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鬼化

門どころか、街を囲う壁すらも次々と破壊され、街の南は今や魔獣が蹂躙した北側より酷く変わり果てている。

すっかり登った陽が、はっきりと無残な街の状態を晒している。


「ぬおっ?!にゃろうが!うひゃあ」


ドンが奇声をあげ人型とひたすらやりあっていた。


街を守ったハンター達は南街の異変に気付きすぐに集まるが、近づいて加勢しようにも実力が違いすぎて、それを遠目にただ傍観することしかできないでいた。


奇声をあげるドンに、エルダがちょっとがっかりした表情で呟く。


「格好良いイメージがなんか壊れていくッス・・・」


エルダのその言葉に隣にいたカタリナが、何それ?あんたどんな印象もってんの?と驚いた。


「ドンさんはどんな小さな約束も守ろうとするし、待合わせなんか大分前に先に来て待っているほど真面目だから、確かに生真面目な女性には人気あるけどさ」

「ただ真面目すぎるのよねえ、食べ物を粗末になんかしたら相手が男なら明日まで起きれなくなるようなパンチするし、相手が女でも説教地獄が始まるし、女を泣かしたハンターはもっと・・・とんでもない目にあってたわねえ」


しかも、とカタリナは続ける。


「ドンさんは真面目なわりにはいつもふざけてて、だからそんなに格好良く無いわよ?」


と、苦笑した。


(まあ聞いた話、溺愛する娘さんの前ではふざけた事したり、言ったりは一切しないらしいけど)


カタリナはドンのほうを見つめる。


「おめえらな〜そんな話今することかよ?」


近くにいたザックが呆れた感じで2人に注意する。


「スンマセン」「あら、ごめんなさい」


2人は同時に謝罪した。



ドンは半分ふざけているようで相手の実力を測っていた。

わざとふざけることで相手の感情も探るが全く変化がない。


(やべえ!こいつやべえ!こんな機械みたいなやつ相手したくねえ!)


ドンは必死に人型の攻撃をかわす。

かわすついでに人型にカウンターを繰り出すが全てかわされていた。


(読まれてるのか?ここまで人の行動を読める魔獣なんか初めて見たな、それに・・・力もやべえ!)


角が生えた魔獣を、ハンターは鬼化した魔獣と呼ぶ。

力の強さがまったく変わるからだ。


(一発でもまともに喰らったらアウトだな・・・反則だろ、あれ)


ドンは、はるか向こうのレンガ式の建築物の上に突き刺さった南門らしきものを見つけていた。


(こちらの攻撃が効けばいいんだが、問題はどうやって当てるかだな)


ドンは人型の攻撃をかわすと、付近で一番高い建物に向かって走り出す。


人型はドンを執拗に追い、逃がそうとはしない。


ドンは建物の側で待ち受けると、人型に向かって構えた。

人型は一瞬でドンまで接近すると、蹴りでドンを攻撃する。

防御しそれを正面から受けとめるドンは、背後の建築物に吹き飛ばされた。


建築物はドンを受け入れ、破壊されて派手に崩れ落ちる。


人型はドンを追撃しようとするが、崩れ落ちる建築物にそれを断念した。

人型にも瓦礫が崩れてくるが、そこまで気にする様子もなく無造作に払いのける。

しかし瓦礫を払いのけたはずの手が、バキッと折れた。

人型自身がそれに気付く前に、瓦礫に紛れたドンが思いっきり無防備の人型の腹を殴り飛ばす。


「しゃーんなろっ!」


腹に対しての正拳突き。


人型は恐ろしい勢いで街の南の空に飛んで行った。


「ははははっ!瓦礫に身を隠すこの見事な王道攻撃を見たか!」


やったことは姑息な不意打ちなのだが、ドンは満足そうにそう笑う。


そして戦いの舞台は街の外にうつる。

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