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元ネナベの俺と呪い持ちの王女~ネナベしてたら男に転生したので、呪い持ちの王女をナンパしてきました~  作者: 某人間S
第七の信託:得られたものから失ったものを差し引き、残されたものがすべてである
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51. 失踪と来訪

「ナビス!」


 ティアーネが駆け寄っていくと、ナビスが抱き着いてきた。 

 なかなか帰ってこないティアーネを心配して、ここまで探しに来てくれたのだ。


「よかった……探したんですよ」

「わ、私はここにいます。大丈夫ですよ」


 泣きそうな声でつぶやくナビスの頭を撫でる。


 ティアーネが無事だったことに安堵したナビスは、ティアーネに抱き着いていたことに今更気づいたのか、恥ずかしそうにしながら離れた。


「そ、そうでした、姫様」


 何か伝えたいことがあったのだろう、それを思い出してナビスが口を開いた。

 しかし、先にスイに止められてしまう。


「ごめんなさい、話なら、奥でやってもらった方がいいと思います……もうそろそろお客様も来るので」


 そうだった。ここは店先だ。

 スイに謝りながら、二人はバックヤードまで通してもらった。


「それで、どうしたのですか、ナビス」

「その、エドさんが……」


 ナビスは迷うように一度口を閉じた後、まっすぐにティアーネを見た。

 その先は聞きたくない。そう一瞬のうちにティアーネは思ったが、ナビスはそう待ってはくれなかった。


「――エドさんが、いなくなってしまったのです!」

「――え?」


 予想もしなかった言葉に、ティアーネは目を丸くする。


「そ、れは――どういうことですの!?」


 ティアーネはナビスに詰め寄る。そんなティアーネの様子に少しおびえながらも、ナビスが状況を話してくれた。

 

 ティアーネと別れた後、しばらくアステの店の部屋にいると、エドの体が突如として消えたらしい。

 それは瞬きした一瞬のことであり、何が起こったのか、まったく理解できなかったという。

 とりあえずティアーネが帰ってくるのを待っていたが、一向に帰ってくる気配はない。

 だから、頑張ってティアーネを探しに来たという次第だった。


「ごめんなさい……僕、せっかく任されていたのに……」


 消え入りそうな声のナビスの肩を強く握っていたことに気づき、ティアーネは手を離した。


「私こそ、怒鳴ってしまってごめんなさい。……でも、エドさんが消えたのはあなたのせいではないわ」


 そう言って、ナビスを慰める。

 

 突然のことで焦る気持ちはあったが、そのおかげで、思考の負の連鎖からは立ち直れた気がする。

 ”彼消えたのちに”というのがこのことなのだとすれば、まだエドが死んでいない可能性がある。


 当然、意識を取り戻したのなら真っ先にティアーネに会いにくるはずなので、無事というわけでもないはずだ。


 エドはどこに行ったのか、一体何が起こっているのか。

 まだ何も手がかりは掴めていないが、”エドが生きているかもしれない”という希望が、ティアーネの心に光を灯す。


 ……まだ、すべてが終わったわけではないのだ。



「まずは、一度帰りましょうか、ナビス」


 ナビスの手を引いて、ティアーネは部屋を出た。


「本当に、ありがとうございました、スイさん。今は何も話すことができなくて、すみません」

「別に構いませんよ。まあ、扉がなくなってしまったのは残念でしたけど――代わりに、今度またウチの店に来てくださいね」

「――はい、もちろんです」


 最後まで優しかったスイにお礼を述べ、二人はアステの店に向かったのだった。



 アステの店に着いた後、念のため二階のベッドを確認するが、やはりエドはいなかった。


「ドアが開いた音もしなかったのですよね?」


 ティアーネが尋ねると、ナビスはこくりとうなずいた。


 となると、やはりエドはなんらかの魔法か、神様の力によって消えてしまったのだ。


 どこかに、エドを取り戻す手がかりがあるはず。

 そう信じて――信じざるを得ない――ティアーネは、必死に考えを巡らせた。


 ――その時だった。


 下の方から、チリンとベルの鳴る音がする。


 誰だろうと思いながら、ティアーネは部屋を出て階段を下る。

 アステが帰ってきたのか、それとも――


 店の中に入って来た来訪者は、ティアーネの方を見て笑みを浮かべた。


「――あら、もう呪いは解いてしまったの? 早いわね、ティアーネ」


【悲報】こっから結構長い

評価・ブクマ登録していただけると作者は死にましぇええん

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