vsゲゴ・ラクス(追い出してくる偉いじいさん)
ジュリーお姉ちゃんに連れられて、来賓室? ってとこに来た。
内装は豪華というよりもキチンとしている印象で、お客さんに失礼がないよう配慮されているようだ。
「ゲゴさま。先日の依頼の件で、ご報告があるそうです」
「わざわざご苦労。……うん?」
こちらに目をやったゲゴは、信じられないものを見たような顔で、しばし固まる。
「アンナさま、ご報告を」
「……ジュリーくん。席を外してもらえるかな」
「いえ。本件は報告の立ち合いまで含まれておりますので」
「……そうだったかな。まぁ、いい」
事務モードのジュリー姉さん、こっち側に立ってるととても頼もしい。
対してゲゴの苦虫を噛み潰したような顔はどうだ? まずは一勝と言っていいだろう。
「それでは、ご報告いたします。洞窟内の奥にあった本は、汚れひとつないまま無事でした」
「――アルキケダマはどうした?」
あ、そう。本が大丈夫で安心するより先に、そっちを確認するんだ。
「こちらのパルマさんが、交戦ののちに懐柔しました。現在、武装したアルキケダマたちは彼女をボスとして認めているようです」
「なん、だと?」
本人は気付いてないだろうけど、眉毛がめっちゃ痙攣してるよゲゴさん。
「あ、ども。パルマです。あの辺のアルキケダマの大将です。えへへ」
慇懃無礼に、小刻みに会釈を数回。
「なんか盗人みたいな大男がいたんでやっつけときましたよ。今はアルキケダマたちに見張ってもらってますけど、どうします?」
「……、そうか。不埒ものを捕らえてくれて、改めて礼をする。その男については好きにしてもらってかまわないよ」
「そうですか? じゃあそうだな……ボクの代理として、アルキケダマと一緒にいてもらうってのはどうでしょう? 大事な本みたいだし、あのまま警備役を買って出てくれたら、ゲゴさんとしても願ったり叶ったりなんじゃ?」
「小娘が……」
「ん? なんですー?」
「いや、失礼。任せる。任せよう……」
「では、そのように。あ、お代は結構ですよ。彼らがあのままあそこで暮らしてもいいってんでしょ?」
「構わないよ……」
疲れ果てたように、ゲゴはソファに背中を沈める。
「わたしたちの報告は以上となります」
「ではゲゴさま、報酬の方を……」
「フン」
ひどく不満げに鼻を鳴らし、小切手に筆を走らせる。
「達成報酬30万と、こちらは……ドネドミネ家の借金明細?」
「個人的なやりとりだ」
「そうですか。確認の方、失礼いたします」
ゲゴから書類を受け取ったジュリー姉さんは、それらに目を通し精査する。不要なトラブルを回避するためだ。
「――はい。これらは正式に適用されます。アンナさま、どうぞ」
「えぇ。ありがとう。ゲゴさまも、迅速な手続き、感謝いたします。またご贔屓のほど」
三人揃って一礼。退室する。
「ただではすまさんぞ」
小さく宣告したゲゴだったが、負け惜しみにしか聞こえなかった。
舌戦に参加するピンクちゃんの絵面が完全にナメてて最高だなってなったので書きました
おじいちゃんとはあと2回……3回? くらい戦うんじゃないですかね




