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ダメカワピンク救世主伝説/  作者: 人藤 左
33/35

黄金の夜明け/エピローグ

 後日談。


 ウロコイヌラッシュの死骸は綺麗さっぱり雲散霧消したらしく、北部統轄地区が抱えるのは大量の瓦礫とかで済んだらしい。


 ボクとアンナちゃんは、街の人たちと和解したはいいものの、ギルドのひとたち以外とはなんかギクシャクした感じが残っちゃったので、二晩ほど宴で担がれてから発つことにした。


◆◆◆


「元気でね、パルマちゃん。アンナちゃんも、手がかかる子だけど、よろしくね」

「はい。お任せください」

「結婚したら教えてね、ジュリー姉さん。飛んで駆けつけるから!」


◆◆◆


「そうか。そうか……。短い間だったが、寂しくなるな」

 ファチロさんとのお別れは、病室になってしまった。


 ちょっとその辺でつまづいた拍子に足の小指を、ということなので、その声量は相変わらず凄まじい。看護士さんにも睨まれていた。


「なにかあったら連絡してください。この救世主パルマが駆けつけるので!」


「はは。そのときはぜひ、身なりを整えてくれると助かるかな」

「なにをー? このパルマちゃんを、可愛らしくもみすぼらしいだとー?」


「ははっ。その節はすまない。非礼を詫びよう、パルマ」

「えへひひひ……」


 思い返せば懐かしいやりとりをなぞって、すこしくすぐったくなる。


「……その、ファチロさん……」

「アンナ……気にすることはない。君は、君たちは、多くの人の命を救ったんだ。気に病むなといっても仕方ないだろうが、せめて胸を張れ」

「はい!」

「……はい!」

 

◆◆◆


「ボス! ボス! ボス!」

 アルキケダマたちは、ついにちょっと話せるようになっていた。


「みんなひさしぶりー! あらあら、ちっちゃい子もこんにちは。ママは? あー、ケンカしちゃったんだ。うん。めいっぱいケンカして、その後はちゃんと謝るんだぞ? ボスパルマとの約束だ」


 花束を一つ供えて、おっきく手を振る。


「またねー!」


「すごいですね、『統一言語論』って」

「え? 使ってないけど?」

「……え?」

「……えっ?」


◆◆◆


「おねえさん、これ……」

 東部統轄地区のギルドに挨拶に行くと、少年に待ち伏せされていた。


「お花の……指輪?」


 マーガレットを模した飾り付きの指輪をもらった。残念なことにボクの指にはぶかぶかだったけど、せっかくなので左手首に革紐で留めて、腕輪にしよう。


「この子、ピンクのお姉さんに会いたいって、ずっと待ってたんですよ」


 お母さんらしき人が、申し訳なさそうに笑った。傍らの松葉杖は……触れないでおこう。その方がお母さんさんのためだ。


「ありがとね。これってまさか……てづくりとか?」

 イタズラに尋ねると、少年は顔を真っ赤にして、そっぽを向いてしまった。


「旦那……この子のお父さんは、小物職人だったんです。おれもお父さんみたいになるんだって、それで……」


「……なんか、すみません」

「いえ、いいのよ。今日も元気に、家具の飾り彫の仕事をしていますから」

「あ、ははは……。それはよかった」


 この奥さん、失礼かもだけどオーラがなぁ。マジのやつだったもんなぁ。


「おねえさん、こんどはいつくるの?」

「いつかなー? ね、いつがいい?」


 聞き返すと、お母さんの後ろに隠れてしまった。


「えへへ。それじゃまた今度。お祭りとかあったら来る、です」


「はい、お待ちしております。ほら、あいさつは?」

「…………、またね」

「うん、またねー! おはなのゆびわ、ありがと」


 ……。


「パルマさん、ホント魔性ですよね」

「失礼な。アンナちゃんこそ、酒場のお兄さんたち手玉にとってたじゃん」

「あっ、あれは別に……。顔を覚えていただければ、姉の治療の助けになるかもって、それだけです!」


 ……めっちゃしたたかだった。


◆◆◆


「うっわ、めっちゃ人いるー!」

「にぎわっ、賑わってますね!」

 田舎娘二人、ゲニヴ・ジースを訪れた。


 国全体を囲う城壁の中は、お祭りでもやってんのかってぐらいの喧騒だったが、そうではないらしい。


「やぁーやぁ。ようこそ、ゲニヴ・ジースにはるばる! です」

 人の波の中で溺れていると、ほっぺちゃんに声をかけられた。


「どちらさまですか……?」

 田舎者だからって馬鹿にしにきたのか? 受けて立つぞ。


「やだなぁ。アムテキレス、アムテキレス・アヨロイルマだよ」

「全然印象違う!」


「わ、うわ、わわわ……わ」

「あっ。ちょっと、ちょっとこの話置いといていい? アンナちゃんが人酔いしちゃったみたいで」

「おー、ほほほふふっ。じゃ、ウチに行こう」


 アヨロイルマ邸。

 なんか普通の、石造りの家だった。

「あー、もう少し豪華かと思った? 宮廷はすごいんだけど、住むならやっぱりこうだよね!」 


 すごい手際でお茶まで出してくれて、アンナちゃんはソファで寝かされてしまった。


「なんか……失礼だったらごめんね。玄武の長者っていうくらいだから、もう少しゆっくりしてるのかとばかり……」

「うー、ん。そうだね。あの晩ちょうどじぃじ……シタテルドが死んじゃって、それからだからね」


 なるほど。それで、引き継ぎとかの都合もあって強制転送とやらで来れなかったのか。


「大器晩成! ってことで、今後ともよろしく!」


 あぁー、めっちゃ可愛い。ちょっとマオちゃんもこんな感じだけど、アムテキレスちゃんはしっかり壁があるというか、どこか距離があるというか。趣きってやつ?


「ボクとしてもよろしく、なんだけど……いいのかな? ボク、ヨグバ・クリードらしいけど」

「いいんじゃない? パルマはパルマでしょ? です」

「……そっか」


 そうだった。 


「うん。ありがと、アムテキレスちゃん。ちょっとお姉ちゃんって読んでみてくれない?」

「ぅぇ……なんで?」

 ドン引きされてしまった。


 困ってるアムテキレスちゃんも可愛いので、それはそれでむしろグッド。たまに困らせに来よう。


「冗談だよ、冗談」

 ウソである。


「それで、パルマはこの先どうするの? よければここで暮らすのもいいし、やっぱ魔王やるっていうならやぶさかではないし、救世主続けるならヨシヨシだし」


 お試し、ということなのか、ちょっと撫でられてしまった。手のひらちっちゃくてサイコーだった。


「わかんない。でも、アムテキレスちゃんの言う通り、ボクはボクだから。お酒も飲みたいし、褒められたいし、それから褒められたい。だから、とりあえずイザヤのところに帰るよ」


「そう? 朝倉イザヤのこと、好きなの?」 


「……」

「……」


「……なに?」

「……なにって?」

 なに?


「え?」


「朝倉イザヤのこと、好きなの?」

「………………。や、わかんない……」

「わお。褒められたいから帰るって人のこと、わかんない?」


 そりゃイザヤは命の恩人だし、ボクが先々で褒めてもらえるようにしてくれた人だし、何かあったら真っ先褒めてくれるし……


「………………わかんない。です」

「うっひょー! サイコーじゃーん!」


「え?」


「あ。なんでもない。忘れて、忘れて」


 忘れて、と言われても……。


「うぅ……すみません。ご迷惑をおかけし、てっうわぁ!」

「アンナちゃん⁉︎」

 フラフラと立ち上がろうとしたアンナちゃん。まだ万全ではなかったようで、棚にかかった垂れ幕を剥いでしまう。


「あぁ、すみませんすみません……!」

「あ、えっと、ごめんね! アムテキレスちゃん」

「いいよいいよ。今晩は泊まっていくといい。ゆっくり、ゆっくりね。あと、いま見えた本のことは忘れてね」


 なんかこう、耽美な背表紙だったけれども。


「あっ、はい」


 善処します。

 子供に駄々甘なピンク髪ちゃんも書いときたかったから書きました。


画面やや下にブックマークとか☆☆☆☆☆マークとか感想とか色々あるので、ピンク髪ちゃんを褒める感じで触っていただけると、次回以降の参考になるので、よろしくお願いします

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