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ダメカワピンク救世主伝説/  作者: 人藤 左
32/35

vs調停人/awake,alter,another/♡❤︎

 一件大落着。


「終わったー……」

「パルマさん、お疲れ様です」

「アンナちゃんも、お疲れ様」


 もう限界フラフラだったボクは、誘われるまま吸い寄せられるまま、アンナちゃんの膝枕に飲み込まれた。うなじがアンナちゃんのお腹に当たる、……ヘヴンスタイルと名付けよう。


「うぉ……すごい……」

 なにがヘヴンかって。


「すごい、ですか?」

 仰向けになれば、アンナちゃんのアンナちゃんの下側を堪能することができる。これが天国の光景でなくして、何が天国か。


 そして。

「パルマさん? パルマさん……?」

 アンナちゃんが少し屈めば、圧迫祭りの開催だ。窒息必至、天国への特急券。これで死ねるなら本望かも。


「……それはちょっとヒクなぁ」

「え? あ、あっ、パルマさんッ!」

 ドン引きしたイザヤによって気付いたアンナちゃん。バッと立ち上がったので、放り出されたボクは頭を強めに打ってしまう。


 『スワンプマン』も焼き切れていて、しばらく使えそうにない。ちょっとしたタンコブができていて、それがどこか嬉しい自分がいる。


「スミマセン……スミマセン……」

「……もう。次からはちゃんと言ってくださいね……?」

 ……ボクもう死んでるかもしれんね、ホントは。


◆◆◆


 まだ夜も明けたばかりで、ギルドもどこも開いてないだろう。

 ということで、一旦イザヤハウスに戻って休むことにした。


「むふふ……」


 勝利の余韻に浸りながら歩いていると、心臓? え? 貫かれた? なにに?


「パルマ!」「パルマさん!」


 遠くからのような、近くからのような、二人の声。


 吐血。ボクが吐いたのか? ボクの血を?


 とっさに胸を押さえた手には、影のような(もや)が貼り付いていた。


「ふくくっ」

 耳障りな笑い声。


「――、…………、……」

 調停人ケイム。

 悪態の一つでもくれてやろうとしたけど、うまく喋れない。


「貴様のせいだ。貴様のせいでパルマ、わたくしは調停人の席を追われてしまう」


 わけわかんない。

 席とかどうとかも知らないし、お前がどうなろうと知ったこっちゃない。


「ここで死ね……お友達もろとも!」

 男の手に握られた影が、鎌の形に変わる。


 振り下ろされた悪刃は、しかしイザヤがナイフの鞘で受け止めた。


「パルマさん、しっかり!」

「ぁ――、ンナ、ちゃん」

 アンナちゃんの糸が、ボクの傷を塞いでいく。


「死ぬな……」

 あぁ、そっか。

 イザヤにとっては、またイデアさんが死んじゃうのと同じなのか。そうなのかもしれない。


「【死ぬな、パルマ】!」


 ――。

 えへへ。


 イザヤの『統一言語論』はしっかり届いていた。


 ありがとね。


 ほどなくして、ボクの肉体は土くれになって崩れ落ちた。



 はい、復活。


 ……。

 …………。

 ………………なんで?


「パルマ!」「パルマさん!」

「なにっ」

 なにっ、じゃなくて。


 『ラプラスの魔』曰く。

 ボクの身体を構築していた『スワンプマン』に、イザヤの『統一言語論』……正しくは『バビロニア統一言語論』が反応。とっさに掴んだケイムの影の杭を依代にして、『泥人形(エンキドゥ)』を獲得した……らしい。


 仮説空論与太話、とはよく言ったものだ。噂みたいに尾鰭(おひれ)がついて、知りもしない事実が作り上げられる。


 そんなことができる、曖昧でめちゃくちゃな、ステンドグラスみたいな世界に、いまは感謝しておこう。


「もろともって言ったよね? じゃあまずはボクから仕切りなおしてよ」


「小娘がーッ!」

 再び振り下ろされる鎌。それをボクは、同じく鎌に変形させた右手で斬り払う。


「ふざけるな……」

「それはこっちのセリフだ」

「オレは……オレは調停者だぞッ‼︎」

「だから、調停者ってなんだよ」


 そもそも自分でそこから追い出されたって言ったんじゃん。


 斧の形がしっくりきたので、そのように。振り下ろすと、薪を割るように、ケイムの体を断った。


 血ひとつ流さず、ただ恨めしそうな表情を残して、影のような男は霧みたいに消えていく。


「よし。いやぁ、ご心配おかけしました……はは……」

「パルマさんっ」


 アンナちゃんはともかくとして、イザヤもボクをベタベタと触って確認してきた。待て待て待て。そこら辺も触るなら、お前はもう少し照れながらにしろよ。それはそれで傷つくんだからな。


「よかったぁー……」

 アンナちゃんの抱擁。これだけでなんか知らんけど生き返った? 甲斐がある。


「イザヤ、『エンキドゥ』って?」

「『エンキドゥ』……なるほど、そういうことか……」

 顎に手を当て、一人納得するイザヤ。


 イザヤの世界で一番古い物語に登場する、女神さまが作った泥人形の名前らしい。

 突然そんなありがたいことになっても実感はわかないけど、生きているからヨシとしよう。


「あ、ねぇねぇイザヤ。お酒は? お酒はあるんだよね?」

「ないよ」

「なんだよもぉー!」

 

 腕取れノルマ(変形)を意地でも達成したくて書きました。


画面やや下にブックマークとか☆☆☆☆☆マークとか感想とか色々あるので、ピンク髪ちゃんを褒める感じで触っていただけると、次回以降の参考になるので、よろしくお願いします

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