」
扉が子どもの手により開け放たれる。
「リゼ!それにギィロくん!心配したのよ……」
振り返るマーニャさんは、胸に手を当てて私とギィロを見る。
「ごめんなさいマーニャさん、勝手なことばっかりして」
「すいませんでした……」
私たちは入室して、まず、謝った。
「どこへ行ってたの?ギィロくん、リゼをあまり変なところに連れ……」
「マーニャさん!私、荷物を取りに来たんです」
私はギィロを庇うように割って入り、本題を切り出した。
「どういうことですか?」
「私、雪灯院を出ます。宮殿にも行きません。言われた通り、ちゃんと自分で決めたんです。だから……」
ちょっと言葉が続かなくて、ギィロも何も言わなかった。
「なにかあったのですか?」
「はい、赤ちゃんを助けに行って、それで……」
どこまで話せばいいか分からず、ギィロに助けを求める視線を送った。
「助けにって、ミケウリリア様はそんなことひと言も……」
ギィロが口を開くよりも先に、マーニャさんが独り言のように呟く。
ミケウリリア様は戻って来たんだ。
私たちのことを話していない?
「ミケウリリア様は?」
ギィロ怪訝な顔を確認し、マーニャさんに向き直り聞いた。
「お帰りになられましたが、赤ちゃんを届けてくださったのよ」
「赤ちゃんは大丈夫でしたか?!」
「ほらこっち」
マーニャさんが示した専用の台の上で、赤ちゃんは暖かそうに黒いブランケットに包まれていた。
「ミケウリリア様が名前もつけてくれました。メルヴェです」
マーニャさんは赤ちゃんを抱いて見せてくれる。
それは確かに攫われていた赤ちゃんだった。
無事なことが確認できてよかった。
「メルヴェ、かわいい名前。ほら、リゼアノートおねえちゃんですよ〜、えへへ」
私はマーニャさんに抱かれた赤ちゃんの手や顔にちょっかいをかける。
もちもちのぷにぷにはいつだってかわいい。
指を差し出すと握ってはくるけど他の反応は薄いように思う。
「あなたたちもその場にいたのですか?」
マーニャさんから問われる。
「はい……」
「ミケウリリアに預けて俺たちは帰ってきた。それだけです」
どう言えばいいか迷っていると、ギィロが口を挟んできた。
「そうなのね、もう、危険なことばっかりして……」
マーニャさんは自身にかかる気苦労を言葉に乗せて言った。
「ごめんなさいマーニャさん、でも私、そこで思ったんです。結構、暴れたんですけど……宮殿に行くことよりも、私なりにもっと自由に生きていたいって思って……宮殿はすごいと思いますし、そこにいたお父さんのことも尊敬してますけど……」
どう伝えようかなんて考えていなくて、言葉はちぐはぐになり、不十分なところで途切れた。
「そうですか。ギィロくんと同じということですね?」
「はい、ギィロと一緒に行きます」
「残念な気持ちがないわけではありませんが、あなたが決めたことなら私は応援します。ご両親もきっとそうです。もしかすると将来開拓者になるのかも知れませんが、サイドであることも不名誉なことではありませんよ」
マーニャさんは、私の曖昧な言葉を理解して、応援してくれる。
「はい……」
一度ギィロの方を向いて、頷きをもらう。
「マーニャさん、ごめんなさい、迷惑ばっかりかけて……」
私は申し訳ない気持ちぶつけた。
「そんなこと一つもありません。ギィロくん、ちょっと抱っこしててください」
マーニャさんは首を振り、ギィロに赤ちゃんを差し出す。
「え、あ、はい……」
荷物を置いたギィロが赤ちゃんを丁寧に受け取った。
「投げないでよ」
「投げないだろ……」
「投げる……?」
「なんでもないです」
冗談交じりに注意するとマーニャさんの頭に疑問符が浮かんだが、説明する必要はないことなので置いてけぼりにした。
「リゼ、こっちへきてください」
マーニャさんは両腕を広げてハグの姿勢をとる。
私はその腕に包まれに行った。
「マーニャさん……いっぱい助けてもらったのに、ごめんなさい……私、全然恩返しできない……」
胸に顔を埋めながら謝った。
「いいの。あなたが幸せならそれでいいのよ。子どものくせに変なこと気にしないの」
マーニャさんは優しい声をかけ、優しい手で撫でてくれる。
「だって、気にかけてくれてたのに、私ちょっと反発したりとかしてて……ごめんなさい」
「それが子どもなんだから、謝らないで。それに宮殿の話に浮かれていたのは私だけだったわ。あなたのやりたいことを分かってあげられてなかったみたいです。私こそ押し付けるような事をしてごめんなさいね」
「マーニャさんは悪くないです……」
私は顔を上げて言った。
「ありがとう。リゼは優しいわね。じゃあリゼ?あなたの活躍を聞かせてください。私の耳にまで届いたら、それが恩返しになります。だから、頑張るのよ」
「はい……」
私はもう一度顔を埋めた。
私は将来こんなに立派な大人になれるのだろうか。
わがままばかりで全然自信がない。
「もう、あなたたちには驚かされてばかり。ほらリゼ、しっかりしなさい。かわいい顔が台無しじゃないの」
「うーん……見ないでください」
マーニャさんに顔を上げられて、目に浮かぶ涙を拭かれ、私は俯きがちになった。
「だから言ったろ、今はいいって……」
「うるさい……」
私はギィロの野次に口を尖らせる。
「ギィロくん、あまり無茶はさせないで」
「あ、はい……いや、ちょっとそれは約束できません」
ギィロは少し考えて言い直した。
「まぁそうね、苦労は絶えないと思います……でもリゼはしっかりしてるようで小心者なんだから、ちゃんと助けてあげてください」
「それは、わかってます」
ギィロの言葉に、マーニャさんはゆっくりと深く頷いた。
「……はい!じゃあみんな、玄関まで見送りにいきますよ」
マーニャさんは私の肩を持ち、みんなを玄関まで誘導した。
・
「ほら行きなさい。もう帰ってくるんじゃありませんよ」
玄関につくとマーニャさんが優しく背中を押してくる。
「リゼ……いくぞ」
扉をあけたギィロが声をかける。
「みんな、マーニャさん、ありがとうございましたっ!」
私はみんなに深々とお辞儀をした。
「いってらっしゃい」
「「いってきます」」
マーニャさんが笑顔で言い、私たちは同時に応答した。
「ほら、みんなも、いってらっしゃーい」
マーニャさんが子どもたちにも促すと、手を振りながらいってらっしゃいと元気な声が飛んでくる。
「いってきます!」
子どもたちにも元気に挨拶をして、私は歩き出した。
「「「いってらっしゃーい」」」
門の付近までくると、また子どもたちの声が聞こえた。
「いってっきまぁーーーす!!」
私は振り返って手を振り、おっきな声で最後の挨拶をした。




