表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダメカワピンク救世主伝説/  作者: 人藤 左
22/35

成果報告と断酒記録更新

「……はて?」

 イザヤハウスのお風呂を借りて、眠くなって……なんでボクは今馬車の荷台で目を覚ました?


「おはようございます、パルマさん」

 運転席から、アンナちゃんが覗き込んできた。


「おはよう。……もう朝なの?」

 小鳥の囀りと朝露の湿気が気持ちいい朝である。


「はい。よく眠れましたか?」

「ねむ……え?」

「はい」


 イザ撫では? マオもふは?


「それはもう……糸が切れたようにぱったりグッスリ寝入りましたね」

「うぅーん……?」

 なんか腑に落ちないなぁ。


「でも寝起きスッキリだからいいや!」


 『スワンプマン』補填の痛みとかもすっかり無くなってるしね。


◆◆◆


「普通に『庭』の中進んでるけど、大丈夫なの?」

 ボク……というかヘアピンがなければ迷ったり出くわしたりするはずなんだけど。意識がなくても使えるのか?


「えぇ、はい。えっと……イザヤさんに事情を話したら、安全なルートを提供していただきました」

「安全なルート?」

「はい。往復4日ほどで、とお願いしたら、紹介していただけました」


「ボク聞いてない……」

 アンナちゃんに一旦止めてもらって、下車。馬くんたちの隣を歩く。


「で、これはそのルートの確認?」

「そうです。一応、念のため」

「頼りになるなぁ」

「ふふ。それほどでも」


「ファチロさんに連絡は?」

「それはまだです。もう少し行くと水辺に出るそうなので、せっかくですから、そこで休むついでにしませんか?」

「そうだね」


 道中何事もなく、連絡もちゃんとできた。ちょっと飛ばしたら一晩で着くっていうふうに誤魔化しも混ぜておいた。ボク以外はこのルートを通るはずだし、いらない要素や情報はノイズになるだろう。


◆◆◆


 大したトラブルもなく、無事北部統轄地区に帰ってきた。


「アンナ! それにパルマ! よく帰ってきた、よく帰ってきた!」

 久しぶりに聞くとマジで耳がキーンってなる。


 大きく手を広げてボクたちを抱きしめてくれようとしたファチロさんだったが、アンナちゃんが阻止した。


「ファチロさま。パルマさんはとても疲れているのです。静かにしてください」

「……それは失礼!」


 脛にいい蹴りをもらったファチロさんは、さぁさぁと屋敷に通してくれた。


◆◆◆


「それで、どうだい?」

「安全を期すなら、やっぱり往復四日ですかね」


 ボクの報告に、ファチロさんはとても嬉しそうに頷く。


「素晴らしい! これでラクス家にお株を奪われていた我がシトナインのキャラバンも、なによりパルマも、脚光を浴びるというわけ……だ!」


「脚光だなんて……えへへ」


 いざ現実のものになるとなったら、なんか恥ずかしいな……。


「そもそもゲゴ伯が生贄を用意して『庭』を突破するなどという無法を犯さなければ、我らシトナインも零落することはなかった……父の、母の、何より弟セジロの……そう、悲願だ。ありがとう、パルマ」


 この人もゲゴのジジイにイヤなことされてたんだ。やってんなぁアイツ。


「それで。どうだった、向こうは」

「あー……」


 向こうとは、東部統轄地区のことだろう。


「家とか木でできてましたけど、突然変異の地竜にめちゃくちゃにされてました」

「そんな!」


「でも、無事倒したみたいですよ。やぁ、大砲ってすごいんですね」


「……そうか。ならば、最初の正式な仕事を頼みたい」

 言って、ファチロさんは紙にペンを走らせる。


「向こうへの挨拶がわりだ。こちらから支援物資を送ろう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ