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ダメカワピンク救世主伝説/  作者: 人藤 左
21/35

ピンクサンドイッチ/♡❤︎

 大勝利。である。


 地竜の血の雨は東部統轄地区全体に降り注ぎ、鎮火の一助になったそうな。


 ひと段落して冷静になって考えてみると、地竜退場にしてもこの勝ち方は真面目に魔王『星狩り』のヨグバ・クリードとして後ろ指を差されかねないので、砲手のお兄さんたちを『統一言語論』で洗脳(せっとく)しておく。砲弾がクリーンヒットしてやっつけたってことにしてもらおう。


 やることやったボクは、とうに限界を越えていたので、その場にへたり込んだ。イケてるスカートが汚れてしまったが、そこらじゅう穴が空いたり焦げたりしてるから気にしても仕方ない。


「あー、褒められたい……」


◆◆◆


 なかなか帰ってこないボクを心配してやってきたアンナちゃんの肩を借りて、馬車へ。東部統轄地区の人たちからは逃げ遅れたけど助かった人みたいな扱いを受けた。


「パルマさん、お手柄でしたね」

「なにが?」

「わかってますから。わたしだけは、パルマさんのこと」


 汚れに汚れたボクに構わず、アンナちゃんは真っ白な手でボクの手を取る。


「わたしだけは、パルマさんの味方ですよ」

「……うん。ありがと」


「ほんとのほんきですよ」

「わかってるわかってる。伝わってるよ」


「本当に全部伝わってますかー?」

「伝わってる伝わってる。いまボク汚いから抱きつくのはよくないよ」


「もう今更ですよ」

「うむむむむ……」


「……何してんの」

 荷台の脇で並んで溶けたやりとりをしていると、なんの前触れもなくイザヤが現れた。


「なんでここに!」

「なんでって……」

 あぁーッ! ちょっと困ってるーッ! クセになるクセに……。


「……、…………この辺に住んでるから」

「えー……。なぁんだ」


 『スワンプマン』のアンテナ(チョーカー)越しに色々察して、ボクのこと心配だからって迎えにきてくれたわけではないのか。残念。


「随分汚れてるね」

「色々あったからね」


「失礼ですよイザヤさん! パルマさんはそれはもうとても頑張ってですね……!」

「くさそう」


「わぁ! 嗅ぐな嗅ぐな! アホ!」

「そうですよイザヤさん! これもまた趣深いものなんですよ!」

「アンナちゃんはなんの話をしてんの?」


「瓦礫……ヒノキと松、それから魔物の臭いだ。……デミィデアはデミィデア?」

「ボクはパルマだよ」


 ボクから鼻先を離して、今度はじっと瞳を見つめられる。イザヤの眼は木々から覗く星空よりも深くて――って、そんなことはさておき!


「お酒は好き?」

「好きだけど」

「褒められたい?」

「そりゃ、褒められたいよ」

 あんだけ痛い思いをしたんだし、……アンナちゃんは褒めてくれたけど、物足りないのも事実だ。


「頑張った。イザヤも褒めて」

「……頑張ったね」


「みんなに迷惑かかんないように、ちゃんとやったよ」

「よくやったね」


「もう一声……」

「お風呂入った方がいいよ」

「あっ、はい」

 汚がられたり臭がられるピンクちゃんもいいよねってことで書きました


 感想、評価、ブックマーク、ピンク髪ちゃんはお風呂で顔から洗うことについていただければ幸いです

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